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~第六十三話~元勇者、バイトール王国へ帰還する~

はい、今回は本編です。

気がついたら、もうすぐ連載を始めて2年ですよ。

早いものですね~確か・・・一話が二年前の6月ですし。

元はこれ、短編として書いたんですが、まあよくここまで続いたものです。

ちなみにまだ終わらせる気はないので、時間があいたら続き書こうと思いまする。

セレンディア王国で、目的の品物。黒陽の粉を無事に入手したので、あとはバイトール王国へと戻るだけなのだけど、とりあえず……この国で食事してから、戻る事になった。

さて……食事と言っても、この国で何が美味しいのか? 全く解らないんだよね……とりあえず……私は、一緒に手を繋いでいる娘のリアネに


「リアネ? 何か食べたい物はあるの?」

そう聞いてみると、リアネはう~んと考える仕草をした。首をかしげる姿も可愛い……うちの娘は本当に最高だなあ……とか、思っていると


「えっと………甘い物が食べたいかな?」


「甘い物ねえ……この国で甘い物ってあるのかしら……ワトリさんはどう思います?」


「そうだな……とりあえず……食事が出来る場所を探す事にしないか? そこだったら甘い物もあるかもしれないしな?」


「そうですね」


「とりあえず……移動してみましょう? タマコも見つけないといけないしね?」

ココネルさんがそう言ったので、私達は移動する事にした。

移動中、何か視線を感じるような気がする……まあ……ちょっとだけ解るかも知れない。

まずワトリさんとココネルさんは、ヒーリングキャットと呼ばれる獣人だし、私の姿はフードですっぽりと姿を隠していて、その私と手を繋いでいるのが、美少女のリアネだしなあ……人々の視線を感じるのも仕方がないように思えてしまった。

セレンディア王国の国の中を歩いて数十分後。食事所を発見したので、中に入ろうとする前に、タマコがいたので、タマコに話しかける事にした。


「タマコ、ここにいたのね?」


「あ、ナナさん。じゃあ……もう用事は終わったんですか?」


「ええ、目的の品はもう手に入ったしね? タマコは何でここにいたの?」


「えっと……ここも美味しい物を出してるのかな?って思いまして、入ろうとしてたんですよ……けど……」


「けど?」


「さっき買い過ぎて、お金足りない事に気がついちゃって……あはは……」


「あははじゃないだろ……まあいい、タマコ? まだ食べられるのか? 私達は、この店に入ろうと思ってるんだがな?」


「あ、はい、余裕でまだ入りますよ~けど、さっき肉料理中心に食べたから、甘い物が食べたいかなと」


「なるほど……この店に甘い物があるかどうか解らんが……ナナさん、この店で食事する事でいいか?」


「はい、私は大丈夫です。リアネもここでいいかしら?」


「うん」


「なら、決まりだな? 早速入るとするか」

そう決めた私達は、お店の中に入る事にした。

お店の中は結構広くて、店員に開いている席に案内して貰って、そこに座る事にした。ちなみに席順が、私の隣にリアネ、反対側にワトリさん親子が座る事になった。

席に座った後、私はワトリさんに


「ワトリさん、ここの支払いって……」


「ナナさん、ここは私が出す事にするぞ。だから遠慮しないでくれ」


「そうですか、じゃあ……お言葉に甘える事にします」

ワトリさんにそう言われたので、ここのメニューを見て、とりあえず……美味そうなのを注文する事にした。

私が頼んだのは、魚を使った料理にすると、娘のリアネも「お母さんのと同じにするね?」って言ったので、リアネも同じ物にして、ワトリさんとココネルさんは肉を使った料理、タマコがデザートのカキ氷みたいな物を頼んでいた。

味に関しては、結構美味しかったので、あっという間に完食。リアネも頭の上に乗っているクロに「クロ~おすそ分け~」とトッピングの魚をあげようとしたけど、クロは食べる事はしなかった。

猫って魚が好きなんじゃないのかな……まあ、気にしない事にするか……うん。

ちなみに私もリアネも、タマコの食べているデザートを頼む事にした。

食べてみて思ったのは、これ……本当にカキ氷に似てるなあと思ったこと。品物の名前が「冷や氷」だったけど……ま、気にしない事にしよう……。

食事が終わった後、店の外に出る。

店の外に出ると、ココネルさんが


「ナナさん、あとは戻るだけなんだけど……どっちの方法で帰るかな?」


「どっちの方法ですか?」


「ええ、帰りも馬車で帰るか、それか転送魔法で帰るかよ? 馬車で帰る事になると、数日はかかるけど、転送魔法は一瞬で帰る事が出来るわね? で……どっちにする?」

ココネルさんがそう聞いて来たので、私は考える。馬車で戻るとなると、また馬車の中で数日かかるので、その間は退屈な時間が続くと思われる。それに……移動中、魔物が襲ってきたし、やっぱり安全策を取って一瞬で戻る方法が良いのかも知れなかった。

私は転送魔法で一瞬の方法が良いと思うけど、娘のリアネはどうなのだろう……? と思ったので、リアネに聞いてみる事にした。


「リアネ? 馬車でバイトール王国に戻るのと、転送魔法で戻るのと、どっちを希望する?」

私がそう聞くと、リアネは


「う~ん……お母さんはどっちを希望してるの?」


「私は転送魔法がいいと思ってるわね」


「じゃあ……お母さんと同じにするよ」


「そっか……ココネルさん、決まりました。転送魔法でお願いします」


「解ったわ、じゃあ……早速準備するわね?」

ココネルさんがそう言うと、懐から杖を取り出して


「転送扉よ! 今ここに顕現せよ!」

ココネルさんの呪文が発動して、その場に大型の扉が出現した。


「えっと……目的地は、バイトール王国に設定と……よし、完了したわ」


「じゃあ、私は馬車で戻る事にしよう。ふむ……ついでだ、タマコ」


「な、何? お父さん」


「タマコも私と一緒に来い。帰る途中に魔物が現れるかも知れないが、タマコが戦えるかどうか見てやる事にしよう」


「ええ!? 私もお母さんと一緒じゃ駄目なの?」


「あら……それはいいわね? タマコ、ワトリと一緒に行きなさいな? いいわね?」


「う……解りましたよ……じゃあ、ナナさん、私はお父さんと一緒に戻る事にしますね?」


「解ったわ」


「それじゃあ決まりね? じゃあナナさん、リアネちゃん? 行きましょうか?」


「はい」


こうして、私達はココネルさんの転送魔法で、バイトール王国に戻る事になった。

ココネルさんが出現させた扉の中に入ると、現れた景色は見慣れた、バイトール王国が目の前に見えた。


「無事に転送完了ね? それじゃあこの扉は消すわね?」

そう言って、ココネルさんが扉を消す。扉を消した後


「じゃあ、私は家に戻るけど、ここでお別れね? あ、黒陽の粉を使って見て、効果が現れるか解らないけど……まあ、効果が現れなくても気を落とさないでね? それじゃあね」

ココネルさんがそう言って、私達と別れる。ココネルさんと別れた後


「リアネ? それじゃあ……私達も家に戻りましょうか?」


「うん、お母さん」

私は娘の手を繋いで、バイトール王国にある自宅へと、戻る事にしたのでした。

それにしても転送魔法か……本当に便利だなあ……私も覚えられたら、覚えてみたいかも……と、そう思っていたのであった。


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