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メフィストラブ  作者: 零裂恋式
1/1

ーーーこの物語はメフィストの悪魔の存在が確認されるためフィクションです

「英傑合体」                                                                      零裂 恋式    明智光秀はこう考える、人が一人、こいつは寂しくて自傷を始めるだろう、人が二人、こいつらは、どちらも片方が恨めしかったり、憎かったりでお互いに外傷を与え合うだろう、人が三人、三人、もう十分だ三人もいれば戦争が始まる。四人でも五人でも何人でも人がいる限り人は傷つき続ける、今の世に人が何人いるか分からないけど、この狭い明智光秀の見ることができる世界にも人は大勢いる、大勢傷つく、大勢殺される、つまり明智光秀の見ている世界とは歴史とは人とは、滑稽でしかない。君はこう言った考えをどう思うか分からないが、君はこの人物に何を思い何を感じるだろう、歴史は実は自由だ、君の好きな歴史を見ればいい、誰も完全には否定できない、神様なら否定できるかもしれないがーーー今だけは僕が神だこの本を読んでくれている間だけ僕はこの世の全ての価値観から常識から君を守ろう、君を守ろう、君はいつ何時この本を読むのをやめてもいい、今ここでやめてもいい、でも僕は君を守ろう、それが僕の本作の役割だ、君はこの本を読んでいる間だけ、無敵で強力で魔王にだって、卑怯物にだって負けはしないと思う、君は臆病かもしれないーーーいや自信家かもしれない、ひょっとして恥ずかしがり屋なのかもね、君を守る、僕は君の事を一つも知らない、しかしどんなことがあっても例え世界全てが君自身さえもが敵に回ったとしてもーーー君を守る、君が何を今思っているのか僕には何もわからない、今すぐ本を閉じようと思っているかもしれない、もしそう思っているなら、それでいい、君はこの文章まで読んでくれたーーーそれだけでいい十分すぎる。話を戻す僕がなぜこんなにも君を守ろうとしているか疑問に思っているかもしれない、答えることはできるしかし今は語らない、ごめんねちょっとした意地悪だよ、しかし君のため意味のある意地悪だ、何度も何度も何度も言うがこれからも何度も言うが君を守る、だからーーー願わくば、君が君でいられるように何度でも君を守る。本作の主役は君だ

 ある日、いつも通りの凶作でいつも通りに蓄えを減らし、いつも通りに山賊やら盗賊とやらが責めて来た、あちらも別に責めて来たいわけではないだろう、明智光秀と後年呼ばれる、知将がいるこの場所に責めてくるのは自殺行為である、しかし何もしないのもこの場合自殺行為なのである、飢えて死ぬ。だからせめて僅かな可能性に賭けてこの場所に責めてくるのだがーーー当然のようにこれを明智光秀は撃対する、別に取り立てて特別な手を使ったわけでは無い、村の中心にある貯蔵庫に山賊やら盗賊とやらを集めて、おびき寄せて囲んで叩く、シンプルだが有効な手段だ、当然囲んで叩かれた方は死ぬ、囲んだ方も何人かは死ぬ、囲まれた方より遥かに少ないが。別に重要な話でもない、人を殺そうと思うのだから、両方とも、両方とも人が死なない方が不自然だろう、結果としては数名明智光秀側が死んで、十数名敵側が死んだ、この結果だけを見るともちろん明智側が勝利なのだがーーーそもそもこの世界では勝者は存在しない、強いて言うなら、これから死ぬ者と今死ぬ者と死んだ物、この世界にはそれしか存在しない、なぜならこの世界はもう終わっていると言っても過言ではないからだ、明智はーーーいや明智側の全員が死んだ物を丁寧に切り分け、加工するそこに敵味方の区別はない、今死ぬ者と死んだ物これらはこの世界では食料として扱われる、いつからかこの世界では食人をしなければ栄養が取れなくなったからだ、長く続いたこの国の歴史はそこから無意味になる、歴史とは人である、その歴史が食料になるのだからーーーしかも明らかに持続することが不可能な食料、歴史というものは簡単に崩れてしまった、いつからかは不明だどうしてかも不明だ、何もわからないことだけは確かだった、この国の終わりだけが確かだった。

 食人しかできなくなった、つまり今この世界に生きているものは全員食人をしている、誇りや歴史や伝統や宗教、それらの理由で食人をせずに死んでいった物も決して少なくない、どう考えても救いはこの国にはない、絶望も理由だろう、切腹が流行った。辞世の句が流行った死ぬ前にそれらのことをするのは人間らしい、誇り高く歴史を守ろうとする強い意志を感じる、多くの食人を受け入れられず死んでいったものは、そういう「人間」だったのだろう。ーーーでは、明智を始め今生き残っている人々は?彼らは生きるために人を殺し、同じく生きるために人を殺して生きる人を殺してーーー殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して、彼らは「殺人鬼」となった、もしくは「食人鬼」になった、様々な呼び名があるが、誰も自らの事を「人間」とは呼ばなくなった、正しくは呼べなくなったと言った方がいいのかもしれない。もっとも彼らは全員いずれ死に絶える時間の問題だ。これはそういう世界のお話、そういう世界の歴史についてのお話。

 僕はここから読むのをあまりおすすめしない、結論を言うと別に死人は生き返らないし食人以外の栄養を手に入れる手段は見つからないしーーーこれだけ聞いてもうお腹いっぱいでしょ?つまり、もはやこの世界に救いは無い。この世の終わり、人の終わり、歴史の終わりーーーだが決して無意味では無いそれだけは約束しよう。君を守ると約束したが君を守れるとは約束していない、そういった僕の事情も汲み取って読み進めて欲しい。

 明智は別に死んでもよかった、一応は誇り高い武士の生まれ、お仲間はみんなみーんな切腹した、明智はただ殿様に「生きようと願う人を守る役割を仰せつかった」そんな理由で、この世界に生きている、ただ殿様は死んでしまったし、生きようと願う人も死んでしまったし、明智の部下もーーーもういない、つい先日の襲撃が原因で僅か二名にまで数を減らし、うち一人は重症を負って、頼まれて明智が殺した、もう一人は絶望に耐えかねてまたこれも頼まれて殺した、明智は剣の腕やその知略は後世にまず間違えなく語り継がれるであろうと言われた人物だ、だからこそ殿様は自分は何やら言い訳のような辞世のの句を言い残して、明智に民を任せて死んでいったのだからーーー明智に首を切らせて死んだのだから。別に剣の腕が立つからといって死に際苦痛を感じないとか許されるとか、名誉だとか誇りだとかは無いと明智は思うのだが、まあたくさん殺した、民を部下を山賊やら盗賊やら、武人の誇りをかけて一騎打ちを仕掛けて来た者もいたっけか、明智がこうして過去を思うのだから当然明智が相手を殺したのだがーーーあいつはもし自分が勝ったらどうしていたのだろう?と思う、まあ切腹だろうなと思う、誇りやら武人やらの辞世の句を多く聞いた。今ーーー明智は暇をしているのだ、こんな世界で一体何をーーーと思うかもしれないが、山賊をたくさん殺したし、部下や民をたくさん殺したし、殿様までも殺してーーー食料は腐るほど、むしろ本当に比喩ではなくこの時代の保存技術では腐ってしまう心配があるのだが、まあーーー食料はたくさんあった、ざっと一人で一ヶ月は持つのだ、結構人間の肉は栄養価が高いのかーーーそれとも別の理由があるのかわからないが、現代の科学では当然熱量的に後者であると推察できるのだが、当然この時代ではそのような発想に至るのは困難だろう、あるいはそれに気がついたとしても、別に死人は生き返らないし、魚を食べて栄養に変えることはできないのだが、それはともかく、暇なのだーーー前は部下と作戦やらこの世界の現状とやらでそれなりに退屈しなかったのだがーーー部下は死んだし殺してしまった、山賊やら盗賊とやらももうそれほど生き残っていないだろう、退屈しのぎに何人か、捕縛しておけばよかったかもしれないが、繰り返すようだが死人は生き返らない、だけどーーー本当に暇で暇でしかたないのだろう、一人は寂しくてつまらない、一人はーーー絶対的な一人は、現代に置いて不可能だろう、しかしーーーこの時代も不可能だと言える、なぜならーーーこの世界にも人が生きた証があるのだからーーーそれがある限り人はどうしても一人にはなれないだろう、それを歴史と言う、前置きは長くなってしまったが、ここからこの世界の歴史についてのお話が始まる

 明智光秀の歴史を辿る旅が始まる、時を同じくして同じような境遇の人物が旅を始める一人や二人では無い、かなりたくさんとぼかしておこう、きっとーーーみんな退屈しのぎなのかもしれない、中には真面目にこの世界の終わりの理由を追求しようという理由の人も居るかもしれないーーーがそれも本質的には意味が無いので、まあ真面目に頑張っているところ悪いがこれも退屈しのぎだとか道楽だろう、ーーー僕はここまで読み進めてくれた君に敬意を表する、前置きが少し長くなってしまったかもしれないからーーーしかし無意味では無い、君を最後まで守れないかもしれないがーーー決して無意味では無い、「英傑合体」ーーー戯言だ「君物語」これがいい、「あなたの心にSAN値直葬!?」悪くはないが決して悪くはないがーーー傑作な戯言これがいい格好はつけない、では始めよう君が主役の僕は語り手のーーーこの物語は戯言だーーー傑作な戯言だーーーただし、君が主役の君のためだけの君に届けようと君を喜ばせようと、君に君に君に、君へ君へ君へ君が君が君が、君君君君君君君君君君君君君君君君君君君君君君ーーー君のためだけの物語、「君物語」始まり始まりーーー傑作な戯言だけどね。

「君物語 明智光秀と人魚の関係いつも通りの世界の終わり」                                               零裂 恋式  

 海へ行こう、明智はそう決めた、内陸の生まれだからか海と言うものを見たことがないーーー見る必要もないのだが、海を見ずに人生を終えることもできるのだが、ただこの世界において何をどう考えても自由だろう、そういう世界そういう終わりなのだから、海へ行こうということだけを決めたら早速準備に移った、まずは腐るほどある、実際腐ってしまいそうな、食料の加工、明智一人ならしばらくは生きれるだろう、食料の加工を始めた取り分けて特筆すべきような描写はないが、心臓を旅に持ち歩く事を決めて、後は乾燥させることにした、ちょうど海から帰ってきた時に乾いて干物になっているように、そういう加工をしてーーー旅に出ようと思った。少しの荷物少しの準備、ただの旅行しかしーーー彼の人生を決定付けるような出会いが待っているとは、いざ知らず。誰もこの世界ではもう手に入れれないだろう奇跡のような物語が待っているとはいざ知らず。奇跡と呼べるーーーしかしこの世界はそのために明智光秀が人魚を求める少女と出会うために滅んだ、全世界を巻き込んだ、何回も滅んだ滅んだ滅んだ、誰も数えてはいないがーーーそれでも奇跡とよぶにはーーー奇跡と言う言葉があまりにもうすっぺらい。

 地図は持たない、しかし指標は必要だ棒を倒してみて、気に入った倒れ方をした方角の方へ歩いていく事にしたーーー冷静に考えて、この時代のーーーいやいつの時代だって旅とは多かれ少なかれーーー危険がつきものだが、いやだからこそ、この危険極まりない行為が彼女と明智光秀を繋いだのかもしれない、広い世界でーーーこの終わりかけの世界で運命の出会いなどーーー那由多の彼方だ、しかし明智光秀と彼女は出会った。彼女の名前はーーー刀傷直師。

 結論から言えば海へ着いた、道中特に人と会うこともなくーーーもっともそもそも全滅してるのかもしれないがーーー旅の思い出やトラブルなんかは人が起こすものーーー人との出会いが起こすもの、本当に特筆すべきことなく、当初の目的である海へ着いてしまった、しかも割と予定より早くーーー明智光秀は困惑していた、意外と海と言うものが綺麗だったと思ったのだがーーー感想を一つ句にでもしようと思ったのだがーーーそれを誰もいない世界だーーーと油断したのが不味かったのかーーー驚くべき本作の初めてのセリフであるーーー

「海をみて 綺麗だなぁと 思いました」

 彼は句を作るセンスはなかった残念ながら。しかもーーーそれを聞くためにここに来たのかと思うかのタイミングで、彼女と出会ってしまう。

「え、なんだかカッコ良さそうな侍がカッコ良さそうなセリフを言うと思ったらーーー少学生の感想ですか?」

 一応前半はシリアスを心がけたがーーー明智光秀という人間をシリアスに描こうとしたのだがーーー彼女にこの句を聞かれてからもはや彼のキャラは崩壊し続けていく。こんな世界でなければ明智光秀という人物はミステリアスかつクレイージーかつクレバーのようになるのだろうがーーー案外人間ってこんな物だと思う。もしくは彼女の存在がーーー彼を変えたのか、それは定かでは無い。歴史は嘘だらけだ。

「......何奴!?」

「え?!なんですか急にびっくりするじゃ無いですか・・・」

「お前の感想など聞いておらぬ、わしはーーー朕は貴殿の名前を聞いている」

「・・・あまり無理しないでくださいよ?」

「む、無理とはなん......じゃですか?えーうん、今すぐ答えよ小娘!答えなければお前の素っ首叩き切る!?」

「うーん何というかあなた顔はいいんですからあまり喋らない方がモテますよ?」

「え、そうなのちょっと気になる」

「あなた口を開く度にどんどん残念になって行きますよ・・・」

「..........................」

「どうしたんですか具合でも悪いんですか?」

「..........................」

「顔色は・・・まあ良さそうですね、じゃあ心の病ですか?私これでも医者なのでそこら辺も見れますよ?」

「..........................」

「もしかして今から無口キャラに転向しようとしている?!」

「..............」

彼はーーー実際そのつもりのようだが、医者を名乗る女は、類稀なる審美眼でーーーわかりやすく言うとツッコミで知将と呼ばれる明智光秀を追い詰める。

「いやいやいやいや、無理無理無理無理もう手遅れですよ手遅れ不治の病ですよ、この私ですら、匙を投げますよ尾張お抱え医寮戦進部隊隊長の私ですら匙を投げる案件ですよ、刀傷直師にも治せない病ですよ?!」

さりげなく自己紹介も混ぜる、刀傷直師と名乗る若い小娘は会話が上手いのかもしれないーーー少なくとも、もう少し涙目になっている明智光秀と比べればーーー

「...................」

「え・・・ご、ごめんなさいまさか泣いちゃうとは・・・え、ええとすみません確かに言い過ぎましたね、こんな世界じゃ誰しも心に傷を負っていますよね・・・すみません医者としても人間としても言い過ぎました」

やはり人間ができている、それに対して明智はーーーー

「泣いて無い」

「え?!」

「あれはお前の見た幻覚だ」

「う、嘘でしょ口を開く度にこんなに残念になり続ける人間が存在するの?!」

「俺は明智光秀...主君を失い部下を失い民を失い、失い続けるそんな存在だ何かが失われていく度にーーーいちいち涙を流すことなど無意味と知っている、この世界では無意味と知っている......だからお前の気のせいだ」

「もっと会話を大事にしましょうよ・・・この世界は会話で成り立っていると言っても過言では無いんですよ?さっきからセリフの全てが残念すぎて・・・聞いている私もなんだか泣いちゃいそうですよ・・・」

「.........................................」

「うん、まずいきなり会話が上達するわけ無いし、それは私もわかるんですが・・・まずその困ったら無口になるのだけはやめたほうがいいですよ、厳しい事を言いますがそれだといつまで経っても成長しませんよ・・・みたところ、まだまだ若いみたいですし」

「若く無い、三百歳を超えている」

「しかも嘘も下手?!ってどう高く見積もっても十六歳ぐらいにしか見えませんよ?!」

「.........................................」

「だから困ったら無口になるのだけはやめましょうって・・・」

実のところ今現在明智はまだ十八歳である、困っているのではなく結構ショックを受けているのだがーーーまあ実際十八歳と十六歳に見た目に大きな差は無いと言えば無いしーーーまあ、あるとすれば成長が望めるか望めるないのかの差かもしれないがーーーいずれにせよ結構繊細である。

「..............................................................................」

「ご、ごめんなさい何か踏んじゃいけないスイッチを押してしまったみたいなんですが・・・あの個人的に気になるんですけど何で泣く時無言なんです、いや別にいいんですけど、何というかすごく気になってしまって・・・あ、いやごめんなさいごめんなさい別にいいんですよなんか・・・かっこいいですよ!そう、かっこいい!涙は流すが言葉は流さず・・・みたいですしいいと思いますよ!だからそろそろ泣きやんでくださいよ・・・」

「最初から泣いてなどいないお前の幻覚と言っておろう」

「・・・・・・・なぜか私まで泣きたくなってきましたよ・・・」

実際問題明智光秀は変わり者の多い今は亡き故郷でも、随一の変わり者とまで言われた者だ、何か大層な役職についてこそいれどまだ若い娘である刀傷直師が泣きたくなってくるのも理解してほしい。

「それでーーー明智さんはどうしてこんなところにいるんですか?」

刀傷直師の一見ごくごく当たり前に見える質問ーーーしかしそれでいて核心を突く質問、ここで明智は自分の未来をそしてこの世界の命運までもを揺るがす回答をしてしまうーーー、しかしこれは、いくら会話が下手な明智といえど、散々滑稽な描写をされてきた明智といえども、避けようがない回答だった。いやむしろーーー物語の主役らしい回答だった「この世界が終わりに近づいているのを、お前も知っているだろう......実際俺の故郷は一月も持たずに消滅した......食人しかできないのだから当たり前の話だがな.......この世界が終わってしまう前に......最後に海と言うものが見たかったそれだけの話だ」

「ちょっと待ってください・・・食人しかできない、全滅した?全世界が?それは本当の・・・本気の話ですか?・・・・・・」

「..........?ああ、主君をまず最初に切った、親友を切った、部下を切った......民を切った、山賊や盗賊を切った、切って、切って、切って、切って、切って最後に残ったのが最後には切れなかった自分自身が残った、そして故郷はもう全滅した」

もう、俺たちがこの世界から全滅するのも時間の問題だがなーーーと言う前に、言おうとする前に、言い切る前に、彼女は刀傷直師はーーー彼を明智光秀を抱きしめた、明智は当然困惑した、見れば彼女の目には涙があった。

「・・・・・・ごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・・・・あなたの故郷が全滅したのは私達のせいです・・・・・・絶対に許さないでしょうけど絶対に許してくれないだろうけど・・・・・ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

「..................」

明智はなおも困惑する、何をどう考えても、あの人智を超えた現象は彼女のもしくは彼女らのせいではないだろうとーーーあれはどうしようもないものではないのか?とーーー混乱する明智の前になおも彼女は謝り続ける。

「落ち着け、小娘謝るより先に、理由を説明しろ......許す許さないなど.......もはや意味のない話だ、何があったかはわからないが......死人は息を吹き返すことはない、これはどうしようもない事実だ」

「・・・・・・・世界は・・・明智さんの言うところの世界は・・・決して滅びの運命にはありません、確かに食人しかできない状態なのは事実です、紛れもない事実です・・・でもそれは・・・」

 でもそれはーーーその先にある事実は極めて荒唐無稽で理解し難くて冒涜的かつ背徳的であるがーーー事実は事実であるこれは歴史である君が君を君自身のための歴史である、だからーーーどうか僕は君を守る、最後まで君を守りきれないかもしれないが、途中で君を守りきれず力尽きるかもしれないがーーーそれでもこの歴史を、この事実をーーー信じて欲しい。僕が君を守る理由はそのために、そのためだけにある、君と僕のーーー契約と言うには重すぎる、ーーー約束と呼ぶにも重すぎる、そんな重い言葉が必要な場面ではなくーーーただ強いていうならーーー僕は君を死んでも守る、だから君は僕の友達になってくれないかと、誰もが主役なりえるこの歴史小説で唯一絶対語り手として、主役になり得ないこの僕の、友達になってくれないかと切に願う、アカシックレコード、エーツゥジィーーーなどと呼ばれる、ラプラスの悪魔とも呼ばれる忌み嫌われる、この僕の友達になってくれませんか?ーーー無論、君は人間で僕は人間ではなくて、君は歴史で僕は記録でーーー絶対に愛入れない、対極のような僕と君だけどーーー友達になってくれませんか?友達になる必要は畢竟ない、僕と君が友達になれる可能性は歴史上皆無だ。ただーーー空前絶後の可能性、前人未到の可能性、その確率の壁を超えたらーーー僕はきっと、例えば魔王信長のような、本能寺明智のようなーーーこの物語の、歴史小説の、君物語の主役になれる、大好きな大好きな主役になれる、そのためにーーー僕はこれから君のため君がため語り手を続けるだろうーーー無論主役は君だ君が歴史だ君だけが唯一絶対の真実だ、僕は切に願うが、叶わないことも知っている、だがいつかーーーこの物語を語り終える時、この物語が歴史から忘れさられる時、いつかいつかいつかきっとーーーこの物語が僕と君が主役の物語になることをーーーただひたすらに願う。そのことがよく理解できたらーーー最高の瞬間で閉じた君物語を続けようーーー!!最後に僕のことはこう呼んでくれ!!!メフィストの悪魔と。

 カテゴリーメフィスト 傑作の戯言 明智と人形姫の関係 君といずれ僕物語

                                  零咲 恋式

 刀傷直師が言うところの事実とはーーー尾張の城主信長の持つ天下の聖杯の起こすゲーム、天下取りゲーム、天下の聖杯は全国各地に歴史を取るにふさわしいとーーー思われる英傑にある日突然現れ、天下を取るために重要な報酬の代わりにーーーミッションをこなさなければならない、難易度に応じてーーー報酬は変わる、報酬は武器だったり戦術だったり技術だったりするがーーーそのどれもが既存の兵器または技術を遥かに上回り、強力だと言うこと、そして今回の報酬は人魚姫だと言うこと、報酬の内容は明かされてないがーーーおそらく伝説に乗っ取って不老不死の秘薬ではないかとーーー推測される、今回は制限としてあるいはヒントとして、自分の領地の人間は食人でしか栄養を補給できない、と言う制限があったこれまでも似たような制限はあったがーーーどれも達成困難であり、また大きな損害を出し、未だにクリアできた英傑はいない、ほとんどの英傑がこのミッションを放棄する、あまりに大きな損害を出すからだ、おそらく戦況を一気に打開する最強の報酬がもらえるだろうが、その前に国が滅んでも意味はないからだ、またこのミッションの開始条件として、天下の聖杯の持ち主のーーー命をかけなければならない、それを承知で魔王信長は圧倒的な不利を打開するためーーー大きな賭けに文字通り命を賭けたのだこのミッションを途中リタイアするには、魔王信長の命が必要だ、またいずれ飢えて死ぬ領民を無視すれば、制限時間はないのだから好きなだけ探せるがーーー例え人魚姫を見つけても国が滅んでは笑い話にもならない。様々な今までのミッションの報酬のうちの技術で分かったことだが二か月は、何も食べなくて平気だが、それ以降は飢えて死ぬか、明智の故郷のように殺し合う運命だーーーと要約すればこう言うことだ。泣きながらの説明、謝罪しながらの説明、懺悔しながらの説明ではあったがーーーおそらく全領民に間違えなく通達したのだがーーー明智の故郷のように例外があってしまって、混乱の最中明智の故郷は滅んだのだわかりやすく要約するとこんなところだ、この事実に対して明智は酷く冷めた表情であるいは酷く冷えた感情でーーーこういった、謎は全て解けた、君の事実はそうかもしれないが、私の事実はそうではない私の知る歴史はこうであると、君は決して絶対に悪くないと、だから謝罪をするのはやめるべきだと。

「.......あなたが魔王信長か」

カラスに向かって話かける、これはミッションの報酬の技術である、現代で言うところの通信技術を持っており、おそらくこの時代では絶対に不可能とされる、遠距離通信を可能にする、刀傷直師にはミッション攻略の制約状ーーーとのことで席を外してもらっているここにいるのは、海岸にいるのは、明智光秀ただ一人である。戯言ではあるがーーー

「君が明ちゃん?よろーーー、刀傷ちゃんから聞いてるよ(゜∀゜)」

魔王らしからない挨拶ではあるが明智の故郷は、今は亡き故郷は大体こんなやつだらけだったのでスルーする。そして端的に事実を説明する。

「私が魔王信長あなたが探しているーーー人魚姫だ」

「マジーーーー^_^ちょっと衝撃的ーーー)^o^(」

明智の故郷は大体が大体魔王信長と似たようなテンションの奴らばっかしだったりのでスルー、むしろ明智にとってはこちらの方が、話しやすくて好感が持てる。

「では貴殿ーーーいや姫君か、これは失礼、説明を求めるよ」

「まず、第一にこのカラスや他にも自分の知らない技術がある、それなのにーーー情報が行き届かない、これが不可解な点」

「そうだねーーーカラスには映像記録、録音記録、他にも様々な技術が詰め込まれているからね、もしかしたら、小さなトラブルが起こるかもしれないがーーー故郷が滅ぶ、そして何よりそれを今まで知らないと言うことは、絶対にあり得ない事態だ」

「第二にこれは、一種の罠のようなものだがーーー刀傷は分かりやすい説明のため要約のため、このカラスで、今会話しているカラスで説明をしたこと、このカラスはおそらく大量に生産して持たせられる技術なのだろう?そうでなければ、殆どの技術が無駄になってしまうからな」

「鋭いねさすがーーー明智くん名探偵かな?」

「説明のため、カラスはこうして、今こうしているように音声で会話をしている、そこが罠だった、なぜなら......本来は人魚姫ではなく人形姫であるはずなのに音声であるために勝手に解釈してしまい、食人という、制限もあいまってニンギョウヒメを人魚姫と聴き間違えてしまった、そして明後日の方向に調査を例えば医療戦進部隊隊長が海にいたようにーーーミッションを曲解させた」

「明智くんすごーい(^。^)名探偵じゃん!小説になるよ!何百年後かにはたぶん推理小説に!」

「魔王信長、いい加減しらばっくれるのはやめろ、これが推理小説なら」

「犯人はお前だ、魔王信長」

「根拠は?動機は、アリバイは?どうやって崩す(^_-)?」

「天下の聖杯、その正体を刀傷に聞いた、なんでもカラスのように実態はなく神様のようなものが頭に直説、ミッションを伝える、つまりお前はニンギョウヒメを人形姫と人魚姫と絶対に間違えない間違えるはずがない、しかし実際に医療戦進部隊隊長刀傷直師が海に来て人魚姫を探していると言って、実際に文字に書かせた、その文字は人魚姫と言う漢字だったお前が魔王信長が間違った情報を流したそれ以外に考えられない。」

「個人的にきになるんだけどーーーどうして人魚姫じゃだめなんだ?そこをまだ言ってなかったね(^ν^)」

「それが絶対にして最強の理由.......私が女であり姫であり、そして何より血の通っていない人形だからだ、滅んだ故郷の全員が全員人間ではない人形だったからだ、つまり人形姫とは人形姫とは最強の人形のことを言うのだろう?人形だけが集まっている村で人間の真似をしている村で殺し合うそしてその最強を人形姫という」

「そして最後である第四の理由私だけ私だけがあの人形の村で一番強く、どんなに傷ついても絶対に壊されることはなかった、壊して解して並べて晒されても......翌日には何もなかったように復活してた、そして姫と呼べる女性の人形は私しかいなかった」

「なあ?お前は、一体何なんだ?魔王信長!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」

「メフィストフェレス、メフィストの悪魔!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「アカシックレコードという役割を神に与えられ!!!人間の記録を見るうちに、人間に憧れた哀れで寂しげで、堕天してまで人間に近づこうとした悪魔!!!!!!」

「人間と友達にまた人間の物語の主役になりたくて!!!降臨した悪魔、人形姫お前は!!!!!!僕が人間へとなるために、人間を知るために作り上げた最終実験装置!!!!!!!!!それがお前だ人形姫!!!!!!!!!!!!」

 なあ人形姫まずはお友達から始めようぜーーーこれから始まる愉快で痛快な歴史語その実態はやはり嘘だらけで欺瞞だらけで、こうした語り手の情報すらも信用できない、それでいて、やはりどうしても画期的で新しく素晴らしく愛おしい、そんな歴史が史実が今始まる、新しくもそれでいてどこか懐かしいのはーーー僕の存在とういうのがアカシックレコードに起因するからだろう、人間が僕のことを大好きなのはそういうことでもあるのだろう、僕が人間を好きな理由はーーーーーー教えてやるとでも思うのかい?君を守ると何度でも言った、それは嘘だ。ただ君に君に興味を持って欲しかった、きみを愛している君が好きだ、君と友達になりたいーーーーーーこれは決して曲がることなく、くそったれな神に誓ってほんとうだ、君と友達になりたいそれもついでに誓って本当だーーーーーー僕は嘘をつく、それは僕が悪魔だからという単純な理由だからではない、君が好きだからだ君に愛してほしいからだ、このーーー本作の情報はもちろんフィクションだ、なんてたってこの僕という存在がそもそもフィクションだからだ、ただしーーーそれは全て君のため君がこの物語の主役であるために、君が主役であり続けるためにーーー君がこの本を読み続けている間主人公でいさせるために、この本を面白くするための意地悪のようなものだ

これから君に対して何度でも言おう守るだとか、君を一生傷つけないとか優しい言葉でなく、悪魔のように魅力的なーーーーーーメフィストの悪魔は君に恋をしている。

 メフィストカテゴリー メフィストの悪魔と人形姫の関係

                                  零咲 恋式  キャッチコピーはーーーメフィストの悪魔は君に恋をする

ここまで読んでくれた君に送る、この物語の主役の君に送る、悪魔にしては珍しいこの作品にしては珍しい、全くの嘘偽りのない情報だ。信頼する必要は畢竟ないただこれだけは願わくば信じてほしい、君はこの作品の主役であることと君は君であることと、メフィストの悪魔は君に心底惚れているということを。

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