~第六十九話~魔王、情報を集める~
はい、お久しぶりです。
時間取れたので、執筆します。
今回は別視点の話となります。
また、時間が取れたら執筆してるかなと。
ここは何所かの国の中、その場所に辿り着く者がいた。
「とりあえず……国に辿り着いたが、さて……ここで何をするかだな?」
その場所に辿り着いた者は、蘇った魔王だった。
魔王は、部下にしたユーノと別れた後、とりあえず情報を集める為、人がいそうな場所に移動する事にしたのだった。
「しかし、えらく簡単にこの国の中に入れたな?」
魔王はこの国に入るときの会話を思い出す。それは国に入る時、国の門番に「何用でこの国に入るのだ?」と訪ねられて、魔王は咄嗟に「観光にやってきたんです、駄目ですかね?」とか言ってみると、門番が「そうか……この国はいい所だぞ? きっと気に入ると思うぞ」と言って、国の中に入る事を許可したのであった。
「さて……まずは……人が集まりそうな場所に行ってみるとするか」
そう決めた魔王は、とりあえず……人が集まる場所に行く事にした。
国の中を歩いて数十分後、一軒のお店に辿り着く。
その場所は食事所のようで、中から人の声が漏れ出していた。
魔王はそのお店に近づこうとすると
「あ~ん? お前見ない顔だな? どっから来たんだ?」
魔王に話しかけたのは、剣を装備している風貌の悪い男だった。その男に魔王は
「汚い顔だな……目の毒だな」
そう呟く。それを聞いた男の顔が真っ赤に染まっていって
「何だとこのやろう! ぶっ殺されてーのか!」
そう言って武器を構えたので、魔王はそれを見て
「ふむ……お前の力がどの程度なのか? 確認させて貰うぞ、そら、かかって来い」
「ふざけやがって! 死ねやぁ!!」
男の剣が魔王に直撃する。しかし……
「な、なんだと……!?」
「成る程、その程度の力か……まさかそれで本気だとは言わないよな?」
「ぐ……」
男の剣を魔王が握ると、剣が簡単に崩れたので、斬りかかった男が青ざめる。
「素手で剣を握り潰しただと……お前……何者だ……」
「何だ、もう終わりか……ならこっちの番だな?」
そう言って手を男に翳して、術を唱える。
「魔力吸収」
「グアアアア!!」
魔王の術によって、男の意識が失われて、その場に倒れる。
「ふむ……こいつ……魔力が結構あったのか、何で魔法を使わなかったんだ? その方が強いと思ったのだがな……まあいいか、こんな男の事なんて、気にしても無駄だしな?」
そう呟いていると、魔王の持っている通信機が鳴り出したので、魔王はそれに出る。
「魔王様~」
「む、ユーノか……一体どうした?」
「えっとですね……魔王様に聞きたい事があるっす」
「ふむ……一体何だ」
「えっと……私のいる場所って、何所っすかね?」
「……それを我に聞いてどうするんだ、我が貴様が何所にいるのか? 知ってると思うか?」
「あ~まあそうっすよね……すいませんっす」
「なら、通話してくるな……で……今、貴様は何所にいるんだ? 一応聞いておいてやろう」
「それはっすね……何というか、森の中っす」
「森の中……で……確か、バイトール王国に行く事にしたのではなかったか?」
「はい、まあそうなんっすけど……そのバイトール王国が何所にあるのか? ちょっと解ってなかったみたいなんすよね……まあ、だから森の中に入ってしまったって感じなんすけど」
「……そうか、とりあえず……その森を抜ければ、何かしら見つけるかもしれないのではないか? 我はやる事があるからな? 通信を切るぞ、それではな」
そう言ってから通信機を切る。
「ユーノが森の中にいるのか……じゃあ、まずは……この国で色々と情報を集める事にするか、まずは……勇者の仲間だったあの女の事を探ってみるか……」
そう決めた魔王は、お店の中に入る事にした。店の中に入ると、店員が「いらっしゃいませ~」と魔王に声をかけて来たので、魔王は胡散臭い笑顔を浮かべながら演技する事にした。
「すいません、ここって食事所ですよね?」
「あ、はいそうですよ? お客様はお一人様ですか?」
「はい、まあ……あの……ちょっと聞きたい事があるんですけど」
「聞きたい事ですか?」
「昔、魔王討伐をした勇者達ってご存知ですか?」
「あ、はい、知っていますよ~確か……セレンディア王国の勇者様でしたよね?」
「ええ、で……その勇者様には、仲間の魔法使いの女性がいたのですけど、今、何をしているか? ご存知ですか?」
「え~っと……確か……魔法使い様は……今はいないと聞いた事が……」
「いない?」
「ええ……もう既に亡くなっている聞きましたよ?」
「そうなんですか?」
「はい、確かそうです」
「そうですか、いや、教えてくれてありがとうございました。では、これで失礼しますね」
そう言って魔王はお店を出る。
「……もう既にいないだと? なら……我の魔王城を壊した復讐が出来ないじゃないか!まあいい。なら……次は、我の部下だった者の捜索をする事にするか……」
そう決めた魔王は、自分の部下だった者の事を、探す事にしたのであった。