◆遭遇と邂逅と心の戦争
漫画の原案程度に考えた作品なのでどうかその辺は勘弁して下さい。
どうせ考えるならと思って投稿しました。
*未必の故意*
ノイズのような雨音が響き渡る教室。
向けられる目には恐れと非難が見え隠れし、自分の周りに倒れている人達には黒光りするとても大きなナイフが幾数も突き刺さっている。なのに、何故血が出ていないのだろう?
そんな、下らない事を考えてしまう。
教室の外にいる集団の一人が自分を指差してこう云った。
『人殺しぃ!!!!』
嗚呼…そうか…俺が殺したんだ……。でも、だとしたらその呼称は不適切だな。殺した人数で云うなら、
俺は『殺人鬼』だ。
*異端者の邂逅*
最高気温が更新され、とうとう37度に達した。こんなんじゃ、公園でアイスもゆっくりと食べてられない。
「あっ!」
棒に付いていた最後の一口が落ちてしまった。「あーあ、ま、いいか」 棒を捨てようとベンチから立ち上がろうとしたとき、目の前の地面に影ができている。何かと思い、上を見上げるとそこには………
「戦争しようぜ?お嬢ちゃん」
世間一般でいう不良という感じの人が3人ほど、不快な笑みを顔に浮かべながら立っていた。
今じゃ『戦争』というのはこの街じゃ対個人間では当たり前に起こるようになってしまった。『武器』は、自身の『心』だ。厨二くさいけど事実なので仕方がない。
手にしたチカラに酔いしれてただの暴力をふるう集団も増えているわけだけど。例えばこの人達みたいに。
「お断りです。コレじゃ集団リンチですよ?」
「あ゛あん!?」
笑顔虚しく、この人達の態度が一変した。
「てめぇは、おとなしくヤられりゃいいんだよぉ!!」
(ようはこの不良、私に性欲を満たすためだけに戦争をする気らしい………馬鹿じゃないの?)「ンだと!!このアマぁ!!!」
(あれ?言葉に出てた?あっ、飛ばしちゃったのか…)
「このやろおぉお!!」 この怒り狂った殿方…と呼ぶにはあまりにもふさわしくない風貌の方はよりにもよって握った拳を私に振りかざしてきた。残念なことかな、私は喧嘩は全くできないのだ。既に私の眼前には不細工な拳が…皆さん左様なら。私は此処までのようだ。
グチュッ…
嫌な音がしたと思ったら先程の不細工が大きなナイフで串刺しに!そして唖然とした不良達の後ろには猛暑だというのに真っ黒な服を着込んだ白髪の男性が立っている。
その男性は無機物でも見るような目で不良達にこう云った。
「さあ、戦争を始めようか」
これが私と殺人鬼との出逢いだった。
読んで頂きありがとうございました。
まだ途中なので続きも書いていくつもりです。