~第六十八話~元勇者、隠れる~
はい、時間が出来たので、続きの話です。
最近、この作品お気に入りが940件ぐらいなんですよね。
これは・・・1000件いくのか?って思ってます。
まあ、行くかどうかはわかんないですけどね~
さて……仕事に取り掛かる事にしたのだけど……今日は肉が多いって言ったから、一体……どれだけの量が あるんだろうな……と思いながら、見てみると……
確かに大量の肉があった。これ……何の肉なのだろうか?と、疑問に思ってしまう。
まあ、仕事は仕事だし、早速取り掛かる事にした。
量が多いので、少しづつ休憩しながら仕分けていく。気になったのは、肉の色。
肉の色は運ばれて来たのがほとんど茶色か赤色っぽい色をしているのだけど、少しだけ、何というか……食べたくない色をした肉があった。それは紫色の肉で、これを焼いて食べたら、毒になるんじゃないか?って感じの色をしていたので、これって需要があるのか?って思いながら、仕分けていく。
数時間ぐらい経過した後、仕事場に
「おはようございます、ナナさん」
タマコがやって来たので、私は
「おはよう、タマコ……何か傷だらけだけど、一体どうしたの?」
タマコの姿を見てみると、顔とか体に、擦り傷やら切り傷みたいな傷が沢山あったので、ちょっと気になってしまった。
「ああ……これはですね……移動中に魔物と戦いまして、まあ……その時に出来た傷ですね……ナナさんと別れた後、結構大変だったんですよ……」
「そ、そう……タマコ? 大丈夫なの? 確か……タマコってヒーリングキャットって呼ばれる種族で、治癒魔法が得意な種族じゃなかったのかしら?」
「えっと……そう言われればそうなんですけど、実は……私、お父さんと一緒で、治癒魔法。あまり使えないんですよね。大きな怪我とかすると、魔法で治せないです……お母さんなら、治せるんですけど……まあ、見た目ほど痛くはないですから、大丈夫です。さ、ナナさん、お仕事しましょうか? バルバさんから聞いたんですけど、どのぐらい進みましたか?」
「そうね、とりあえず……このくらいね」
私は今まで仕分けた分をタマコに見せる事にした。
「そうですか……残りは、それほど残ってないみたいですし、後、一時間ぐらいで終わりそうなので、頑張りましょうか?」
「そうね」
そう言った後、仕事に取り掛かる事にした。タマコの言った通り、約一時間後に、全ての作業が終了した。夜になる前に終わったので、バルバさんに仕事の完了の報告を入れる事にした。
「どうやら、無事に終わった見たいだな? 今日はご苦労様。で……明日の予定だが、明日は今日みたいに大量に届くと言う事はないので、明日も宜しく頼むぞ? では、お疲れ様」
「はい、お疲れ様です」
「お疲れ様でした~ナナさん? これからどうしますか?」
「そうね……タマコはどうするの?」
「そうですね~何か食べてから、帰ろうかな?って思ってますね。中央広場に行って見ようかなと。何か美味しい物あると思うんですよ。良かったらナナさんもどうですか?」
「家でリアネが待ってるから、早く帰ろうって思ってるのよね?」
「じゃあ、リアネちゃんも誘って、一緒に行きましょうよ? 私はそれでも全然構わないですしね?」
「……解ったわ、じゃあ、そうさせて貰うわね」
「はい、では、行きましょうか」
タマコと一緒に行く事に決まったので、まずは……自宅に戻る事にした。
フードを被り、仕事場から出る。バイトール王国の中を歩いて、自分の家に戻る時。見つけてしまった。
「あれ……あの人って、確か……勇者様じゃないですか?」
隣にいるタマコがそう言うので、タマコが言ったとおり、あれは確かに勇者君だった。
何でこの国にまだいるんだ……前に教会であった時から、随分と日数が経過してるんだけど、この国にいる理由が解らない。まさか……まだ私の事を諦めていなかったのか……そんな事を思っていると、勇者君が私達の事を見て、近づいてきやがったので、これは不味いと思ったので、私はタマコに
「タマコ、私はタマコの背に隠れるから、あの勇者君が話しかけてきたら、何とか誤魔化してくれないかしら?」
「誤魔化すですか? えっと……ナナさんは、あの勇者様には知られたくないって事ですかね?」
「ええ、あの勇者に会うのは本当に不味いのよ……解ってくれるかしら?」
「何だか解りませんけど……了解しました」
タマコがそう言ってくれたので、私はタマコの後ろに隠れる事にした。
髪の色を見られると不味いので、思いっきりフードを深く被り直す。
タマコの後ろに隠れた後、勇者君が私達に近づいて来て
「ちょっといいか?」
タマコに話しかけたみたいなので、私は勇者君に見えないようにタマコの後ろに隠れる。
「えっと……確か……建国祭で紹介された勇者様でしたよね?」
「まあ……そう言われればそうだが……ちょっとこの国で人を探しているんだ、君は知っているか?」
「探し人ですか? 一体誰なんです?」
「銀髪の髪の色をしていて、名前はナナと言う。何所にいるか知っているか?」
はい、確定。この勇者君。まだ私の事を探してましたよ。何で諦めてくれないのですかね? 前にはっきりと拒否した筈なのですが?
「銀髪ですか……この国では特に目立つ色をした方ですよね……えっと、勇者様は、何でその人を探しているのですか?」
タマコがそう言うと、勇者君が
「実は……彼女をセレンディア王国に連れて行かなくてはならなくなってな……それで彼女、ナナを探しているんだ。君はナナと言う女性をこの国で見た事は無いか?」
「えっと……し、知らないですね」
「そうか……この国にいるのは、解っているんだがな……すまない、邪魔をしたな? では、俺は行くとするぞ」
そう言って勇者君は私達から離れて行った。勇者君が離れた後、タマコが
「ナナさん……何で勇者様が、ナナさんを探してるんですか?」
「えっと……実は……あの勇者に求婚されて……私は断ったんですけど、なんか、まだ諦めてないみたいなんです」
「そうなんですか……じゃあ……ナナさんは、勇者様の事が好きではないって事なんですよね?」
「まあ、そうなりますね」
「……解りました。ナナさん、今日は出かけない方が良いかも知れないですね? 勇者様がいるみたいですしね?」
「そうね……タマコ? 私は家へと戻るわね」
「解りました、一緒に行こうと思いましたけど、これはキャンセルですかね? さようならです」
「ええ」
タマコと別れて、自宅に戻る事にした。
それにしても……勇者君が言っていた言葉、私をセレンディア王国に連れて行く……? 何であの国に行かなくてはいけないのだろうか……? 何か理由が? 考えても解らなかったので、とりあえず……まだこの国に勇者君がいると言うのは、解ったので、私は用心する事に決めたのであった。




