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002:西暦2050年

ARも早く身近に感じたいです。

 2020年代は、混迷の時代と呼ばれている。

 経済の混乱、疫病、戦争は世界を覆い、長い年月人類にのし掛かっていた。

 未来に希望を見いだせず、暗闇の中にいると揶揄する人もいたほどだ。

 

 そして時は過ぎ2050年現代。


 混迷を超えた人類は、驚くほど穏やかな時代を過ごしていた。

 事件がないわけではない。 争いも、相変わらずないわけではない。

 しかし、しかし。

 

 穏やかだと。 何というか、安らげると。


 20年代を経験した大人達は、それ以降生まれた子供達に苦笑っていうのだ。

 曰く、良い意味で退屈だと。

 

 子供達は笑って否定する。

 曰く、楽しい事が多すぎて大変だと。

 

 確かにと。 みな納得する。

 なぜなら、大人も子供も皆等しく世界は2つあったからだ。


 それは、現実世界と仮想世界。



 ほんの10年程度で世界に広まり、人類の生活やその意識まで変えてしまったスマートフォン。

 2020年代に技術的な停滞を迎えたそれに変わり、ゲームチェンジャーが現れる。


 それはVRとAR。

 疫病で屋外へ出ることが憚られた20年代に、VRは人々に新しい世界の扉を開く。

 2020年後半から30年代は、そこにARが人類に寄り添うようになった。


 技術革新によりメガネのように軽くなったAR機器は、人類の視野情報を増大させた。

 時計、天気予報、カレンダーと言ったスマートフォンで使われる情報に加え。

 視界に被せるように、役に立つ情報をARは高画質で追加する。

 ARがもたらした、特に影響が大きかった例は、


 ・操縦する車に連動して、車の周りに関する情報を表示する。

  (おかげで、子供の飛び出しやトラックの後ろなど、車から見えない死角が事実上なくなった)

 ・PCモニターが不要になり、どこでも大画面で作業できるようになった。

  (30年代中頃は、パソコンモニターを買わない世代が増え、40年代は画面がない映画館が出現した)

 

 この二つだ。

 なぜなら前者は陸海空すべての、世界中の交通事故を低減させたからだ。

 スマートフォンがそうであったように、ARもネットワークさえあれば世界中どこでも使える。

 つまり最高レベルの交通管理システムが、世界中に適応されたことと同義となる。

 その驚きは30年代後半、交通事故の低下に関するニュースがメインになっていた程だ。


 後者は30年代前半テレビがパソコンモニターに駆逐されたように、パソコンモニターはARに駆逐されたからだ。

 ブラウン管から液晶へと移行して、占有するスペースを減らした流れをそのままに。

 ARモニターによって、現実世界からモニターはほぼ消滅した。

 (全く無くなったわけでは無く、非常時などの為に多少は存在する)


 ちなみに、スマートフォンは2050年現在も存在する。

 それは後々語ることにする。


 ではVRはどうか。

 見ている視界に情報を被せるARと事なり、視界に入る情報すべてを作り出すVRは、人類を別世界へと誘う。


 こちらも技術革新によりメガネのように……いや、少し大きめの水中眼鏡のように。

 子供が付けても苦にならなくなった機器を身に付ければ、誰でも直ぐに仮想世界へ飛び込めた。

 VR酔いが克服され、視野が初期の頃とは比べものにならないほど広がったVRは、現実とは違う、もう一つの現実として扱われるようになる。

 

 ・仕事や学業をVRの中で完結させるビジネスマン、学生が主流になった。

  (現地へ赴かなければならない例を除いて、ほぼ在宅での作業がメインにになった。

   しかし50年代も、社屋を持つ会社はなくなってはいない)

 ・仮想世界による、国を跨いだ交流が盛んになった。

  (高度な翻訳機能によって言語の壁がなくなり、それがない20年代でさえ友達が地球の裏側にいる事もめずらしくなかった)


 ARとVR。

 2020年代に産声を上げ、スマートフォンに取って代わった新技術は共に成長する数多くの技術を率いて、人類の生活を更に押し上げる。

 現実世界と仮想世界の大きな2つの世界を手に入れた人類。

 

 そして2040年代初期。 一つの新たなゲームチェンジャーが人類の前に現れる。


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