7.初めての戦闘
シフトは気を取り直して行動を開始しようとしたそのとき、
「・・・ガルルルル・・・」
声がした方に振り向く。
そこには闇に包まれた2メートルくらいある狼が一匹いた。
「・・・な?!」
シフトは身構えるよりも速く狼が攻撃してきた。
狼の突進に対応できずシフトは3メートルほど吹っ飛ばされる。
「・・・う、うぅ・・・」
(・・・反撃しないと・・・)
腰にあるナイフを引き抜いて体勢を立て直す前に狼がシフトの上に圧しかかる。
そして左前足でシフトを攻撃してきたが、それを右手のナイフで受け止める。
「・・・くぅ、うぎぎぃ・・・」
(このままでは・・・やられる!)
シフトは左手で小石や砂利を一掴みすると狼に投げた。
「・・・!」
狼は飛び退いてシフトから距離をとる。
速すぎる・・・何とかならないのか?
そんなことを考えていると、頭の中に声が響いた。
≪確認しました。 スキル【ずらす】レベル2解放 【認識】をずらします≫
「? え? え? 【認識】をずらす?!?!」
シフトが戸惑っていると狼は再び襲い掛かってきた。
(もうだめだ!!)
狼の爪がシフトを引き裂こうとした・・・が、空を切った。
(え?)
「・・・?・・・?・・・?!」
狼もパニックしていたが、しばらくして落ち着いたのか再び飛び掛かった。
しかしその攻撃も空を切ったのだ。
狼の頭の中では大量の?が浮かんでいた。
(どういうことだ? 理由はわからないけど今がチャンスだ!)
錯乱した狼は三度飛び掛かってきた。
どこを攻撃していいかわからないシフトはしゃがんでナイフを突き出した。
すると狼の喉にナイフの刃が吸い込まれるように突き刺さる!
勢いが止まらずそのまま腹の方まで切り裂いた。
傷を負ったことで着地に失敗しそのまま地面に2~3回叩きつけられる。
「・・・ァ・・・ゥ・・・ァ・・・(ガクッ)」
狼は口から血を吐き濁った眼をこちらに向けて力尽きた。
光の粒子となって消えていく狼、それと同時に宝箱が目の前に現れた。
「・・・か・・・勝ったのか?」
状況を整理しようとしたとき、頭の中に声が響いた。
≪レベルアップしました≫
≪レベルアップしました≫
≪レベルアップしました≫
≪レベルアップしました≫
≪レベルアップしました≫
・
・
・
≪レベルアップしました≫
≪レベルアップしました≫
≪レベルアップしました≫
≪レベルアップしました≫
≪レベルアップしました≫
やがて頭の中の声が途切れる。
「・・・勝った・・・勝ったぁ!!!」
今更ながらに勝ったことを実感する。
「そ、そうだステータスは」
慌ててステータスを確認する。
名前 :シフト
年齢 :11歳
レベル:119
生命力:3/21470
魔力 :76/62387
体力 :1/18294
腕力 :1365〔+1〕
走力 :1412〔+1〕
知力 :1903〔±0〕
器用 :1621〔±0〕
耐久力:2076〔+2〕
幸運 :77777〔±0〕
装備 :武器 ナイフ〔腕力+1〕
鎧 普通の服〔耐久力+1〕、革の胸当て〔耐久力+1〕
盾 なし
兜 なし
小手 なし
靴 革靴〔走力+1〕
装飾 なし
状態 :瀕死
称号 :なし
職業 :なし
スキル:★【ずらす】 レベル1:【即死】 レベル2:【認識】 レベル3:【???】
耐性 :毒無効、麻痺無効、病気無効
ス、ステータスが半端なく上がってる。
確かSランク冒険者や勇者たちですら3桁どまりだったような・・・
まぁそれは置いといてスキルレベルが上がって新しく【認識】を覚えたようだ。
とりあえず確認しないと。
認識の概念をずらす
獲得条件:相手から知覚できない攻撃をうける
効果 :【五感操作】(対象:自分以外)、【偽装】(対象:自分)
[鑑定石]で【五感操作】と【偽装】も確認する。
【五感操作】は対象者の距離感、平衡感覚などをずらすことができるらしい。
なにそれ? 1対1なら勝ち確じゃないかな。
【偽装】は自分の容姿や能力をカモフラージュする。
今の能力を見られるとまずいからありがたいよ。
能力を確認したところで狼からドロップした宝箱に目をやる。
[鑑定石]で罠がないことを確認したので開けてみると緑と紫のポーションが1つずつと魔石が入っていた。
エクスポーション
品質:Sランク。
効果:服用者の最大生命力まで回復する。 メロン味で飲みやすい。
マナハイポーション
品質:Sランク。
効果:服用者の最大魔力の半分ほど回復する。 ブドウ味で飲みやすい。
ダーク・ウルフの魔石
品質:Aランク。
効果:魔力を秘めた石。 魔法具、錬金術などの材料として重宝される。
瀕死の状態だったから助かった。
シフトは早速2つのポーションを飲みほした。
ゴクゴクゴク・・・ん! 美味い!!
身体中に力が漲るようだ!!
体力も回復して、疲れも取れて良いこと尽くめだ。
ありがとうポーション。
ついでに【偽装】を使って顔とステータスをカモフラージュするか。
「えーと、あれをあーして、これをこーして・・・」
名前 :シフト
年齢 :11歳
レベル:20(119)
生命力:320/320(21470/21470)
魔力 :320/320(36163/62387)
体力 :41/320(41/18294)
腕力 :160〔+1〕(1365〔+1〕)
走力 :180〔+1〕(1412〔+1〕)
知力 :170〔±0〕(1903〔±0〕)
器用 :150〔±0〕(1621〔±0〕)
耐久力:200〔+2〕(2076〔+2〕)
幸運 :777〔±0〕(77777〔±0〕)
装備 :武器 ナイフ〔腕力+1〕
鎧 普通の服〔耐久力+1〕、革の胸当て〔耐久力+1〕
盾 なし
兜 なし
小手 なし
靴 革靴〔走力+1〕
装飾 なし
状態 :正常(容姿偽装中)
称号 :なし
職業 :なし
スキル:★【ずらす】 レベル1:【???】(レベル1:【即死】 レベル2:【認識】 レベル3:【???】)
耐性 :毒無効、麻痺無効、病気無効
「これでよし」
生命力・魔力は自動回復や無詠唱魔法と錯覚させられるだろう。
だけど幸運だけは“7”以外変更できないのはどういうことだ?
3桁以上しか変更できないし・・・
問題ないからいいけど・・・ねぇ?
容姿は髪と目の色を変え、眉間を中心に大怪我したように見せかけた。
これなら外見からシフトであると認識されないだろう。
「さてダンジョン脱出もそうだが、食料がな・・・」
さっきの狼が死んだ状態で残ればよかったが、光の粒子になって消えるとは予想外だった。
「いくら強くなっても食事は人間に必要だからね」
当面は食料調達とスキルのレベル上げが課題になるかな。