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悪逆王女の領地経営  作者: 天月 灯翠
領地救済編
21/21

エピローグ

短めです

 その後、クレーレ領はリリアンヌ・クレア・ティメイアの指示のもと、目ざましい成長を遂げた。

 その中でもセシル、ブレッド、ジーク、カイル、そしてメイラ・フェルンはそれに貢献し、全世界へと名をとどろかせるまでとなった。

 だが、その中でも領主たるリリアンヌの名を聞くことは、少ない。

 その理由は後世の専門家が、「彼女は部下の功績を目立たせるために、わざと自分の名を遺すことをしなかった」という見解を示したために、ティメイア王国及びクレーレ領の人気は高まった。

 しかし、とある本がある。

 ティメイア王国一のバカンス地、クレーレでは聖書と称される、「ティメイア聖女伝」である。

 その中では、彼女は主人公であり、正真正銘の『聖女』なのだ。

 ティメイア聖女伝で有名、かつ人気なのは、彼女が偽りの聖女を断罪する場面だ。

 それを知らぬ者は、この国の者ではない、とも称されるほど、偉大なる場面である。

 

 そんな有名な領主の最期を知る者は、その時から二百年以上たった今、存在しない。

 とある孤児院から養子をとり、若いうちに隠居して逝った、だとか、暗殺された、だとか、いろいろな話はあるが、誰も確かめる術は持たない。

 ただ一つ、分かっているのは、彼女が三十もいかない歳で亡くなった、というだけである。


✫ ✫ ✫


「ふぅー、やっぱり、ここで過ごすのは良いですわね」


 リリアンヌ・クレア・ティメイアは――確かに亡くなった。

 彼女が二十九歳の誕生日を迎えたとき、リーナ・メーデルに刺殺された……ということになっている。

 だが、本当は死んでいない。確かにリーナに殺されかけた。一ヶ月間、生死の境をさまよった。

 だが、王都の優秀な治癒師(ヒーラー)や医師のお陰で、何とか生き延びることができた。

 王は、これ好機と、リーナを秘密裏に始末した。

 そのとき聞かれたのだ。『領主としてまた復活するか、それとも王家の領地で隠居するか』と。

 ちょうど養子もとったリリアンヌは、後者を選んだ。

 セシルたちには迷惑をかけるが、そろそろ彼女も重責から解放されたかったのだ。


「創造神さま、わたくしは今日も、幸せですわ」


 リリアンヌは、そっと、呟いた。


✫ ✫ ✫


 二百年後の今。彼女の生涯を探求する、『リリアンヌ王女の専門家会議』なるものが定期的に開催されていることを、彼女は知る由もない。

 完結です!

 もしかしたら第二部や短編集を、始めたり始めなかったりするかもしれませんが、その時はどうぞよろしくお願いいたします。

 有り難うございました!

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