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kirakira☆girl  作者: aotohana
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星形のおもちゃ


隣の席を眺める


あいつの姿はない…


望月はずっと休んでいる。風邪って担任は言ってたけど…もう1週間だぞ…さすがに違うよな。



原因?

確実に俺だ…あんだけ泣かせて…傷つけた。





「なぁ…あのさ…」


俺んとこ来たかと思いきや…真面目な顔つきの陸。

こいつも…ここんとこなんか元気なかったんだよな…


「なに?」


「あの…ヒナってさ…その夏希のこと好きなの?」


は!?

なに言ってんだこいつ…鈍感もここまでくるとさ…


「陸はなんでそう思うの?」


俺はため息まじりに聞いてみる。


「だってさ…お前…夏希がタイプって、可愛いってさ…だから俺…」


あのうるさい陸がしゅんとしてる。

やべぇ、こいつ元気ない原因俺かよ。




「いや…陸、マジごめん、俺そういう意味で言ってないから」


なんだか意味が分からないって感じの陸。



「だから、俺別に夏希のこと恋愛としてみてねぇって、夏希も俺のことそんなんじゃないし…陸が誤解してるって分かったら、夏希に怒られるよ」



「マジで?けどタイプってさ…」


「タイプはタイプ…、顔とかってんじゃなくて…素直な感じとか、甘えたりしてくんじゃん…そういうの見てて可愛いっては思うし」


「じゃあ、やっぱ好きなんじゃん」


また陸の表情が曇る。


「いや…だって、別に夏希のこと抱きしめたいとか思わねぇし、普通好きなら思うんじゃねぇの?」



「そっか…そうだよな、いやごめんな」


陸はやっと納得できたのか、笑顔を見せる。

こんだけ気にするって…夏希と付き合うのも、時間の問題だな…。



「けど、ヒナってほんと恋愛興味ねぇの?抱きしめたいとか、キスしたいとか思ったことある奴いねぇの?」



陸からの質問に…浮かんだのは渡り廊下

あいつの泣きそうな笑顔。


俺、あん時抱きしめてたんだよな。

あいつのこと…俺…。



「陸、ありがとな…俺も鈍感だわ。お前のこと言えねぇな」


陸は全く訳が分からないっていった様子だったけど。





こんなにショックなんて思わなかった

広瀬くんの言ったことなんか気にしなきゃいいのに…


また彼の前で泣いてしまった。


ベッドに転がり…星形のおもちゃのスイッチを押す


けど…もうそれは光らなくて


また涙がこぼれてしまう。





インターホンが鳴る。

母が出てくれるって思ったのに…

インターホンはなり続ける。


私はのろのろと階段をおり、玄関のドアをあけた。



「広瀬くん…なんで?」





担任から見舞いに行きたいって、望月の家を教えてもらった。


会ってもらえっか、分かんなかったけど…

ただ待ってるだけじゃ、あいつは会ってくれない気がするから。



久々に見る望月はパジャマ姿で…

顔色もなんか悪かった…


苦しくなる。



母親らしい人が、玄関にでてきた。

俺を見ても表情は変わらず、淡々とした口調で聞く。


「紗香の友だち?」


「そう…」


強ばった顔で望月も答える。


「はじめまして…俺…」

俺も慌てて挨拶しようとしたけど、



「なら、あがってもらって。母さんちょっと疲れたから、休むから」


そう言うと、そのまま部屋に入ってしまった。


!?


物が割れる音…何?いったい…



「入って…、上行くから」


望月は小さな声で言うと、俺を引っ張る。





望月の部屋…真っ暗だ。

目がなれるまで…彼女の姿もよく見えない。


けど、震えてんのは分かった。

たぶん…泣いてる。


俺はそのまま彼女を抱きしめた。




どれぐらい時間がたったんだろう…


望月は少し落ち着いたようだった


「俺謝りたくて、ほんとごめん」


……。


「お母さん…おかしいでしょ」


「え!?」


「ずっとこうなの…父親が出てってから…もうやんなっちゃうな」



俺なんて言っていいか分かんなかった。

彼女の声はどこか諦めた感じで、どこか苦し気だった。


「広瀬くんに…知られたくなかった」


「…ごめん」



「婆ちゃん…ずっとね婆ちゃんとこにいたの、けどね…ここに戻ってきちゃって…」


「うん…」






頭がぐちゃぐちゃだ…

広瀬くんに何言ってんだろ…私。


大嫌いって思ったのに…


私の話を何も言わずに彼はただ聞いていた。

時々、相づちをうちながら。


優しく私の頭を撫でながら。

それはどこか懐かしくて…


あの時『きらきら』をくれた婆ちゃんに似ていた。

私…あの時もずっと泣いてたっけな…。



座る形で抱きしめられたまま…私は泣きつかれて眠りに落ちた。





俺の腕が重くなったかと思ったら…


彼女は寝ていた。

暗くてよく表情は見えないけど…


可愛いって思う。

俺…ほんとはこいつのこともっと知りたかった…。

もっと甘えればいいのにって思ってた。



俺は起こさないようにベッドに彼女を寝かせる。


そして鞄から取り出した。

カーテン閉まってるしちょうどいいかもな…。




目を覚ますと…ベッドに寝ていた。

彼の姿はない。

夢?そう思ったけど…



私の真っ暗な世界に彩りが灯る。


ピンク、青、黄色に緑…幾つもの淡い光が、私の部屋を照らしていた。


たくさんの星形のおもちゃ



私の視界はぼんやりと霞む。

けど、それは逃げようとしてるからじゃなくて、

涙で見えなくなってたから。



彼がくれた幾つもの光は…『きらきら』になった。




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