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211.1戦目:フェイVs手甲の金髪少女 2戦目:ローザVs剣の黒髪少女 〔※残酷描写有り〕

ぼくの目の前には手甲を嵌めた女の子がいた。

顔は可愛くて、金髪のショートカット、背の高さはぼくより少し高く、そして胸はぼくよりある。

そんな金髪少女はぼくに対して殺気を隠すことなく叩きつけた。

「君、どこかで会ったことある? ぼくたち初対面のはずだよね? 恨まれるようなことをした覚えがないんだけど?」

「・・・」

金髪少女は黙ったまま身構える。

(あの構え、どこかで見たことがある)

たしか最近見た記憶がある。

あるのだがどこで見たのか記憶にない。

(バカな! 超絶可愛いぼくが覚えていないなんてこの娘一体何者なんだ?)

そんなバカなことを考えていると金髪少女が走ってくると右拳で殴ってきた。

ぼくはそれを左手で受け止める。

(重い! この娘できる!!)

お返しにぼくも右拳で殴り返す。

金髪少女はぼくと同じように左手で受け止めた。

(硬い! なんて防御力だ!!)

そのまま腕力勝負へと持ち込まれた。

お互い力と力でぶつかり合う。

しばらく力を押し付けあっていると、不利と悟ったのか金髪少女は無理矢理両手を弾くように動す。

ぼくは透かさずバックステップで距離をとった。

先ほどまでの金髪少女の一連の動きを思い出す。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、どれも見たことがある動作だ。

(どこだ? どこで見た?)

ぼくは今の動きをする人物を頭の中で探し出していく。


遠征軍の騎士たち・・・は拳で殴ってこなかったし。

風の精霊の夢の中・・・はご主人様ズとの蜂蜜よりも甘い日々だったし。

ご主人様が戦ったサイクロプス(1つ目族)・・・はもっと野蛮な動きだったし。

土の精霊の魔獣たち・・・は爪で引っかく動作だったし。

火の精霊の塔の試練・・・はゾンビやスケルトンは殴ってきたけどあんな動きじゃなかったし。

ご主人様が戦ったゴブリンチャンピオン・・・はサイクロプス(1つ目族)と同じだったし。

無人島にいた『この手に自由を(フリーダム)』の連中・・・は皆武器で攻撃してきたし。

翼人族のクーデター・・・はご主人様が攻撃させなかったし。

皇国での翼人族の襲撃・・・は【風魔法】が主体だったし。

公国での領主や海人の襲撃・・・はご主人様が動きを止めてたし。

帝国の皇帝・・・は銃と格闘技を組み合わせたスタイルだから違うし。

洞窟の中で戦った勇者の仲間・・・あ! 思い出した! あいつだ! あの()()()()()使()()()()()()()()()()()()()()!!


たしか名前は・・・()()()()()! そうだ、『()()()()()()()とかいう見た目完全悪役のモヒカン頭だった!

・・・え? だけどあれはたしか()だよね? 目の前にいるのはどう見ても()()()だよ? もしかして()()()

ぼくは試しに両の拳に【風魔法】を纏わせる。

「!!」

金髪少女は最大に警戒している。

ぼくはそのまま右手で殴ると金髪少女はそれを後ろへと避けた。

それも大袈裟にだ。

触れると危険であることを知っていなければあんな動きはしない。

「ふぅ、なるほどね」

「・・・」

ぼくは核心を突く。

()()()()()

「!!」

金髪少女の顔は変わらないが明らかに気配が変わる。

一言でいえば動揺が伝わってきた。

どうやらぼくの推理は正しく、この()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ようだ。

だけどなぜここにヴォーガスがいる? たしかご主人様の手で死んだはず。

(今は目の前のヴォーガスを倒すことを優先しないと)

ぼくは考えるのをやめて身体全体に風を纏わせると一気にヴォーガスへと走っていく。

今までの速度を遥かに超えるスピードにヴォーガスはついてこれないでいた。

ぼくは右手でヴォーガスの顔面に殴りかかったが左手で辛うじて防ぐ。

だが、その代償に左腕が吹っ飛んだ。

そこから血が・・・飛ばない。

「!!」

断面を見ると金属みたいなモノが見えた。

ヴォーガスの身体は人間のそれじゃない。

ヴォーガスは追撃を避けるためバックステップで後ろに下がった。

するとそれと同時にヴォーガスを中心に包み込むように魔法陣が展開される。

「あれは転移?!」

ぼくは慌ててヴォーガスに止めを刺すべく接近して左手で殴ると、右腕ごと頭を粉砕した直後にヴォーガスの胴体はその場から消えた。

「・・・倒したのかな?」

足元には粉砕したヴォーガスの頭があるけど胴体はこの場から転移した。

「これは厄介なことになったな。 ご主人様に報告しないとね」

ぼくはみんなが気になって戦場を見回した。






わたしは腰に剣を携えた少女と対峙していた。

顔はクールで、黒髪オールバックのロングヘア、背恰好はわたしと同じだ。

そんな黒髪少女はわたしに殺気を放つ。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「・・・」

それは3ヵ月前に帝国の近くの洞窟で戦った()()()と酷似していたのだ。

威力も速度もあの男のほうが上、だがこの()()()()()()()()()()()()()()()()()

(試してみるか)

わたしは鞘からオリハルコンの剣を抜くと黒髪少女も腰から剣を抜いた。

双方同時に前に出ると一気に動く。

ガキイイイイイイイィィィィィィィーーーーーーーン!!!!!!!

金属と金属が激突する音が鳴り響く。

わたしと黒髪少女はそこで数合交えると示し合わせたようにお互い距離をとる。

この短いやり取りで分かったこと、それは()()()()()()()()()()()()()()ことだ。

(このやり口、間違いない)

黒髪少女の攻撃は()()()()()()()()()()こと。

かつてわたしのミスリルの剣を折ったやり方と同じだ。

もし、わたしが鍛えた剣なら前回と同様に折られただろう。

しかし、ドワーフ王が鍛えたオリハルコンの剣には傷どころか刃こぼれ1つない。

黒髪少女は再度踏み込んで剣を振るうと尚も同じ場所へと攻撃を集中する。

それはこの剣を折る=わたしの心を折ることに繋がるのだろう。

わたしも負けじと黒髪少女に攻撃を仕掛ける。

お互いの斬撃がぶつかり合う音が鳴り続け、攻撃が苛烈になっていく。

1合交わる度にわたしと黒髪少女の動きが鋭くなっていった。

実力は互角。

このまま永遠に続くと思われた戦いだが、先に勝負を仕掛けてきたのは以外にも黒髪少女だった。

その剣の動きが変則的でまるで陽炎のようにゆらゆらと揺らめいている。

「・・・」

「くるか」

黒髪少女は一気に間合いを詰めてくると3方向から同時に攻撃された。

わたしはバックステップをしながら3つの斬撃のうち2つを躱して、もう1つを剣で受け止めると弾いてさらに後ろに下がる。

「お前、()()()()だな?」

「・・・」

黒髪少女の殺気が膨れ上がる。

()()()()()()()()()()()()()()()

「たしかご主人様に倒されたはず。 化けて出たか?」

「・・・」

アーガスは何も答えずに切っ先をわたしに向ける。

そして、最高速度からの刺突を放ってきた。

わたしは素早く身を低くすると切り上げる。

その瞬間、アーガスの剣が折れた。

わたしはすぐさま立ち上がると右腕を切り落とす。

そこからは血が・・・飛び散らない。

「!!」

断面は人間のような筋肉や骨などではなく金属のようなモノが見える。

アーガスの身体は人間のそれではないようだ。

隙を見てアーガスは急いでわたしから距離をとる。

わたしはアーガスを追うように走り、追撃を加えようとした。

「覚悟!」

アーガスはなんとか身体をそらして躱そうとするが左腕を切り落とされる。

勢いよく突進したためにわたしとアーガスの距離がかなり離れてしまった。

するとアーガスを中心に包み込むように魔法陣が展開される。

「っ! 逃がさないっ!」

首を刎ねるとアーガスの頭と胴が泣き別れになったが胴体だけその場から消える。

「・・・転移か・・・だけど頭はここに残っている」

あの転移は第三者がアーガスを逃がすために発動させたモノだろう。

「ご主人様には後で報告しておくか」

わたしは気持ちを切り替えて今は皆を助けるほうを優先した。


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