~第五十一話~元勇者、ココネルさんと相談する~
はい、お久しぶりです。
今回は本編の続きを書きました。
お気に入り登録件数800人超えてますね~
ありがとうございます。
とりあえず、また時間が出来たら、続き等書きたいと思います。
私と娘のリアネは、豪邸へと向かっていた。
この豪邸と言うのは、私の同僚のタマコの実家なのである。タマコ……やっぱりお嬢様なんじゃないだろうか……? けど、本人は自分がお嬢様と言うのを自覚が無さそうなんだよなあ……で、何でこのタマコの実家に向かっているのかと言うと、タマコの母親のココネルさんから連絡が入ったからである。
仕事が終わって、帰ろうとするとタマコが「ナナさん、お母さんが呼んでるので、私の家に来ませんか?」って言って来たので、私はタマコに「じゃあ、家で留守番をしているリアネと一緒にいいかしら?」と言うと、「はい、それでOKですよ? じゃあ、私は家で待ってますね?」と言って、先に帰って行った。
タマコの母親のココネルさんからの呼び出しね……その理由は、前にココネルさんに相談した事なんだと思うので、私は自分の家へ戻り、留守番をしていた娘のリアネに「リアネ? 出かけるわよ」と言うと、「うん、解った」と言って、出かける準備をしてくれた。何所に行くかとも言っていないのにすんなりと了承したなあ……この子。やっぱり、私を信用しているからなんだろうか?
まあ……気にしない事にして、リアネの頭の上にクロを乗せて、リアネの手を繋いで、タマコの家へと向かう事にした。バイトール王国の町の中を歩いて数十分後、タマコの住んでいる豪邸に辿り着く。
改めて見てみると、やっぱり大きい……絶対にここに住んでるのは、金持ちなんじゃないのか?って思いながら、その豪邸の敷地内に入る。
中に入ると、タマコと母親のココネルさんが待っていた。
「待っていたわナナさん、ナナさんに話したい事があってね?」
「話したい事ですか? それってもしかして……」
「ええ、ナナさんの髪についてね? 二人っきりで話したいから、リアネちゃん? タマコと一緒にいてくれないかしら?」
ココネルさんがそう言うと、リアネが
「お母さん、話って何なの?」
「私にとってちょっと大事なお話なのよ? リアネ? タマコと一緒にいてくれる?」
私がそう言うと、リアネは考える仕草をした後
「うん、解った」
「じゃあ、リアネちゃん? お菓子でも一緒に食べましょうか?」
タマコがそう言って、リアネを連れて行ったので、私はココネルさんと移動する事にした。
ココネルさんの部屋と思われる場所に辿り着いた後、私はココネルさんに
「あの……話したい事って、私の髪の事ですよね?」
「ええ、そうよ? 確か……その銀の色を変えたいのよね?」
「そうですね」
「私が調べて見つけたのはね? 黒陽の粉と呼ばれる粉よ」
「黒陽の粉ですか?」
「ええ、この黒陽の粉はね? 物に色を付ける為に開発された粉らしいわ、何でも黒が大好きな愛好家がいるらしくてね? その愛好家が魔道師に命令して作らせたのがこの粉らしいのよ、どんな材料で作ったのかは不明だけど、何でも自分の髪の色を黒くしたいから作らせたらしいわ」
黒を愛する愛好家ね……変な人もいるんだな……
「じゃあ、その黒陽の粉を髪に付ければ?」
「黒くなるらしいわよ、実際に使ってみて黒くなったみたいだと聞いたわ」
「あの……ちょっと疑問なんですが、それって元に戻す事って出来るんですか?」
「それなんだけどね……どうも魔法の回復呪文をかければ戻るらしいのよ、なんかね? 一回真っ黒にしたその愛好家が、魔物と戦って、怪我してね? 回復呪文をかけたら、元の髪の色に戻ったらしいわよ? とりあえず……元に戻せると言う事が解っている品だと言う事ね? これなら、貴方の髪でも大丈夫なのじゃないかしら?」
そう言われて考える。
回復呪文をかけると元に戻るね……確かに元に戻せると解っているのなら、なかなか便利な品なのかもしれないな……と思った。
「はい、確かに私の髪でも大丈夫かと思いますね」
「でしょ? でね? その黒陽の粉があると解ったのはね? セレンディア王国なのよ」
「セレンディア王国……」
「そう、確か……勇者召喚をした国だったわね」
セレンディア王国……私を召喚した国じゃないか? あれから五年以上経過してるけど、あの国って今、現在どうなっているんだ……まさか……新しくまた勇者召喚をやっているのだろうか? そういや……私が召喚されてから、あの国はあの勇者君を召喚したんだよな? それ以来どうなったのかまったく情報が入ってこないけど、魔王は倒された筈だしな……勇者召喚はしてないと思うけど……私がそんな事を思っていると
「とりあえず報告は以上ね? ナナさん、この黒陽の粉……手にいれるつもり?」
「そうですね……この国では今の私の髪の色は目立ちますし、出来れば手にいれたいですけど、セレンディア王国は確か……この国から結構離れてますよね?」
「そうね、確かにバイトール王国からだと、結構離れているわね?」
「はい、セレンディア王国に行くにしても、娘のリアネを一人で置いて置けないですし、行くとなったら一緒に行くって感じになると思います」
「そっか……それもそうよね? じゃあ……もし行くのだったら、私達家族が一緒に行くってどうかしら?」
「家族って、ココネルさんとワトリさんとタマコですか?」
「ええ、その方が魔物に襲われても大丈夫だと思うわよ?」
そう言われて考えてみる。確かに、ワトリさんは結構強いって事が解ってるし、この家族と一緒なら旅をするのも安心なのかもしれないな……と思ったので
「解りました、じゃあ……お願いしていいですか?」
私がそう言うと、ココネルさんが
「解ったわ、私達も色々とやる事があるからね? ワトリも用事ある事だってあるしね? 予定が空いたらお知らせする事にするわね?」
「はい」
とりあえず……ココネルさんとの話は終わったので、私は娘のリアネを迎えに行く事にしたのであった。