表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/394

20.夜伽がダメなら夜這いでしょう♪

明日のことを考えて早めに就寝することにした。

みんなにも明日が早いことを伝えると渋々床に就くのだった。

「・・・Zzz・・・Zzz・・・Zzz・・・」

しばらくするとベッドの方から複数の寝息が聞こえてくる。

(・・・一つ屋根の下・・・というか一つ部屋の中で5人の女の子と一緒に寝泊まりしているんだよな・・・)

一度妄想をすると疲れているはずなのになかなか寝付けなかった。

(・・・変なこと考えてないでさっさと寝よう・・・)

スルスルスル・・・ファサ・・・

ベッドのほうから何か着崩れする音がする。

(?)

スルスルスル・・・ギィ・・・ギィ・・・ギィ・・・

音が聞こえなくなると今度は誰かが近づく気配を感じた。

目を開けると誰かがシフトを覗き込もうとしていた。

「・・・フェイ?」

「あ、起こしちゃった?」

「・・・何やっているんだ?」

「えっと・・・夜這い・・・」

フェイは視線をそらして気まずそうに答えた。

その答えに呆れてため息が出た。

「・・・はぁ、フェイ、あのな・・・」

「ぼく、本気だよ」

フェイは真剣な眼差しでシフトを見た。

「最初のキスはユールちゃんに取られたし、最初の抱擁もルマちゃんに取られたし・・・正直二人が羨ましい」

「・・・」

「・・・だからぼくもご主人様の・・・シフト様の最初が欲しい・・・」

フェイは胸元にあった手をだらんと下げた。

よく見ると透け透けのネグリジェを着ていた。

少し目を凝らせばすべて見えてしまいそうだ。

胸はルマに劣るもののその煽情的な光景に目を奪われていた。

「だから・・・最初の相手はぼくを選んで」

フェイが近づいてシフトの唇を奪うまさにその瞬間、

「フェイ、わたしも最初が無いんだがな」

フェイが振り返るとそこには仁王立ちしているローザがいた。

「ロ、ローザちゃん?!」

「フェイの気持ちもわかるけどさ・・・それはフェアじゃないような気がするな」

「・・・んんん・・・なによぉ・・・ぅるさぃわねぇ・・・」

「・・・どぅしたんですかぁ?・・・」

寝ぼけた目をこすりながら上体を起こすユールと欠伸をしながら上体を起こすルマだった。

フェイの恰好を見て目が覚めたのかルマとユールが彼女に詰め寄る。

「「フェイ(さん)!! これはどういうことか説明して(くれますか・くれるわよね)!!」」

「えっと・・・これは・・・その・・・」

「ご主人様に夜這いだとさ」

「ちょっ?! ローザちゃん!!」

「フェイ!! お話があります!! そこに座りなさい!!」

「は、はい!!」

フェイが床に正座させられるとそこからは3人による説教が始まった。

しばらく見ていたが終わりそうになかった・・・

(はぁ・・・馬鹿らしい・・・寝よ)

シフトがソファーに寝転び、毛布を掛けて目を閉じた。

しばらくすると毛布を剥いで誰かがシフトの胸元に身体を預けてきた。

目を開けるとそこにはベルがいた。

「・・・え、ベル?」

「・・・Zzz・・・」

どうやらベルは寝ぼけてシフトのところにきたらしい。

さすがにここで寝られるとね・・・

「・・・ベル、起きてベル・・・」

「・・・Zzz・・・Zzz・・・んんん・・・Zzz・・・」

何度もベルの身体を揺らすも起きる気配がなかった。

「ちょ、ベル何寝てるんですか!!」

「ベルさん!! うらやま・・・けしからんですわ」

「これは完全に寝ちゃってるね」

「ああ、ぼくがそこで寝たかったのに・・・」

「・・・Zzz・・・Zzz・・・Zzz・・・」

(はぁ・・・仕方ないな・・・)

「しいぃぃぃぃぃ・・・みんなベッドに戻って寝なさい」

「「「「・・・はい・・・」」」」

シフトは人差し指を口に当てて黙らせた。

「・・・Zzz・・・ご主人様・・・Zzz・・・」

(・・・気持ち良さそうに寝ちゃって・・・)

シフトの胸の上で幸せそうに寝るベルであった。


朝───

「・・・んんん・・・」

目を覚ますと窓から太陽光が入っている。

・・・朝か・・・

ベルの寝顔を見ていたら睡魔に襲われて気付いたら寝てたなぁ・・・

「・・・んんん・・・んんん?」

「・・・!!」

「・・・!!」

「・・・!!」

「・・・」

そこには説教の続きが行われていた。

朝から元気だな・・・だけどこのままじゃフェイが可哀そうだ。

「こら、もうその辺で許してやれ」

「あ、ご主人様!! おはようございます!!!」

「「おはようございます!!!」」

「ご主人様!! 助けて!!!」

みんな寝間着のままだった。

「寝てないのか?」

「いえ、睡眠をとったのちに説教を再開しました」

せめて部屋着に着替えてからやってほしい。

そんなことを考えているとシフトの胸で寝ていたベルが目を覚ます。

「・・・ん・・・んんん・・・」

「ベル、やっと起きたのか?」

「・・・ん・・・あれ・・・ご主人様?・・・」

「寝込みを襲われるとは思わなかったぞ」

「? 途中から気持ち良かった」

その瞬間場が凍った。

ベルからとんでもない爆弾発言が飛び出す。

「ご、ご主人様、ベルに手を出したんじゃ・・・」

「違う! 僕は手を出してない!!」

「? なにかあったの?」

不思議そうにするベルを見てみんな毒気を抜かれてしまった。

落ち着いたところでシフトはベルを退かすと指示を出す。

「僕は部屋を出てるからみんな服着替えろ」

「「「「「畏まりました」」」」」

シフトが部屋を出る際、ベルがフェイのネグリジェ姿を褒めた。

「フェイ、その服にあう」

「え、ああぁ・・・あ、ありがとう・・・」

「「「ぷ、くすくすくす・・・」」」

「?」

「な、笑うことはないだろ!!」

ベルは何がおかしいのかわからないようだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

幻世の作品一覧

【完結済】

スキル【ずらす】で無双する
全 394 エピソード  1 ~ 100 エピソード  101 ~ 200 エピソード  201 ~ 300 エピソード  301 ~ 394 エピソード
ジャンル:ハイファンタジー〔ファンタジー〕


【連載中】

追放された公爵子息の悠々自適な生活 ~スキル【現状維持】でまったりスローライフを送ります~
1 ~ 100 エピソード  101 ~ エピソード
ジャンル:ハイファンタジー〔ファンタジー〕


【短編】

怪獣が異世界転生!! ~敗北者をナメるなよ!! 勇者も魔王もドラゴンもみんな潰して異世界崩壊!!!~
ジャンル:パニック〔SF〕 ※異世界転生

「お前をパーティーから追放する」と言われたので了承したら、リーダーから人脈が芋蔓式に離れていくのだが・・・
ジャンル:ハイファンタジー〔ファンタジー〕

潔癖症の私が死んで異世界転生したら ~無理です! こんな不衛生な場所で生きていくなんて私にはできません!!~
ジャンル:ヒューマンドラマ〔文芸〕 ※異世界転生

王太子殿下から婚約破棄された上に悪役令嬢扱いされた公爵令嬢はクーデターを起こすことにしました
ジャンル:ハイファンタジー〔ファンタジー〕 ※異世界転生

敗北した女勇者は魔王に翻弄される ~くっ、殺せ! こんな辱めを受けるくらいなら死んだほうがマシだ!!~
ジャンル:異世界〔恋愛〕 ※異世界転生

目の前で王太子殿下が侯爵令嬢に婚約破棄を言い渡すイベントが発生しました ~婚約破棄の原因は聖女であるわたし?!~
ジャンル:ハイファンタジー〔ファンタジー〕 ※異世界転生

パーティーから追放された俺に待ち受けていたのは勧誘の嵐だった ~戻ってこいといわれてもギルドの規定で無理だ、あきらめろ~
ジャンル:ハイファンタジー〔ファンタジー〕

君が18歳になったら
ジャンル:現実世界〔恋愛〕

追放した者たちは依存症だった件
ジャンル:ハイファンタジー〔ファンタジー〕

高給取りと言われた受付嬢たちは新任のギルドマスターによって解雇されました ~新しく導入した魔道具が不具合を起こして対応できなくなったので戻ってこいと言われましたがお断りします~
ジャンル:ハイファンタジー〔ファンタジー〕

ダンジョン奥深くで追放された荷物持ちは隠し持っていた脱出アイテムを使って外に出ます ~追放した者たちは外に出ようとするも、未だにダンジョン内を彷徨い続けていた~
ジャンル:ハイファンタジー〔ファンタジー〕

王立学園の卒業パーティーで王太子殿下から改めて婚約宣言される悪役令嬢 ~王太子殿下から婚約破棄されたい公爵令嬢VS王太子殿下と結婚したくない男爵令嬢~
ジャンル:異世界〔恋愛〕 ※異世界転生

婚約破棄された公爵令嬢は遠国の皇太子から求婚されたので受けることにしました
ジャンル:異世界〔恋愛〕

異世界にきて魔女としてエンジョイしたいのに王子殿下を助けたことで聖女に祭り上げられました
ジャンル:ハイファンタジー〔ファンタジー〕 ※異世界転生

隣国の夜会で第一皇女は初対面の王太子殿下から婚約者と間違えられて婚約破棄を言い渡されました
ジャンル:異世界〔恋愛〕

追放された聖女は遠国でその国の聖女と間違えられてお帰りなさいと温かく歓迎された
ジャンル:異世界〔恋愛〕

聖女として召喚されたのは殺し屋でした
ジャンル:ハイファンタジー〔ファンタジー〕 ※異世界転移

異世界から召喚された聖女?
ジャンル:異世界〔恋愛〕

この家にわたくしの居場所はないわ
ジャンル:異世界〔恋愛〕

闇の聖女は砂漠の国に売られました
ジャンル:異世界〔恋愛〕

「君を愛することはない」と言いますが、そもそも政略結婚に愛なんて不要ですわ
ジャンル:異世界〔恋愛〕

婚約破棄? それならとっくの昔に言い渡されておりますわよ
ジャンル:異世界〔恋愛〕

― 新着の感想 ―
[良い点] 復讐とか、傷ついた人を回復するとか、 そういうシーンは好きなんだけどな [気になる点] しかしハーレム作ってイチャイチャしてるのは不愉快すぎるw ラノベの読者なんかどちらかというとモテない…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ