~第六十七話~元勇者、クロを疑う~
はい、今回は本編の話です。
時間が出来れば、続き等書こうと思います。
朝になったので、目が覚める。今日から仕事があるので、仕事に行く前に朝食の準備に取り掛かる事にした。とりあえず……使えそうな食材を見てみて、パンがあったので、パンを使った料理にする事にした。調朝食を作り終わった後、娘のリアネを起こす事にしたのだけど……まず、娘の寝姿、これは何時も通りに激可愛い。本当に天使だね? この子は、で、その寝ている娘の下敷きになって唸っているのが、我が家のペットの黒猫のクロだった。娘の頭の下敷きになっているんだけど、これって大丈夫なのだろうか……? しかも何か「これも、我が主の為……耐えるのである……」と、渋い感じの声が聞こえてしまった。今のってこのクロが話したんだよね? 私は娘が起きないように、小声でクロに話しかけてみる事にした。
「クロ……今のってやっぱり、貴方よね?」
私がそう話すと、私の姿を見たクロが
「にゃーん」
とか言いやがった。あれ……今、誤魔化したよね……? この猫
「今、話したでしょ? クロ?」
「にゃーん?」
とぼけた感じで鳴きやがった。これはほっぺを抓ったら、どうなんだ……? と思ったので、クロの頬を抓ってみる。私が抓ってみると、痛そうにプルプルと震えたけど、やっぱり話す言葉が「にゃ、にゃーん!?」だった。いや、確かにクロが話したんだけどな……あくまでもにゃーんで惚けるのだろうか? この猫は……私がそう考えると
「お母さん……何してるの?」
いつの間にか娘のリアネが、起きていて、私に話しかけて来たので、私は
「えっとね……リアネ? 今、クロが話したのよ」
「そうなの? クロ?」
リアネが話しかけると、クロが
「にゃーん」
しか言わなかった。
「話してないみたいだけど……ねえ、お母さん、クロの頬を抓ってるのやめない? 痛そうだよ?」
「あ、そうね……今、やめるわね」
私はそう言ってクロの頬を抓るのを止める。
リアネが起きたので、私はリアネに
「リアネ? 朝食が出来てるから、一緒に食べましょうか」
「うん、お母さん」
そう言って、二人で朝食を取る事にした。クロもいつの間にか娘の頭の上に乗っかっていて、何かため息っぽいのを吐いたのを見たんだけど、気のせいなのだろうか? 確か……この猫って、ナイトメアキャットとか呼ばれている種族だったんだよな? じゃあ、普通の猫とは違うのかも知れないな……
そんな事を考えながら娘と一緒に朝食を取る。
取り終わった後、今日から仕事があるので、外行きの服装に着替える事にした。
服装に着替え終わった後、娘のリアネに
「じゃあ、お仕事に言って来るけど、リアネ? きちんと家でお留守番しているのよ?」
「うん、解った、ねえ? お母さん」
「何かしら?」
「今日は遅くなるの?」
「う~ん、仕事の量によるわね。多かったら遅くなるし、少なかったら早めに終わるって感じ
かしらね?」
「そうなんだ……早く帰って来たら、私……お母さんと出かけたいかな……」
なんて可愛い事を言って来るのだろうか? この子は
「そう、なるべく仕事を早く終わらせて帰るわね」
私はそう言って、娘のほっぺに口付けした後、家の外に出る事にした。
家の外に出て思った事は、まず……暑いと言う事だった。
フードをぶかぶかと被っているので、余計に暑く感じるので、これからどんどん暑くなりそうなんで、これは本当に何かしら対策を練らないと不味いのかも知れなかった。
このバイトール王国では、私の髪の色、銀髪をしている人ってほぼ見かけないので、この国では私の髪の色は、かなり目立つ存在なので、フードをぶかぶかと被って行動してるんだけど……前に髪の色を変えるために黒陽の粉を取りに行ったけど、これは使い物にならなかったしなあ……今も家にあるけど、黒陽の粉……この国で売れるのかどうかが疑問だった。思いっきり需要が無さそうな感じだし……
そんな事を考えながら、バイト先の建物に辿り着く。
中に入ると、中にいたのは、私の上司のバルバさんだった。
私はバルバさんに挨拶する事にした。
「おはよございます、バルバさん」
「お、ナナか、おはよう、さっきワトリがやって来てな? 後からタマコも来るから、今日は二人で仕分ける事になるが……それでいいか?」
「解りました、あの、今日ってどのぐらいあります?」
「そうだな? 結構な数だな? 馬車五台分の量があるって感じだな。それと今日はな? 食材が肉だけなんだ。色々な肉があるみたいだぞ」
「色々な肉ですか……あの、それってお昼前には終わりますかね?」
「ん? 何かあるのか?」
「いえ……娘が、早く終わったら、一緒に外に行きたいって言って来たので」
「そうか……今日は特に多いしな? まあ……頑張れば早く終わるかもしれんが……早くやると疲労も溜まるだろう。あまりお勧めは出来んぞ?」
「そうですよね……解りました、では、量を見て、考える事にします」
「そうだな、そうしてくれると助かる、ではナナ、今日の仕事場を教えるから、そこに向かってくれ」
「解りました」
バルバさんに言われて、私は本日の仕事場に向かう事にした。その場所に来て思った事、確かに量が多かった。これ本当に今日中に終わるの?って感じの量なので、タマコも一緒の現場なので、タマコが来るまで頑張るかな……と思いながら、仕事に取り掛かる事にしたのであった。