~第五十九話~勇者、絡まれる~
はい、今日も時間できたので、執筆します。
今回は勇者君の話となっております。次から本編かまた別キャラの話かな?と。
俺がこの国、セレンディア王国にやって来て、王様に魔王が復活したから、退治しに行けと言われたんだが……、そこで遭遇したのは、この国のお姫様だった。前にあった時から何年も経過しているんだが……見た目は全く変わっていない風に見える。美人と言われれば美人だと思うけど……けど、何故この国にいるんだ? 王女だから何所か他の国に嫁ぐとかすると思っていたのだが……
そんな事を考えていると、彼女が
「お父様、そちらにいらっしゃるのは、もしかして……勇者様ですわよね?」
「ああ、そうだな」
「そうですか……」
彼女がそう言って俺の方を向いて
「勇者様、私、貴方に言いたい事がありますのよ」
と、笑顔でそう言ってきた。何でここで笑顔なのだろうか……? ちょっと怖く感じるぞ……
「言いたい事って……」
「言いたい事はですね……責任取ってくれませんか?」
「せ、責任?」
「ええ、貴方のせいで私は、「勇者に断られた姫」として噂が広がりましたのよ? お父様が縁談を持ち掛けたと言うのに、勇者様は断りましたよね? しかもお父様の前で堂々と好きな女性を言いましたし? あれ以来私は勇者に断られた姫として噂が流れましたのよ? どう責任取って下さるのですか?」
「責任と言われてもな……俺はどうすればいいんだ……」
「それは決まっていますわ、私と婚姻を結んでくださいませ、勇者様に断られて以来。あれから縁談の話が全くないのですよ? 勇者様? あの当時、あの女性を好きだと言っていましたが、あれから彼女と婚姻等を結ばれたのですか? 婚姻等を結んでいたのでしたら、私も文句は言いませんが?」
「い、いや……その様な事は無いが……」
「では問題ありませんよね? 勇者様? もしかして……もう何年も経過していると言うのに……あの女性を追いかけておるのですか?」
「娘もこう言っているが……勇者、今はどうなっているんだ?」
この二人に言われてここは、どう言えば良いんだ? 馬鹿正直に話すか? 今も彼女を追いかけていると。でもそう言ったら、彼女と婚約させられそうになるな……確実に。確かに彼女は美人だけどな……父親がこの王様だしな……彼女と結婚したら、俺がこの国に留まらなくちゃいけなくなるんだよな? そう考えると……それは嫌だな。俺は……今でもあの彼女の事が忘れられないしな?
「そう言われたらはっきり答えるが、俺は……今でも彼女の事は諦めていない」
「何ですって……? だって……もう何年も経過していますのよ? あの女性だってもう既に結婚しているかもしれないじゃないですか」
「いや、彼女は結婚なんかしてはいない! それは断言できるぞ!」
「そ、そうなのですか………? じゃあ……私はどうすればいいのですか!」
「のう勇者……まだあの女性を諦めていないのだな? でもあの時はっきりと断っていたではないか? それでも諦めていないのか?」
「ああ、諦めてはいない」
「そうか……」
「お父様?」
王様が何か考えるみたいだった。考えた後
「では勇者、その彼女をワシの前に連れ出して、そこで告白するのだ。で……そこで告白を断られたら……ワシの娘と結婚して貰うぞ。ワシの娘は勇者のせいで結婚等出来なくなったのだからな? 文句は言わせないぞ! それでいいか? セレンもそれでいいか?」
「ええ、私は問題ありませんわ」
「ちょっと聞くが……彼女が俺の告白をOkしてくれたらどうなるんだ?」
俺がそう言うと、王様が
「そうなったら、ワシも文句は言わん。きっちりと祝福してやる。まずは勇者、勇者が好いている彼女をワシの前に連れ出す事だ」
「……解った、では行ってくる」
俺はそう言ってこの場から離れる事にした。
王様にあんな約束をさせられてしまったけど、俺のやる事はまず……ナナさんを見つけて、この王様の前に連れてって、そこで告白すればいいんだと言う事だな? 彼女がバイトール王国にいる事は解っているから……まずは、バイトール王国に行く事だけど……俺、転送魔法使えないしな? この国からバイトール王国までどのぐらいかかるんだろうな……それに……王様から魔王退治しに行けとか言われたけど、本当に魔王が復活したのか? 怪しいもんだしな……とりあえず……まずはバイトール王国に行かないとな……
そんな事を俺は思っていたのであった。
勇者がお城から立ち去った後。
「セレン、勇者の事だが………実際にどう思っているのだ?」
「そうですね……あれから何年も経過しましたけど……私は勇者様と結婚してもいいと思っていますわ。それに……私にもチャンスがあると思っておりますし」
「チャンス?」
「ええ、あの時勇者様は、あの彼女が好きと言って断られましたよね? あの時の彼女に断れた時、私の他に魔法使いの彼女がいましたもの、その彼女……私からみても勇者様の事を好きでいらっしゃったので、あの魔法使いの彼女があの後どうなったのか知りませんけど、勇者様と結ばれてはいないみたいですしね? だから……私にもチャンスはあると言うものですわ」
「成程……では、勇者がワシの前にやって来るまで、気長に待つとするか……それにしても魔王か……本当に復活したのなら……何としても倒さなくてはな……」
王様は、そんな事を言っているのであった。