~第七十八話~魔王、国の乗っ取り計画を始める~
はい、今回から別視点の話を続けます。
ある程度溜まったら、本編に戻したいと思います。
ある国に一人の男がやってきていた。男は、自らを魔王と名乗る事にした。
その魔王は……何をやっているのかと言うと……
「はい、お待たせしました~こちら、肉の照り焼きになります」
魔王は、ある国で従業員として働いていた。
何故働いているかと言うと、カモフラージュと情報を集める為である。
ちなみに働いている時の偽名は、ナナシと名乗っていたりしている。
仕事の時間も終わった頃、魔王は活動に移す。
「ふう……とりあえず……蘇ったはいいけど、まず何からするかだよなあ……とりあえず……一人称を我にするのも恥ずかしくなってきたな……ていうか、誰も聞いてないんだし、普通の口調にするか……」
そう、魔王は部下の前だけ、威厳を保つ為に、そのような口調をしていたのだった。
ちなみに今は、一人きりなので、口調も砕けている。
「とりあえず……この国はいいな? 広くて豊かで……うん、決めた。この国を乗っ取って、王城もあるし、俺の住処にするか、まずは……乗っ取り方法だよな? 乗っ取る方法といえば、この国の兵士を皆殺しとかだけど……俺、一応魔王と名乗ってるけど、別に虐殺がしたくて魔王になった訳じゃないしなあ……禁術に手を出したから、いつの間にか魔王とか呼ばれる存在になったし。まあ、あのセレンディア王国が勇者召還とかやって来て、勇者が俺の事を魔王成敗とか言って来やがったから、相手にする羽目になったんだよな……じゃあ、悪いのって思いっきり、セレンディア王国じゃねえか、あの国は絶対に許せねえ……今は、力が足りないし、部下もほぼいない。攻め込むにも力が足り無さすぎるな……戦力増強の為にも、部下集めだが……まずは……」
魔王は、懐から魔力通信機を取り出す。
その通信機で、今の部下、ユーノに連絡する事にした。
「今、いいか」
魔王がそう話すと、通信機から女性の声が聞こえてくる。
「どうかしたっすか? 魔王様」
「今、お前は何所にいる?」
「おいらっすか? おいらは今……バイトール王国にいるっす」
「ほう……なら、着いたんだな? それで……何か解ったか?」
「はい、解った事っすけど、この国にナナさんがいると思われるっす。で……ナナさんには娘さんがいるって言うのが解ったっすね」
「何? それは本当か?」
「はい、本当みたいっすよ? で……もう一つ解った事があるっすけど、そのナナさん……どうやら、勇者に求婚されてるみたいっす」
「何だと? それは本当なのか?」
「そうみたいっすね、でもナナさん、勇者の求婚は断ってるみたいっす」
「そうか……ところで……」
「何っすか? 魔王様」
「その口調はなんなんだ、凄い気になるのだが?」
「これっすか? 一応口調を変えて話してみたっすけど、やっぱりこっちの方が話しやすいと思ったので、やっぱり……駄目っすかね?」
「いや、お前がそうしたいのならそうすればいい」
「解ったっす、ところで魔王様?」
「何だ」
「今、魔王様は何をしているっすか?」
「そうだな……ある国にいて、そこを乗っ取ろうと計画中だ」
「そうっすか……」
「何だ? 何か言いたい事でもあるのか?」
「いえ、別においらは魔王様の部下ですし、何も言う事はないっすよ? じゃあ、その国を乗っ取ったらその国のお城が、魔王城になるっすかね?」
「そうなるだろう」
「解ったっす、では……おいらは何をすればいいっすかね?」
「お前はそのナナの事を詳しく探ってくれ、また何か解ったら、連絡するように」
「了解っす、では失礼するっす」
そう言って通信機が切れる。
魔王は通信機が切れた後、考える事にした。
(ナナに子供? と言う事はもしかして……俺の子供!? いや……この肉体は別人のだから正確には俺の子では無いけど、でもあのナナって言う女性が、昔捕らえたあの子だったら、もう何年も経過してるしな? 可能性はあるんじゃないか? それにあの子……元男だったけど、無理矢理女にして、その姿が好みだったから手を出したしな? 可能性は十分にあるよな? これは会ってみないと解らないな……けど、今は……どうやってこの国を乗っ取るかだな)
魔王は考える。今の自分の力だと、到底国を乗っ取る事はまず不可能。
ならどうするか……と考えて、結論を出す事にした。
それは……仲間を増やす事だと言う事。この国で情報を集めて、この国に不信感を持っている者を集めて、それと自身の力を強くする事を前提に、行動に移す事に決めた魔王だったのであった。




