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kirakira☆girl  作者: aotohana
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雨音


夏休み明け…久々にみた隣の奴は相変わらず、窓の外を眺めている。



少しは話すようになった気がしたけど、休みに入って…また最初に戻ったかんじだ。



「夏休み、どっか行った?」


俺が声をかけると、一応こっちは向く。


「婆ちゃんち」


「楽しかった?」


……。


「うん」


そこで会話は終わってしまった。

いつもの淡々とした口調。必要なこと以外しゃべんねぇし。






ほんとはさ…あの…祭りん時一緒にいたの誰?って、聞こうと思ったんだけどな…。


別に普通に聞けばいいのに…

なんで聞けねぇんだ?…俺。





こっちに戻ってきた。

婆ちゃんは冬にまたおいでっていってくれたけど…

もう、こんなに寂しい…。


夏休みが幸せだったから余計にだ。


けど、学校で久々に広瀬くんの姿みたら、どこか嬉しいって思ってしまう私がいた。


久々でなんて話していいか分かんなくて…緊張した。田舎の友だちみたいに、普通に話せばいいのに…。







休み時間…窓際マジ暑い。

ノートであおいでいる俺のもとに、祭り以来会ってなかった夏希がやってくる。


「マコがね、また会いたいって言ってたよ」


「誰に?」


「ヒナにだよ、気づいてないの?」


正直…薄々は感じてた。けどそうならないように、気にしないように敢えてしてた。



「マジで?」


「マコいい子だし、付き合ったらヒナも好きになると思うよ」


嬉しそうな夏希。けど…


「ん…いや、悪いけど、俺あいつに興味ねぇし」


俺の発言に夏希の表情は曇る。


「ひどい…」


ひどいってさ…別に好きでもねぇのに、付き合う方がひどくね?




俺と夏希が話していると、望月が席に戻ってきた。


「望月さん、お祭りきてたよね、誰ときてたの?」


夏希の思いがけない質問に俺の鼓動が早くなる。



「…友だち」


「南校の子?」


「あ…違くて…正哉は北校なんだ」


望月から出る男の名前…。


「正哉って…望月さん、男の子ときてたんだ、いいなぁ、ね…ヒナ」


なんで俺に話を振るんだよ。


「あぁ…そうだな」


……。



「私たちはね、陸と私の親友とね、みんなで行ったんだ、花火きれいだったよね」



花火?俺は夏希の会話を遮り、望月に問いかける。



「なぁ…花火ってきらきら?」


「…うん、きらきら」


あ…久々にみるこの顔。

やっぱなんかさ…。


夏希は俺たちの会話の意味が分からず、ぽかんとしていた。




帰り道…


「ねぇ、陸…望月さん彼氏いたんだよ、びっくりだよね」


「えぇ!?マジで?どんな奴?」


「えっとね…北校って言ってた…頭いいんじゃない」


……勝手に陸と夏希は盛り上がってる。


「友だちって言ってたけど…」


俺は訂正する。それに対し夏希は…



「え~だって、お祭りに2人で来てたんだよ。望月さんってああいうとこ苦手そうじゃない、つるむタイプでもなさそうだし、それに『正哉』って…親しげに呼んでたし…彼氏だよ絶対!!」



夏希は楽しそうだ。マコのことといい、恋愛話が好きらしい。



「え~、よく付き合えるよなそいつ…望月と。だってあいつ可愛くねぇじゃん」


陸の中でよっぽど嫌なイメージなんだよな…望月って。


「あんなぁ…望月別に悪い奴じゃねぇよ」


俺が言ったのが間違いだった。

だってさ…勝手に悪く思われるのってなんかな…


「ヒナ…お前やっぱ望月のこと好きなんじゃねぇの」


「あんま表情ださないけど、望月さん顔立ちは可愛いよね」



「あぁ、まぁ…顔はけっこう可愛いよな、性格は最悪だけど…」



こいつらの悪ノリがまた始まった。



「俺は別に可愛いって思わねぇけど」


だってさ…あいつ全然俺に…。



「え!ってかお前の方がひどいこと言ってね?」


「ヒナはモテるくせに、恋愛興味ないもんね…じゃあ、どんな子が可愛いって思うの?」


呆れて夏希が問いかける……。


タイプって…なぁ…


「まぁ…夏希かな」


夏希の顔が真っ赤になる。

ほらやっぱ可愛いじゃん。


陸は俺の発言に慌てた様子だったけどな。

別に嘘じゃねぇし…って俺なんか変なこと言ったか?


俺たち3人の中に気まずい空気が流れた。




黒板の近く…宮木の席んとこ…望月がいる。

あいつがクラスの誰かと話してんのって珍しいんだけど。


そしてあの顔…けど瞳に映っているのは宮木だ。


席に戻ってきた望月の手には石でできたストラップ。


「なぁ、それ何?」


「あ…うん、宮木くんにもらって…きれいだよね」


すごく嬉しそうに笑う。


「もしかして『きらきら』?」


「うん、そうだけど…」



きらきらって、俺だけが知ってるんじゃないかって勝手に思ってた。けど…違ったんだな。


別に…どうでもいいけど。




いつものファーストフード店。


「なんかさ…ヒナ機嫌悪くない?」


陸は夏希の問いかけに黙ったままだ…いつものこいつとは違って…なんか静かでこぇんだけど。



「別に普通だろ」


俺は一気にジュースを飲み干す。

否定したけど、正直…なんかイラついてたりする。原因はたぶん…





昨日、宮木と駅のホームで電車を待っていた時だった。


「なぁ、広瀬もこれ食う?」


彼が鞄からとりだしたのは…見覚えのあるドロップだった。


なんだか、心が騒ぐ…。


「望月にもらったとか?」


俺は平静を装う。


「あぁ、そう…よく分かったな。最近初めてちゃんと話したんだけど…話したら望月の印象なんか変わったかも」


印象?


「変わったって?」


「ん…俺、もっと冷たい奴なのかと思ってたけど…笑うとけっこう可愛いかも。話すの単に苦手なだけっぽいし」



……。




放課後の教室…日直で日誌書いてたら…

帰ったはずの広瀬くんが、戻ってきた。



忘れ物かな…

一瞬目が合った気がしたけど、彼は無言のまま…ロッカーの中を探してる。



何か話しかけなきゃ…けど何て言っていいか分からない。



「宮木にもドロップやったんだな」


教科書を鞄にしまいながら、唐突に言われた。



「うん…ストラップのお礼」


話しかけられて、なんか嬉しくて…私答えたんだけど…彼は黙ってしまって。


なんか広瀬くん機嫌悪い?



窓の外

あ…雨があがって、虹でてる…

嬉しくなって


「広瀬くん…外…きらきら…」


教えようとしたんだけど…広瀬くんは大きくため息をついて、今までよりずっと怖い顔でにらんで…


「おまえ…さ『きらきら』ってしか話ねぇの?ちょっとそれってうざくね?」



怖い…ほらやっぱり、彼は私の守る世界をいとも簡単に壊してしまうから…。


近づかなきゃよかった…大嫌い。





最悪だ…

望月の目からは、大粒の涙がこぼれた。


傷つけた…気づいた時にはもう遅かった…


「あ…ごめん俺…違くて…」


今…彼女の耳は聞こえているんだろうか…

けど、俺の声はもう彼女には届かない。


俺はなだめようと手を伸ばすけど…びくってなる。

完璧拒否だ。


勝手にいらいらして、こいつにあたった。

最低だな…俺。


止んだはずの雨音がまた教室に響き渡った。




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