~第七話~元勇者、厄介事に巻き込まれる~
はい、今日二作目。
こっから新展開ですかね?
とりあえず、回覧数伸びてますね~ありがたい事です。はい。
「ちょっと頼まれ事があるのだが……」
今日は、仕事がある日。
その仕事現場で、上司のバルバさんが私にそう言ってきた。
「頼まれごとって、何でしょうか?」
私がそう聞くと、バルバさんが
「いやな、ちょっと届け物をして貰いたいのだ、ただなあ……その届け先の相手が、エルフの里なんでな……そこのエルフの住人は、私等の事をよく思っていないらしいんだ」
「えっと……もしかして、その届け物を私に?」
「ああ、ナナなら、見た目で警戒されると言う事はなさそうに思えるしな」
そう言う事か……つまり、今の私は銀髪の髪をしているので、エルフと間違われるのかも知れないと言う事なのか?って感じだった。
「状況は解りましたけど、それ、無理がありません?」
「……大丈夫だ。多分」
「……多分って……」
「こんな事を頼めるのは、今の所ナナしかいないからなあ。頼む、引き受けてくれないか?」
「ちなみにですけど、断ったら?」
「仕事現場が無くなるかもしれん……取引相手がな……」
「……何でそうなってしまうのか、本当に疑問ですが……つまり、やるしかないって事なんですよね?」
「まあ、そうなるな。引き受けてくれるか?」
そう言われてしまったので、ここの仕事が無くなるのは嫌だったので
「解りました……引き受けますね、で……品ってなんです?」
「ああ、ちょっと連れて来るな?」
そう言ってバルバさんが移動する。はい? 連れて来るって……
数分後、バルバさんがつれて来たのは、銀髪の髪をした少女だった。年は、7~8歳ぐらいに見える。
良く見てみると、耳が尖っていて、手錠がしてあった。
「あの……この子。もしかして」
「ああ、正真正銘のエルフだな。奴隷として捕まってたんだが、救い出した者がいてな。で……その者が「この子を無事に元の場所に返してくれ」と言っていたのでな?で、こうしてここにいる訳だ」
何ですか、その救い出した者って、善人ですか? そいつ。エルフは結構貴重で、捕まえた者は、女だったら性奴隷にする輩もいたり、男だったら、魔術実験の実験台にさせられたと言うのを聞いた事がある。私は気になって
「ちなみに……その子、値段とかついたんですか?」
「ああ、金貨150枚程だったな。貴族がそのぐらいだしていたんだが、競り勝ったみたいでな。で、ここに持ち込んだと言う訳だ」
金貨150枚程……なら、結構な値段がつけられたのか……一体その貴族は、何目当てって……いや、あれですね。性奴隷として囲うとしたんだな……うん。
「で……私にその子をエルフの里へ、送り届けると言う事ですか」
「ああ、そう言う事だ。引き受けてくれるか?」
「断ってはいけないんでしょう? 解りました……引き受けますね」
「ああ、助かる。じゃあエルフの里が何所にあるか? 教えるな?」
「あ、それは解ります」
「……そうなのか?」
「はい」
まあ、前に一度、エルフの里に寄った事あったしなあ……確かその時は、「人間か、何用で来た!返答次第では殺す!」とか、脅して来たっけ……その時は男だったし、まあ……何とか事情やら説得して、事なきを得たけど、確か……私が覚えてるのは、あのエルフの里だけだったので、その場所だったら、今でも覚えている。違うエルフの里は聞いた事とかないけど。
「あの……私が知っているエルフの里は、ここからちょっと遠いのですけど、戻ってくるのに時間かかっちゃいますよ?」
「そうか……解った、ちゃんと送り届けてくれただけでいいぞ。期限は気にしないからな?」
「解りました、それと……娘をどうしようか……と、思ってるんですけど?」
「……そうだな、確かにナナには娘がいたな。良し、ナナ? 私も同行するから、そこで説明しようと思う。それでいいか?」
「はい、解りました」
そう決めたので、私達は娘のいる我が家へと行く事にした。その前に、このエルフの少女の手錠は外しました。リアネに見せたくなかったしね? 手錠を外したら、一目散に私にしがみ付いて来たんだけど、それを見てバルバさんが「なんでだ? 私には睨んだりされてたのに……」とか言っていたが、これは気にしない事にした。建物の外に出るので、エルフの女の子と私は、フードを被る。
このバイトール王国では、銀の髪=金を産む存在&もしくは女だったら、性奴隷候補って感じなので、バイトール王国にいる間は、フードを被る事にしていた。バルバさんとエルフの少女を連れて、我が家へと戻る。ちなみにバルバさんは、私の家が何所にあるかを知っている。
まあ、家を提供してくれたのがバルバさんなので、そこは結構助かっているのだった。家へ戻ると、出迎えてくれたのは
「お母さん、お帰りなさい~」
我が娘のリアネだった。うん、やはり可愛い。癒されるね? 本当に。
「ただ今、リアネはいい子で留守番してたかしら?」
「うん、ちゃんとお母さんの言いつけ通りに家にいたよ?……えっと? お母さん?」
「何かしら?」
「隣にいるのは……バルバさんだよね? あとその女の子は?」
「そうね……リアネに説明するわね? 実は」
私は、リアネにこれからやる事を説明した。私が説明した後、バルバさんが
「リアネちゃんはどうする? ナナはこれからこの子と一緒にお出かけしなくてはならないんだ、もしかしたら長くなるかも知れない。一人でお留守番するのは不安だろう? 私かタマコと一緒にいる事にするか?」
バルバさんがそう言うと、リアネが
「嫌……お母さんと一緒がいい」
そう言って来た。
「……だそうですよ。あの……一緒に行っても構わないですかね?」
「ふうむ……少々危険も感じるが……まあいいだろう。解った。三人だけでも不安だと思う。護衛をつけるが、それでいいか?」
「はい、助かります、あの護衛って……」
「な~に心配するな、腕の立つ護衛なのだからな? 護衛の準備が整うまで、出発は明日にしてくれないか? では私はお暇するとしよう。この子もナナに懐いているようだしな? 構わないか? ナナ」
「……解りました」
「ではな」
そう言って、バルバさんが退散する。
私は残された彼女に話しかけようとすると、彼女がいきなり「ママ! 会いたかった!!」と、満面の笑顔で爆弾発言してくれました……。
この子、人違いをしていると思うんだけど……?
うん、勇者君の名前、本当にどうしようかと。
いや、もう無しでもいいんじゃね?って思えてきた、今日この頃・・・