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プロローグ:ダチの初恋と『難空』作戦

終業式って聞くとみんなは何を考える?


…わかってるよ。先生の長ーい話だろ?今それの真っ最中です。あーあ、皆我慢できてねーけど…


「まだかなぁ、透。」


横の茜音ちゃんも我慢できていません。まあ仕方ないかもしれない。このあと部活動ごとに集まって今後の話をしてから部活ごとに帰るというへんな会議がある、が、この茜音ちゃんはそれが楽しみらしい。


「部活の話し合いって楽しくない?」


…と目を輝かせて言ってた。と言われてもなあ…

          ・・

「そんなに焦んなよ、茜音。」


その瞬間、クラス全員が、こちらを向いた。…え?

「山岸、今お前」「山倉さんの事名前で?」「てめ、ざけんな!」「山倉さん、山岸君とは友達なんじゃなかったんですか!?」「茜音ちゃん、詳しく!」「山岸~死ぬ覚悟、あるよなぁ!?」「茜音ちゃん、山岸とはどこまで!?」「山倉さんを俺より早く攻略しやがって!」「だから俺の告白を…山岸ぃ!死ねぇぇぇ!」「落ち着け皆!ここは男子全員で山岸君を!」『ぶっ潰す!!!』


『二の二!うるせーぞごらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!』


とりあえず…集会の中でこんな状況になったらどうする?


…俺は茜音と一緒に入り口付近にいた大岡に頼んで逃がしてもらいました。

――――――――――――――――――――――――――――

「…ここまでくりゃ、問題ないな。」

「…だね。」

「およ。ヤマギー。転校生ちゃん。お久だな。」

「情報屋!ビビらせないでくれ。」

「わりぃ。二の二の男子に潰されかけてるんだったな。で?実際どこまで行ったんだ?」

「どこも行ってねぇよ。ただ、恩人を苗字で呼ぶのは…ってよ。」

「成程…ん?あれは…」


「おーい。山岸ー。あーちゃーん!」

「委員長?」

俺達を呼んでいたのは委員長の空牙さん。その苗字通り男勝りで腕っぷしが強い、黒いショートヘアの美人だ。


「くーちゃん。どうしたの?」

「いやなに先生からの伝言でな。『お前らは教室に来ず一回帰れ。荷物は私が後で家に持ってく。』だそうだ。」

「サンキュ。委員長。」

「ああ…ん?君は情報屋君かい?」

「ん…ああそうだぜ。」

「集会をさぼるのは感心しないな。」

「サボってないよ仕事さ。」

「まあなんにしろ次は出るんだぞ…じゃ、あーちゃん、山岸また来年。」

「ああ。」

「うん。」


委員長…空牙さんは情報屋を軽く小突くとすたすたと教室へと帰って行った。


「なあ、ヤマギー。」

「ん?」

「俺ってさ、情報屋なんかやってっから。友達なんて言えんのヤマギー位でよ…」

「…確かに俺も男の友達はお前くらいしかいないが…」

「だからさ、一つ聞いてくれや。」

「ん?」


「…相談に乗ってくんね?」

――――――――――――――――――――――――――――

ここは俺んち。居るのは茜音、俺、情報屋。学校はもう終わって今は全員私服。…ああ、茜音の私服姿はやっぱかわいい…


「で…相談って何だ?」

「さっき会った空牙さんの事なんだが…」

「なんだ?委員長が怖かったのか?」

「くーちゃん、第一印象は怖いもんねぇ。」

「違うんだ。」

「なんだ?じゃああれか?委員長の情報が欲しいってか?無理無理怖いもん!」

「それも…違う。」

「じゃなんだよ?」


情報屋ははっきりとこう言った。


「…俺は空牙さんの事が好きだ。」


…え


『ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?』


俺と茜音の絶叫がアパートに木霊した。


「…話を整理すると…あれか?空牙さんの情報調べてるうちに好きになったと。」

「ああ。一年の女子に空牙さんの情報が知りたいと言われ調べていたら…」

「くーちゃん、女子にモテるからねぇ。」

「俺はいままでこう心にずきゅんと来る女子が居なかったんだけどよ。初めて見たとき、すごくかわいい人だなと…」

「ほぉ…」「へぇ…」

「にやにやすな!…情報集めてっとさぁ、悪い情報も出んじゃん。でも…彼女はいい情報しか出てこないっていうかさ。悪いのでてきは…したんだけどよ。でもそれを知っててこう思える人ってなかなかいないと思って…さ。」

「じゃあがんばるか…その人に想いを伝えるために俺らは集まったんだ。なあ茜音?」

「うん!」


「題して『難攻不落の空牙さんおとすぞさくせーん』に決定!略して『難空』!」

「作戦名不吉!?」


そうして俺とダチの女を落とす作戦が始まった。


「おー…」


茜音も頑張ろうぜ?

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