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~第六十五話~元勇者、娘と出かける2~

はい、本編の続きです。

とりあえず時間出来たら、続き等書こうと思います。

今回は少し長めとなっております。

バルバさんに報告した後、私達はバイトールの国の中を散策する事にしたのでした。

とりあえず……何所に行くか……なんだけど、娘のリアネが美味しい物を食べたいと言っているから、広場の方へ行ってみる事に決めて、リアネと手を繋いで移動する事にした。

バイトール王国の国の中を歩いて、中央広場に辿り着く。

この場所は出店が立ち並んでいて、結構賑やかだった。ここなら、美味しい物もあると思うので、出店を一つ一つチェックしていく事にした。

お店で売っている品物は、色々あって、これ……何に使うのか? よく分からない物まで売っていたりしているので、まあ……商品として売ってるんだから、誰かしら買うんだろうな……と思っていると

「あ、ナナさんじゃない、なんだか……久しぶりね?」

私に話しかけて来たのは、大きな荷物を背負っているエルさんだった。

「え~と……確かに久しぶりですかね?」 

「そうね~私さ? ちょっと他の町に行って、品物を仕入れに行ってたからね? 今日、この国に戻ってきたばかりなのよね? それにしても……」

「な、なんですか?」

「もうすぐこの国って、暑くなるんだけど、ナナさん……その格好だと暑くないかしら?」

そう言われてしまった。確かに今の私の格好は、フードを被っているからなあ……

「でも、この国だとこの格好じゃないと……まあ……目立ちますし……」

「そっか……ナナさんも色々と大変みたいね?」

「ええ……あ、ところで……リアネが美味しい物を食べたいって言うので、美味しい物を探してたんですけど、エルさん、何かありますかね?」

「美味しい物? そうねえ……ちょっと待っててね」

エルさんがそう言って背負っている荷物から、何か取り出した。

何か見た事あるフルーツに似てるんだけど、これって……

「あの……これは?」

「これは南にある国で手に入れた品物で、確か……バナーナとか言うのだったかしら? とりあえず仕入れてみたのよ。 この国で売れるかどうか解らないけど……ナナさんは、この果物は知っているかしら?」

「えっと……まあ……知っていると言われれば知ってますが……」

「本当? どうやって食べるか知ってる?」

「ええ、まあ……ちょっと貸して下さい」

エルさんからバナーナと思われる果物を受け取った後、改めてそのバナーナを見てみる。

うん、思いっきり知っている果物で、これバナナだよね……? これがバナナなら食べ方は知っているので、私はバナーナの皮を剥く事にした。

皮を剥いた後、エルさんに

「このバナーナは、皮を剥いて、その中にある実を食べるんです。皮は硬くて食べられないと思いますよ?」

「そうだったのね? 私、このまま食べるだと思ってたわ……ありがとうナナさん。どれどれ……」

エルさんがバナーナの実を食べる。食べた後

「うん……このバナーナの実は、柔らかくて食べやすいしちょっと甘味もあるから、なかなか美味しいわね? これなら……この国でも売れそうな感じだわね……ナナさん、教えてくれてありがとう」

「いえいえ」

「お礼と言ってはなんだけど、このバナーナ、あげるわね? 結構仕入れたしさ?」

「いいんですか?」

「ええ、いいわよ?」

エルさんから、バナーナを結構な数を頂いたので、私はリアネに

「リアネもこのバナーナの実を食べてみる?」

「うん」

そう言って、バナーナの皮を剥いてあげて、リアネに渡す。リアネがバナーナの実を食べてる姿……いや、変な考えはやめて置こう……。バナーナの実の形状がアレだけど……まあ、ここは気にしない事にした。リアネに美味しかった?って聞いてみると、「美味しい~」って言ってくれたので、ほっとした。

「ところで……ナナさん達はこれからどうするの? そろそろ夜になるしね?」

「そうですね……そろそろ家に戻ろうかなと思ってますね?」

「そう……なら私もナナさんの家へついて行っていいかしら?」

「え? どうしてですか?」

「実は私ね……前に勇者と話しているのよ……勇者に家は知っているのか?って聞かれたわね? ナナさん? 勇者の事は嫌いなのでしょう?」

「そう言われればそうですね」

「勇者がやって来たら、私が連絡してあげるわよ。見た感じ……あの勇者じゃあ、ナナさんもリアネちゃんも幸せに出来そうに見えなかったしね? いいかしら?」

そう言われて考える。エルさんが教えてくれるだとしたら、結構助かるのかも知れない。

今の所、私の味方になりそうな人って、ワトリさん家族とバルバさんぐらいしかいないしな……味方は多い方が良いと思ったので

「じゃあ……お願いしてもいいですかね?」

「ええ、構わないわ」

「ありがとうございます、じゃあ、案内しますね」

そう決めた私は、リアネを連れて、自分の家へ戻る事にした。バイトール王国の中にある自宅に戻ってきて、私はエルさんに

「ここが私達の家になります」

「ここがそうなのね……うん、覚えたわ。それじゃあ、これを渡すわね?」

そう言って私に、小型の機械を渡して来た。

「これは?」

「これは、魔動通信機ね。これで勇者を見かけたら、連絡してあげるわね? 片方は私が持っているから……あ、そう言えば、ナナさん? 魔力ってある?」

「魔力ですか? えっと……多分無いかと……」

「そうなの? それじゃあ……この魔動通信機は、使えないんだけど……これって、魔力で動く仕組みになっているから……困ったわね……」

魔力で動く仕組み……なら……

「あの……娘なら、魔力はありますね?」

「あら、そうなの? じゃあ、ちょっと実験してみましょうか? リアネちゃん? これ、持って見てくれる?」

「う、うん」

そう言って、エルさんがリアネに魔動通信機を持たせる。

「ここにボタンがあるでしょ? このボタンを押した後に、この機械にむかって、何か話かけてみてね?」

「解った……やってみるね」

リアネがそう言ってボタンを押してから

「え~と……これでいいのかな?」

「うん、ちゃんと動作するみたいね? リアネちゃんが動かせるなら、ナナさんも動かせるんじゃないのかな? ちょっとやって見てくれないかしら?」

エルさんにそう言われたので、リアネから魔動通信機を受け取って、ボタンを押して、話しかけてみる事にした。

「え~っと、これでいいですか?」

「……ナナさん。魔力が無いって嘘じゃないですか……ちゃんと作動しますよ?」

「え? そうなんですか?」

「ええ、ナナさんで可能ですね」

「でも私、魔法が全く使えないんですよ?」

「そうなんですか?」

「はい、前に魔法の練習をしたんですけど、何も発動しなかったんです」

「う~ん……何が原因かは解りませんけど、魔力はちゃんとありますから、魔動通信機はちゃんと動かせるみたいですね」

「そうですか……」

自分に魔力はある……じゃあ、前に魔法の練習したのに、何で何も発動しなかったんだろう……他に原因があるのか? まあ……魔力があると言う事は解ったから、もしかしたら私も魔法が使えるのかもしれないな……出来ればリアネと同じ魔法を使えるといいんだけど……そう思っていると

「とりあえず……ナナさんもこの魔動通信機が使えると言う事が解ったから、何かあったら、これで連絡しますね? それじゃあ私は帰りますね?」

「エルさん、色々とありがとうございました」

「いえ、それじゃあ」

そう言って、エルさんが帰って行った。

これであの勇者君がまだこの国にいたら、エルさんが連絡してくれるので、勇者君と遭遇する確立が低くなるのかも知れないな? そう思いながら、とりあえず……頂いたバナーナの実で、色々と作ってみる事にしたのであった。

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