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ワンス・アポン・ア・タイム  作者: 小説サークル
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2018/06/22 天森 vs Mike vs ひ魔人さん

   天森


 (“継母”)

 昔々、あるところに父母娘の三人家族がいました。

 しかし、母は若くして死んでしまいます。まだ幼い娘には母となる存在がいないと寂しいだろうと思い、父は再婚しました。そして継母が“家”にやってきます。新たな家族での生活が始まりました。


   Mike


 数年が経ち、娘のための再婚でしたが次第に父は継母を、以前の妻以上に愛するようになりました。そして継母もまた、父を深く愛しました。

 すると、継母にとって血の繋がっていない娘が邪魔な存在になります。

 ある時、継母は娘を連れて森へ向かいます。そしてその森の中に娘を置いて来てしまいます。当然帰って来た父は継母に見当たらない娘のことを訊きますが、継母は「知らない」と答えました。

 三日経っても一向に帰って来ない娘を心配していると、“村”のある住人が父に娘の情報を教えてくれました。三日前に継母と一緒に森の中へ行くのを見たとのことです。

 それを聞いた父は大変ショックを受けます。家に戻って継母を問いただしました。

 継母は娘を置いてきたことで父との仲が悪くなってしまいます。これでは意味がありません。娘を連れ戻すために再び森へ向います。しかし、いくら探しても娘の姿がありません。

 継母が困っていると一匹の妖精が現れました。

 妖精は“本”を取り出して継母に渡して言います。「ここにはあなたの今までの人生が記されています。あなたは選ぶことで、その過去まで戻ることが出来ます。」

 継母は父と出会った三年前を選びました。

 辺りが光に包み込まれて行きます……。


   ひ魔人さん


 光が止み目を開けると、そこは父と出会った家の“庭”でした。

 継母は前回と同じように、父に話しかけます。そして、前回と同じ行動をとります。

 しかし不思議なことに、父は別の女性と再婚してしまいました。これでは何のために過去に戻ったのか判りません。森の中へ行き、あの妖精を探します。

 しかしあの妖精はどこにもいません。妖精と出会った周辺をグルグルしていると、一本の大きな樹がありました。

 周りの木とは何か違うその樹を不思議に思い、裏側へ回ってみると小さな“扉”を見つけました。もしかしたらあの妖精はこの中にいるのかもしれません。

 継母はその扉を開けます。しかし中は暗くて見えません。中に入ろうにも、扉は小さく中に入れません。

 継母は村にいる魔女と呼ばれている人の所へ行きます「体が小さくなるような薬はありませんか?」。魔女は一つの薬を取り出しました。継母はその薬を受け取って再び小さな扉の前に行きます。そして薬を飲んで小人の姿となり、扉の中へと進んでいきます。


   天森


 中は真っ暗で何も見えません。継母は「誰かいませんかー?」と大きな声で問いかけました。

 すると、奥から光がゆらりゆらりと近づいてきます。

 それはあの妖精でした。

 妖精は継母に向かって問いかけます。「あなたは誰?」

 継母は事情を説明しました。

 妖精は「少し待っていて」と言って再び奥の方へ行ってしまいます。そして戻っきたその手にはあの本がありました。「これのこと?」と妖精はその本を継母に渡します。再び継母の手に本が“戻ってきました”。

 継母が本を開くと、しかし、今よりも先の未来の項が無くなって真っ白になってしまっています。継母は驚き絶望します。

 そんな継母を見ていた妖精が「もしかしたら、私達の国の“王女”様なら、それをどうにかできるかもしれない」と言いました。継母は妖精の国の王女様に会いに行くことを決めます。

 「ついて来て」と言って暗闇の中を進んでいく妖精を、継母は追いかけます。そして“秘密の”扉を開けて妖精の国へと行きました。


   Mike


 継母は妖精の王女様に事情を説明します。「私は未来から来ました。」

 「未来から? どういう事でしょうか?」王女様は訊き返します。

 継母はてにある本のことを語りました。すると王女様は驚きます。「なぜあなたがその本を持っているのでしょうか? それは禁忌の本です。」

 それを聞いた妖精は「じゃあ、そういうことで」と“逃げて”行っていまいました。

 「まあ良いでしょう」王女様は妖精を見送ってから続けます。「その本の未来が真っ白になっているのは魔王の呪いによるもの、“呪われた”からです。魔王は再び復活してしまいました。しかし、国の占い師によると異国の勇者、つまり人間が魔王を倒すとのことです。今私は確信しています。その勇者とはあなたのことです。隣の部屋に魔王を倒すための装備が置いてあります。どうか、魔王を倒してくれませんか?」

 継母は本の呪いを解くために魔王討伐を決意します。

 隣の部屋に入ると、一つの宝箱が置いてありました。空けると中には退魔の“剣”が入っていました。


   ひ魔人さん


 継母は魔王討伐を“計画します”。しかしいくら退魔の剣があろうとも独りで魔王を倒すことは難しいでしょう。そこで継母は王女様に頼れる仲間はいないかと訊きます。

 王女様は一人の男のことを教えてくれました。

 彼は昔、王女様の“護衛”をしていました。しかし、とある理由で今は地下の牢獄に“囚われている”そうです。

 継母は地下牢のその護衛が捉えられている檻へ行きます。しかしそこには妖精ではなく、一匹の“怪物”がいました。だから地下に幽閉されていたのでしょうか?

 継母は怪物に語りかけます。しかし、怪物はこちらの言葉を理解しているようには見えません。継母は何度も会話を試みますが無理でした。

 古来から、人にかかった呪いを解く方法は一つです。キスです。継母は意を決して檻の中へと踏み入ります。


   天森


 近くで怪物の顔を見ると、どこか懐かしく安心出来ました。そして、そっと怪物に口づけをします。

 すると怪物は淡い光に包まれていきます。そして光が消えると、父によく似た妖精がいました。

 継母は意識が“遠くの”方へいってしまうほど驚きます。しかし、ここで気を失うわけにはいきません。寸前のところでふみとどまります。そして目の前で驚いている妖精に事情を説明し仲間になってくれないかと頼みます。

 元護衛だったその妖精は、恩人である継母の頼みを受け入れました。

 二人でもまだ心細いと思い、妖精の王女様に相談します。王女様はとある森の“廃墟”にすむ魔法使いのことを教えてくれました。二人はその魔法使いがいる“廃墟”へ向かいます。


   Mike


 廃墟には一人の妖精がいました。その魔法使いの妖精は元護衛の妖精をみて驚きます。「お前さんは、地下牢で怪物になっているのではなかったのかい?」

 二人は魔法使いの妖精に事情を説明し、手助けしてくれないかと頼みます。

 魔法使いの妖精は二人に訊きます。「魔王討伐とは言うが、お二方は魔王がどこにいるのか知っているのかい?」

 二人は顔を見合わせ、そして首を振ります。言われてみれば、魔王がどこにいるのか知らなかったのです。「そういうことなら」と魔法使いの妖精は家の奥から一つの“指輪”を持ってきます。そして「つけてごらん」と継母に渡しました。継母は言われた通りに指輪に指を通します。

 すると指輪は光輝き、一本の光の筋を放ちます。「この光の指すところに魔王の城がある」

 三人は指輪の光が差す方角へと進むと、見える限りどこまでも続く一本の“道”がありました。三人はその道を進んでいきます。

 しばらく進んでも一向に変わらずどこまでも道は続いています。そこで三人は三時間ほど休憩をとりました。そしてふと後ろを振り返ると、先程出発した場所と何一つ変わっていないことに気が付きます。この道は魔王の罠だったのです。三人は迂回して魔王城を目指しました。

 そして魔王のいる宮殿に辿り着き、魔王と対峙します。

 魔王は三人を見て、一番弱そうな継母へと襲い掛かりました。

 継母は恐ろしくなり動けません。しかし、魔王の攻撃があたる直前で、懐にあった退魔の剣を引き抜くことに成功します。そして、その退魔の剣は魔王に突き刺さりました。


   ひ魔人さん


 まさにその継母の行動は“勇まし”かったです。

 そして退魔の剣の“隠れた”効果が発動します。この剣で貫いた魔の物をこの剣に封じ込めることが出来るのです。

 魔王の身体は剣が突き刺さった部分から黒い煙となり、剣身に吸い込まれて行きます。そして魔王のすべてを吸い込み、無事に魔王を倒すことが出来ました。

 魔王を倒したことで本の呪いが解け、再び白紙だった過去である未来が再び記されます。

 継母はこの妖精の国での冒険を通して、父と不仲になってしまったのは自分のせいであり、その事実を変えようと過去に戻っても結局変えられないことを学びました。自業自得だと諦め悲しみ、反省します。

 継母は本を妖精に返し、秘密の扉を抜け、暗闇を進み、小さな扉を通ってもとの世界へと戻りました。


 “そして再び人の姿に戻ったのです。”

written by ひ魔人さん

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