〜第八十六話〜元勇者、自宅に篭る〜
私たちの住んでる国、バイトール王国に嵐がやってきた。
朝起きてみると、外の天気が荒れ模様となってるので、これは嵐かなあって思っていたら、雨が降り出したので、思った通り嵐がやってきたみたいである。
しかも稲光が発生してるので、これは結構本格的な嵐みたいな感じだった。
その音で目が覚めたのか、娘のリアネが
「お母さん、なんか外がうるさいかな……」
そう言ってきたので、私はこう言う事にした。
「リアネ、今日は嵐がやって来てるみたいだし、家の中でじっとしておきましょうか」
「嵐?それでこんなに大きな音なの?」
「ええ、そうよ?ほら見てみなさい?外が物凄い大雨でしょう?これは嵐といって、自然の災害みたいなものよ?このまま何事もなく過ぎ去ってくれればいいのだけど、突風で家が壊れる場合もありそうだから、用心するしかないわね?」
「本当だ……うん、わかった、お母さん」
そう言えばこの家って大丈夫なのか?
この家は、私の上司のバルバさんからもらい受けた物だし、一応頑丈に出来てるのだと思うけど、ちょっと点検でもしてみるか……
そう決めたので、早速点検してみる。
外はどしゃ降りの雨で稲光も聞こえるから、雷も鳴ってると思う。
とりあえず屋根を確認してみると、雨漏りはしてないみたいなので、結構頑丈に出来てる感じがした。
壁も頑丈に出来てるみたく、強風が吹いても大丈夫みたいな感じなので、家にいるのが一番安全なんだと思う。
それに今日ってお仕事あったけど、この天候じゃ外に出るのは危険な感じなので、嵐が止んだらバルバさんに報告しようと思う。
とりあえず……お腹空いてきたので、私はリアネに
「リアネ、今からご飯作るけど、何か食べたいものってあるかしら?」
私がそう聞くと、リアネが考えたあと
「じゃあ……何か暖かい物が食べたいかな?今日ってお外が雨だし、ちょっと寒く感じるから」
「暖かい物ね、分かったわ、ちょっと待ってなさい」
暖かい物ね……とりあえず……家の中にある品で作ってみるかな?
料理は、何回も作ってるからある程度の物は作れるけど、暖かい物って言われたので、スープ類にすることにした。
とりあえず家の中にある材料を使ってスープを作る。
私は魔法を使えないので、温かい物を作るには、魔力を込めた魔石を使用する事に。この魔石、調理用に使用されてる魔石なので、調理する時に便利な品物で、まあ、私が火系の魔法を覚えればいいのだけど、一応勇者やってたから
属性は光系なのだと思う。
数分の調理で、温かい野菜の入ったスープが完成した。
そう言えば……リアネって野菜の好き嫌いあったかな?嫌いな物はなさそうな感じだけど、一応聞いてみるか。
「リアネ?今作ったの、残さず食べられる?」
「えっと……食べてみるね?……うん、美味しいから大丈夫だよ?お母さん、このスープ、わたし、ちょっと好きかな?」
「そう、なら問題ないわね」
良かった、とりあえずリアネは好き嫌いなさそうで安心した。
私とリアネが一緒になって食べてるけど、それをクロがじーっと見ているんだけど
……もしかして欲しいから見てるのか?って考えて、クロの分も用意してみる。
けど、クロは全く食べる様子が無かった。
うーむ見られてると食べんのか?って思ったので、見る事をやめると、食べてる音が聞こえたので、問題は無さそうに見える。
食事を終えて、後片付けをした後、外の天気を見てみると、嵐が収まったのか、雨が止んでいた。
これなら外に出ても大丈夫そうなので、外に出てみると、国の景色が少し変わっていた。
嵐の影響なのか、壊れた建物が少し見える程度なので、それほど大きな被害は無さそうな感じだった。
とりあえず今の銀髪の髪はこの国では目立つので、家の中に戻る。
うーん、今日は娘のリアネと遊ぶ事にして、仕事は明日にするかな?とか決めて、娘のリアネと遊ぶ事にするのであった。