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3.実親と貴族の交渉

「失礼、少しお時間をよろしいですかな?」

彼らは振り向くとそこには執事と後ろには貴族の礼服を着たオーク?が控えていた。

シフトの父親は相手が貴族であるとわかるとすぐに揉み手を始めた。

「ど、どちら様ですかねぇ?」

「この方はヘルザード辺境伯領主ザール様です」

執事は名を告げるとザールを前に出させ自分は一歩下がった。

「そ、それはご丁寧にどうも・・・」

「そ、それで何の御用ですか?」

ザールはシフトに不躾な目を向けて要件を切り出す。

「ぶふぅ、あーあー、確かシフト君だっけ? 彼を売ってくれないかね?」

彼らは心の中で『『き、きたあああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!!!!!!』』と叫んでいた。

「そ、それは・・・え、えぇ、もちろんいいですとも」

「そ、それでお、おいくらで?」

「ぶふぅ、そうだなぁ・・・」

ザールは金額を考え始めた。

彼のスキルが今までにない前代未聞なのでいくらで手に入れようかと思考しようとしたとき、

「金貨10000枚でどうでしょう?」

「ぶひ?」

シフトの父親はザールに金貨10000枚を吹っ掛けたのである。

それに対してザールはすぐさま反論する。

「高すぎる! 君相場を知っているのかね?」

「い、いいえ、でもこんなスキルはないと言われたんですよ? なら金貨10000枚でもいいでしょう?」

「流石に金貨10000枚は高すぎる。 国王が報酬として出す最高の勲章でも金貨にして1000枚だよ?」

「失礼ながら勇者や聖女といった者たちでさえ金貨50枚前後が相場です。 流石に金貨10000枚は・・・」

ザールの発言に執事も口を添える。

ザールは金を出し渋ろうとしているが、執事は相場の金額を予め知っていたのでシフトの父親に伝えた。

しかし金の亡者な彼らには目の前の貴族は金がないと思いきや強気な姿勢に出る。

「ならこの話はなしだ!! 国王ならもっと高値で買い取ってもらえそうだしよ!!!」

「金がない貴族はさっさと失せなさい!!」

彼らの言葉にザールは早々に切り札を切った。

「な、お、お前たち侮辱罪で牢にぶち込むぞ!! そのあと彼を手元に置くことだってできるんだからな!!!」

「な!!」

「横暴よ!!」

慌てた彼らにザールは冷静になるよう促す。

「ぶふぅ、まぁ、落ち着きたまえ。 何も暴力で君らの息子を手に入れようとしているわけではない」

「左様でございます。 当方と致しましては交渉の席にてお互い納得していただければと・・・」

「・・・く!」

「・・・わかったわ!」

落ち着いたところでこの場は執事が仕切ることになる。

「では改めて交渉を。 勇者や聖女と同じ額の金貨50枚でどうでしょう?」

「少ないわ!」

「・・・金貨5000枚」

「流石にそれは・・・では金貨100枚」

「私たちを馬鹿にしてるの?!」

「・・・金貨2000枚」

「なら・・・金貨200枚」

「あたしがお腹を痛めて産んだのよ?! もう少し上げてよ」

「・・・金貨1000枚」

「金貨500枚。 これ以上は金額を上げられません」

「・・・」

母親はどうする?というような目で父親を見る。

彼はない頭で考えた。

金貨500枚が多いのか少ないのか。

彼は以前奴隷商で一人当たり金貨1枚前後であることは知っている。

それを踏まえた上で売るか売らないかを。

「・・・金貨800枚。 それ以上は下げられない」

すると今度は執事が考え出す。

先ほど金貨500枚が限度といったが少し足せば手が届く。

ザールは喉から手が出るほどシフトを欲している。

どうしたものかと考えていると、

「わかった。 金貨800枚で手を打とう」

ザールが苦い顔をしながらその金額で交渉したのである。

「旦那様、よろしいのでしょうか?」

「ぶひ、構わん」

「・・・交渉成立だな」

「な、なら早速金貨800枚持ってきてよ」

「ぶふぅ、渡してやれ」

「・・・畏まりました。 旦那様」

執事は丁寧にお辞儀をしその場を去る。

しばらくすると執事と彼の部下二人が袋を持って戻ってきた。

「こちらが代金金貨800枚です。 ご確認を」

金貨800枚が入った袋を差し出す。

袋を受け取るとずっしりした重さで一人では持てないほどだ。

彼らは地面に袋を置いて開けるとそこには黄金に輝く硬貨がびっしりと詰まっていた。

この場で800枚は数えられないから袋のなるべく下のほうにある金貨を数枚取り出した。

どの金貨も黄金に輝いていた。

「この場では確認できないから・・・家で確認するわ」

「もし、金貨が偽物だったり銀貨や銅貨だったりしたら・・・わかってるだろうな?」

彼の発言に執事は無言で礼をする。

主であるザールが威圧込みで彼らに話した。

「ぶひ、先ほども言っただろう? お互いが納得できればと」

「あ、ああわかってる」

「・・・もらうものはもらったから」

彼らは金貨の入った袋を持ってその場を立ち去った。

余談だが翌日には彼らは大金を持って村を出て行った。

「ぶひ、では我々も行くか」

シフトはザールに連れられてネルス村を後にするのだった。


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[一言] これはまた、とてつもなく酷い世界だな 幼児虐待が罪にならないどころか、 普通に売買されているとは
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