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コーヒー砂糖ミルクあり  作者: 長谷川真美
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【かすれた声で呼ばれたら】

 エアコンが男子学生用に効き過ぎていてノドがカラカラだ。大学院に進学して初めての夏を向かえる。所属している研究室が不夜城で有名な事は進学前から分かっていたので覚悟はしていたが週一回、研究室全体の朝から終電まで行われるゼミは正直シンドい。今の研究室も女子学生は私一人なので、こういう時は男女の体力差を痛感する。栄養ドリンクを一気に飲み干しパソコンに向う。


 Skype(スカイプ)を確かめる。悠人(ゆうと)がオンラインだ。研究室に人がいない事を確かめてチャットを始める。チャットで近況報告をする。悠人は東京の大学の工学部学部4年生で推薦で大学院修士過程の進学が決まった。お祝いのデートをしたいがお互い学会の準備で都合が合わない。少しでも声が聞きたくてビデオ通話を始めた。久しぶりの恋人との会話は心配の声から始まった。「知世(ともよ)さん。声がガラガラだよ。風邪をひいたの?また無理をしているでしょう。」悠人の凛として良く通る声がハンドセットから聞こえる。無理をしているに"また"が付き加えられている事に苦笑する。かすれた声で悠人の名前を再度呼ぶ。名前を呼んだ後に「大丈夫。悠人がいる限りは。」と告げる。悠人と去年、二人で行ったお盆にある地元の花火大会に今年も一緒に行くことを約束し、会話を終える。短い会話でも心を充電できた。どんなコーヒーや栄養ドリンクよりもあなたが一番、私を元気にさせます。


 自販機で悠人が好きな炭酸飲料を買い口に含む。口の中で炭酸がパチリパチリと弾ける。それがまるで花火のようだった。一早く花火が私の心に色彩る。晩夏が待ち遠しい。カレンダーに花火大会の日に丸を付ける。思わず口角が上がる。夏が好きになったのはあなたと会ってからです。色彩が溢れる季節が始まった。FIN.


久しぶりの知世さん目線です。

どちらかと言うと悠人目線のほうが普段は書きやすいのですがこの話は悠人目線では書けませんでした。

(悠人目線だと生々しくなってしまいました…orz)

掠れた声=クーラーで声がガラガラは会社での出来事を参考にしました。

何が生きるかどうか分からないものですね。


それではまたお会いできることを心待ちにしております。


2017年6月4日 長谷川真美


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