#16 ◇◇転機(悪役令嬢、リリアナの悪の歩み:その5)世の中、人の心は操れない!
『呪詛のクリスタル』と絡み始め...です
確かに侯爵様の手腕は凄い。私の前世の会社の偉い人? レベルは並? いえ、それ以下ーーー!! 程度だねーーー!!
それに、『モーガムテ男爵の後妻』? ここの大教会に出入りする男で、一番いやらしい目付きで女性を見ているし。
ウワサで上位なのは好色と、嫌いな男? NO1に不動の地位になるくらいじゃない。モー、人をバカにしてーーー!!
リリアナは、明日は大聖女様が王宮治癒院へ診察に行くのを思い出した。
今回の実績が出たのは、全てはあの『呪詛のクリスタル』だったわ。
せめて、あれを取り除けば、少しはあの侯爵を困らせるくらいは、できるかも知れないと思った。
翌日、親しくしている見習い聖女のリアナへ、もう大聖女様の監視はいらなくなったから、あのクリスタルを回収してきてと頼んだ。
リリアナは、数日ようすを見れば、何か変化があるだろうと、あまり期待していなかった。
リリアナは、一般聖女とは違い、管理者になっているので、個室を与えられていた。
昼間にリアナから回収してもらった、『呪詛のクリスタル』を簡単には捨てられないので、しまって置ける場所を探していた。
そうだー。元々この部屋にあった書棚に、隠し収納スペースがあった。あそこなら鍵がかかるし、ちょうどいいわ。
書棚の本を何冊か取り出すと、壁をくり貫いた隠し収納スペースが、現れた。そこのダイヤルを3つ合わせると、小さな扉が開いた。
前から、ひどくホコリを被っていて、触りたくないから、何が入っているかわからない箱が幾つかあった。
そこの段に、『呪詛のクリスタル』を置いてみた。何か『呪詛のクリスタル』はそこにあるべき場所のように感じ、ピタリと収まった。
小さな扉を閉めようとした時に、リリアナは異変を感じた。『呪詛のクリスタル』は黒い空間のようになっている。
しばらく眺めていると、頭に直接話しかけられた「いやー、しばらく振りの懐かしい場所に帰ってきたな。ここに戻してくれてありがとう。君は聖女ではないな。俺の姿が見えないだろう」
リリアナは、怖くなっていたー! いったい、これはどうしたことだろうか?
「いやー、怖がらなくてもいいよ。君にはお礼がしたいんだからね」...そうして、しばらく会話をしていた。
翌日は、侯爵の孫娘が執務室に入って来た。リリアナはこいつが、そうか。見習い聖女ではあるが、二人部屋を一人で使えるようにしてあげてあった。
この娘、アネッサは、リベール伯爵家の三女だった。
この娘アネッサは、執務室に誰もいないので「おじいさまは、第二王子の婚約者にと言っているけど、私のことは何もわかっていないの。私は、優しい公爵家のご令息、ギルバリオン様がいいのよ。あなたとは、話し合いをしたいわ」と言っていたわ!
次回は、アネッサとの話し合い です / 話し合いと交渉!
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