1話 ハルトは武錬科魔王学院に入学した 前編
初心者だからね、そんなにすぐ人気とかでるはずないよね、問題点があったら教えてけろ(´・ω・`)
改めて名乗ろう。自分は五十海 ライガル。今はラインハルトという魔族として新たな生を謳歌しようとしている者だ。
生前はサラリーマンで、会社はあらゆる意味でブラックで裏切りに嫉妬と差別、本当に最悪だった。まぁこれは自分の環境に何時もついて回るものだったわけで、転生後も同じだった。ただあることで自分は魔族の良さを知った。それは7歳の頃、依頼主に裏切られ、谷底に突き落とされて瀕死の重傷をおっている時、真っ暗な世界である者達に治療された・・・。元気になった自分は、軽い魔術で光を灯すと救ってくれたのはまさかのゴブリン達だった。相手も自分が人間だとわかるとまぁ当然戦闘態勢をとるわけだが、救われた恩もあって自分は殺さず浮遊魔術で逃げた。
ちなみにそのまま依頼主の村まで行くと、自分は死んでいたことになっていて来たらそいつは魔族だとかで村人に石を投げられたわけだ。ほんとクソだな。
そんなこんなでパーティーと合流して依頼は失敗、最悪でもあり自分の魔族化の道を示したわけだ。そして今自分はバアル四天王のシュラアさんが院長を勤める、武錬科魔王学院・・・の、試験会場に来ている。
たぶん地球にあった野球やるドームくらいある、学院地下のなにもない会場。ざっと約500名の多種多様な魔族がそこに集まり、4本腕の試験官の長い祝辞の後、試験の説明を受ける。試験官は遠くまで聴こえるよう音の延長魔術を喉にかけ喋っているが、この魔術はその分声が大きくなる・・・なんてことはなく、ただ音が遠くまで届くようになっているだけだ。
「では本題に入ります。まず武錬科魔王学院には2つの試験があり、近接戦闘の武術試験と後衛戦闘の魔術試験、どちらか選んでもらうわけですが、君達は武術試験を受ける生徒候補なわけですね。それではまずは・・・10人一組、合計で50組に別れてもらいます」
試験官がそう言い終わると、自分は一瞬で別の場所・・・それもクレーターがいくつも空き、広さが半分ほど狭くなったところへワープさせられた。目の前には前の会場にいたやつと同じ、4本腕の試験官らしき魔族が立っている。この魔族は四腕魔とそのままの名前でちなみにシュラアさんは数少ない上位種の阿修羅、こちらもそのままだね。
「君達は集まってきた者達の中でも抜きん出た力を持つため、それ以外の者達に被害がいかぬように別けさせてもらった。残りの49組は元の場所にて試験を行っている」
「おいおいおい差別か?それでは人間と同じではねぇかぁ?試験官さんよぉ」
自分の隣に立っている狼人が捲し立てるように言う。全身が傷だらけのことからそれなりに修羅場をくぐってきた猛者であるのは確かだろう。狼人によくいる自分の肉体しか信じないから武器を持たないというやつだ。
「ここまで実力の差が離れすぎているのが稀ゆえの措置です。それに萎縮されて本来の力を出してくれない可能性もあると、シュラア様はそうお考えの模様です」
「むぅ・・・」
「なあそこのロウジン」
「なんだ貴様、その言い方は俺様に喧嘩を売ってると見ていいかァアン?」
「すまんな狼人、ただ出過ぎた真似とかしないか心配だなと思っているだけさ」
「ワッフフ・・・面白いやつだ、倒すのは最初にしてやろう」
「そいつは楽しみだな」
「えー、喧嘩は外でやってください。それではまずは・・・狼人のウルロア・ヴェアロー、前へ」
「わう!、いっちょやってやるぜ!」
ウルロアと呼ばれた狼人が前にでる。すると試験官の後ろから50メートルはあるゴーレムが地中から現れた。ゴーレムで2番目に硬い 白金岩兵、さすがに最上位とはいかないがレベルが違うな。試験官が魔術を使った様子が無いためこの場所にあらかじめ用意された埋められていたのだろう。他にも9つほど地面に魔力を感じ取れることから全員分はあるようだ。
「へっへっへ・・・ふんッ!」
ウルロアの拳と足に青い魔力が纏われる。魔付加武装、狼人がよく使う魔術だがここに選ばれただけあってなかなかの完成度ではあるな。アズマンドアほどではないがな。
「ではこの白金岩兵を1分で倒してください━━それでは初め!」
「ウルルァ!!」
一瞬で白金岩兵の背後に着地すると、白金岩兵は乱雑に切り裂かれ、その石の瞳から光が無くなる。完全に停止したサインだ。
少しすると白金岩兵は消失する。
「2・・・2秒・・・合格です」
試験官はあまりの速さに狼狽えている。他の8体も口を開いて目を丸くしている。
「くっくっく、どうだ!、貴様にはここまでできまい!」
「おうそうだな、別に競っているわけではないがまぁいい。次は誰だ?試験官」
自分の声で試験官は平静を整え、他の奴らを呼んでいく。37秒、56秒、49秒、不合格と続き、他9体の試験が終わった後、自分の番が回ってくる。
「では最後、竜人のラインハルト!」
「おーし・・・ゼル、行くか」
「おう」
自分は小声でゼルセーマとそう言い合うと鞘から抜き、出てきた白金岩兵を見る。
「それでは初め!」
自分は目を閉じ、ゼルを頭より高く上に掲げると、白金岩兵の拳が剣撃の届く距離にまで迫ってきたタイミングを見計らい、ゼルを振り下ろした。それによって白金岩兵は綺麗に真っ二つになり、
そのまま後ろに倒れて、沈黙した。
「5秒、合格です」
「ほう、なかなかやるのう貴様も。だが俺様のほ━━」
「はいはい早い早い」
(こいつ・・・!)
遮られたのが気にくわないのかウルロアが睨んでくる。
「不合格の方にはもとの会場に戻ってもらいます。ただしあそこまで早いのはあちらでは合格なので四天王候補生組には入れません」
試験官のその言葉に自分は目を見開いた。そんな話聞いてないぞシュラアさん。
「ん?、待って、この10人━━もう5人まで減ったけどこれってそういうやつなの?」
「そういう四天王になれるクラスに入学できる会場です。シュラア様推薦できたらしいですねお二人は」
たぶんウルロアのことなんだろうけど、おいおいおい自分はそこまで求めていなかったんだが、よくて兵士程度を望んでいたわけでそんな偉いところには・・・・、そんなことを思っていると自分に向けられる殺意が上がったような気がする、無論ウルロアのなんだろうけどさ。
「・・・貴様もそうなのか」
「嫉妬かなウルロア君。人間臭いね」
「そんな幼稚なものかよ・・・ただ俺様と同列と思われているのが気に食わんのさ」
「いつの間に同列なんて話になったのさ?、自意識過剰か疑心暗鬼かな」
「はっはっは━━殺す!」
一触即発だと思ったその状況に試験官が口を開いた。良かった、さすがに戦うことは━━
「ではあなた達で試合というのはいかがですかな。他の3名は主席をリタイアするらしいですし」
えぇぇぇぇ!?
「お?、いいなそれは、ルールはどんなんだ?」
「単純に相手の降参か気絶でいいでしょう、武器はお好きなもので」
「あの、自分は別に━━」
「良いぜやろう!、まさか辞退とかは」
「いやす━━」
「だよな!、するよな魔族なら!」
やばい、話を聴かないぞこの脳筋狼・・・
「はぁ・・・わかったぁよ、やりゃあいいんでしょ!」
さてどう手加減したものか・・・。
「ではこの試合も試験の一つとして、一時間後に始めましょう。それでは残りの3名は試験の続きを。試合を行う2名はこの先にある控え室で待っていてください」
まるで最初から試合のためのような部屋を聞き、自分は察した。これ最初から試合することが決定していたなと。自分は諦めのため息をはいて、控え室へ繋がる扉に向かった。
(´・ω・`)拙いのはわかっているけど見てくれてありがとうございました。