4話 ハルトは新たな仲間を手にいれた 中編
(´・ω・`)遅いペースですみません
さて、学院の一階のクラス、確か1組だったか、自分とウルロア、そして一応許可をもらってゼルをつれてきたわけで、その扉の前に立っている、そしてその中から30ほどの好奇心の黄色と戦闘欲求の赤が見えている、まぁ向かう途中にもそんなのばっかだったが、ため息を漏らしつつ扉を勢いよく開け放ち、俺は元気よく挨拶した。
「おはよう!!」
窓が揺れるくらいの大きさで発声し、中にいた席に座る生徒達の大半は身震いした、だが物怖じないやつはいるようだ、5人ほど席から立ち、自分に近づいてくる、まず最初にきたのは青と赤の髪の背も角も小さい女の鬼、しかしなかなかの魔力を溢れさせている双子だ。
「こんにちは、あなたが主席のラインハルト君ね赤の髪がトレードマークのファイリー・リフラスだよ。私は」
「こんにちは、あなたの噂を聞いたときは驚いたよ、青の髪がトレードマークのアイシャー・リフラスだよ。僕は」
「おう、こんにちは」
次にきたのは人間の身体に鷲の頭と羽毛の翼を持った、たしかバードマンという種族のやつだったか、腰には二本のレイピアを装備している、どうやら近接と見ていいだろうか。
「鷲はバレスト・アーバンホークという者だ、貴殿の武はなかなか良い物だ、ここで更に良く成長してくれることを願うよ」
「できたら良いな、本当に」
次に、長い耳に身体に蛇のような鱗を纏った、蛇人だったか、いや目の色が綺麗な紫と妖艶な雰囲気からメデューサという上位種族だな、本来なら見ただけで石化するもんだがどうやらかけている眼鏡が特殊なようだ。
「シャシャ、私の目が気になるかえ?、この眼鏡は魔眼系の効果全般を抑制できるものでねぇ、あ、私はシャルネス・フォン・ゴルゴレア、魔族なら、いや人族でもゴルゴレアの名くらい小耳に
挟んだことあるだろう?」
「ゴルゴレア、確か100年前の人族の進攻を防ぐのに大きく貢献した魔族の中でも偉いところの名家だったか」
「そうそう、一応試験のときもいたんだけどね」
「そうなのか」
「あはは、眼中にないとはね」
その顔は笑顔ではあるが目と心が穏やかではないようだな、まぁ覚えていることはあるが。
「・・・魔眼を制限しながら戦っていたことくらいは覚えているぞ」
「シャシャ、この眼にはあまりたよりとうなくてね、ならこれからた━━」
「おう、我輩にもそろそろ喋らせろ」
先ほどからシャルネスの後ろに立っていた・・・人形のゴーレムだろうか、青く輝くことからゴーレムでも最上位のオリハルコンゴーレムで間違いなさそうだ。
「お前は確か学院3位だったか、名前はオーマンド・オリハルコンだったか」
「そうであるぞ、ちなみに先ほどの方々はファイリーとアイシャーは同列6位、バレストは5位でシャルネスは4位なり」
「流暢に喋るな、さすがは最上位か」
「褒めるでない、ハッハッハ!」
「━━俺もいるんだけどなぁ」
「私もねー」
ゼルとウルロアは黙っていつの間にか席に座っていた、なんかすまんかったわ。
・
しばらくして、自分自身の席に座りいくらか雑談をしていると、教卓の後ろの魔方陣から先生が現れる。
「えー、私がこの1組の担任を任されたマニオだ、とりあえず入学おめでとう。ではここでの学びの話しよう、ここでは中ボス、あるいは四天王を育成される組なわけだが、武練科では戦術や人族の要注意人物の対応を教えることとなっている」
ふーむ、まぁ普通だな、それから先生は5分ほど話し続けた、ちょっと飽きてくるな。
「━━というわけだが、なにか質問はないかね・・・無いなら今日は解散だ、では諸君、健闘を祈る!」
先生が魔方陣によって転移するとまわりの戦闘欲求が高まる、さすがにめんどうなので、自分はウルロアとゼルを引っ張っていく。
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宿舎の前までくると、自分はそこで止まり、少し息を整える、引っ張ってきたゼルは大丈夫だがウルロアはかなりグロッキーである、まぁかなりのスピードで駆け抜けてきたからな、はは、風紀委員に会わずにすんで良かったわ、下手に問題事をおこすといろいろとね、さて、念には念を、近くに生徒がいないか魔眼の範囲を拡げるか。
「━━よし、誰も・・・ん?」
学院の小さな森の方角、その中心辺りに何故か弱々しいが心の反応がある、随分と真っ白、つまり何の感情もないわけだが・・気になるな。
「ゼル、ウルロアを看病してやれ、自分は森の中のなにかに会いに━━」
「━━いや、俺も行きます」
息も絶え絶えながらも立ち上がり、ウルロアはそう言った、まぁ・・・そんなに遠くないし良いか」
「別にいいぞ、まぁとりあえずは軽い回復魔法でも」
自分はウルロアに緑の玉を投げると、ベールとなってウルロアを包むと、少し顔に元気がでてきた、1番下級でもいけるもんだな
まぁこいつの回復力もあるだろうがな。
「さて、行くか」
自分はゼルとウルロアを米俵を背負う感じに抱えて、翼を生やして飛んだ、ウルロアの悲鳴が聞こえるが聞き流し、1分くらいで目的地に到着し、辺りを見渡す。
小さな草原となっており、真ん中に何かの群生地がある程度である。
「さて、ここのはずだが・・・、ウルロア大丈夫か?」
「げ・・・げんきいっぱいだぜぇ」
地にあがった魚みたいにびちびちとしてやがる、まぁ1~2分で起き上がるだろうけどさ、さて・・・ん?、群生地に近づいていくと、それは葉の形からマンドラゴラだとわかる、抜くと死の魔力をのせた大絶叫が放たれるが、食材としては高級品で意外と美味という噂だ。
その中でも1番大きいが葉がほとんど萎びており、今にも折れそうなものがある、そしてその地面の下から先ほどの心が見えた。
「魔物に心はないが本能で動くからな、普通あり得ないが・・・噂程度だが極稀に突然変異で魔族になる魔物がいるというのも耳にするしな、おい!ウルロア ゼル、掘り返すの手伝え!」
「はーい、わぬしの言うとおりにー、ほらーウルロアさんもー」
「おう・・・」
10分ほど丁寧に掘り返すと、茶色でしわしわだが完全な人の形のマンドラゴラが出てきた。
「ふーむ・・・ゼル、お前の知識にこれに該当するやつはあるか?」
「うん、あるよ、グレーター・インテリジェンス・マンドラゴラ、100年に1つ現れるらしいけど、まわりの魔力も水も吸い上げて荒れ地に変えるから近くの魔物なんかに喰われるか破壊されるかで魔族にも人族も姿を見ることはほとんどない代物だね」
「ほー・・・で、魔力を吸い上げるってことはこいつ魔法使えるのか?」
「答えはわからないね、もしかしたら使えるかもね」
「・・・まぁ、そんなにリスクとかないしやってみるか」
自分は聖剣 ウォータークリエイト、剣身が水で出来ており、水の刃を作ったり、水そのものを無尽蔵に作り出せる、そんな聖剣を出すと、その水に魔力を注いでグレ━━長いから知恵有りマンドラゴラで、それに1分ほどかけると、みるみると肌に艶が出始め、頭の根のような部分が緑色の髪になり、完全な・・・女体となった。
「おう・・・これはまた」
「ガワワわわ・・」
ウルロアは目を手で隠しうずくまっている、うぶかよまさかの。
「━━う、うーん・・」
知恵有りマンドラゴラの目が開き、身体を起こすと大きく伸びをし、欠伸をする、すごく人間な動きだ。
「・・・あなたは?」
「まさか人の言葉も喋れるか・・とりあえず服だな」