~第四十九話~元勇者、同僚とお出かけする2~
はい、お久しぶりです。
役一ヶ月ぶりの投稿です。
時間取れなくて、本当に執筆できませんでした。
また時間出来たら、投稿しようと思います。
いつもより仕事が速く終わったので、私は同僚のタマコと一緒に、バイトール王国の国の中を歩きまわる事になった。国の中を歩いていると、タマコが
「ナナさん、そろそろ夏になりますけど、その格好だと暑くなりませんか?」
「まあ……確かにそうね……」
タマコに言われて、確かにそろそろこのバイトール王国に夏と呼ばれる季節がやって来る。まあ、夏と言うだけあって、この国でもいつもより気温が上昇するので、私の今の格好。フードを被っている状態だと、結構暑いのかも知れなかった。暑いから脱げばいいと思うけど、この国、バイトール王国では、私の髪の色、銀色は結構目立つので、悪い奴等に目を付けられて誘拐やらされるのも嫌なので、この国ではフードを被っているのだけど……髪の色を変えればいいと思うけど、それは娘のリアネが嫌がるだろうし、とりあえず……今は、フードでごまかすしか無いと言う状況だった。
「まあ……夏になったら、もうちょっと涼しい格好にする事にするわ」
「そうですね? 私もそうした方がいいと思いますね」
そんな事を話しながら、国の中を歩いて行き、中央広場に辿り着く。ここは出店が立ち並んでいるので、人が結構多かった。
「今日もにぎわってますね~、ナナさんは何か買いたい物とかってあるんですか?」
「そうね……なら、食材かな……タマコは何か買いたい物ってあるの?」
「私ですか? そうですね……今はそれほど欲しいって品はあまりないんですよね? まあ美味しそうな物があったら、すぐ買っちゃいますけど……とりあえずやっているお店を見て回りましょうよ?」
「解ったわ」
タマコにそう言われて、私達はやっているお店を見て回る事にした。色々な出店が出店されているので、珍しい物でもあるのかな……?って思ったけど、特に珍しい物とかなかったので、とりあえず……パンとか、保存が効く物を購入。タマコも焼き鳥屋で、焼き鳥を購入していて、その場で食べて「おいしい~やっぱりお肉はいいですね~」と言っていた。
その姿を見ながら私は、前から疑問に思っていた事を聞く事にした。
「タマコ?」
「あ、はい? 何ですか?」
「前から疑問に思っていたのだけど、タマコって……獣人なのよね?」
「まあ、種族で言われるとそうですね? 私は獣人の”ヒーリングキャット”って呼ばれる種族になりますね」
「そのヒーリングキャットってどんな種族なの?」
「そうですね……私達の種族は、魔術はそこそこ使えますね。得意なのは回復系魔術です。お父さんは術じゃなくて武術に専念してましたけど、お母さんは魔術師から魔術を習ったと言ってましたから、色々な魔法が使えるみたいですよ? まあ……私は、魔法はあまり勉強してなかったので、不得意なのですが……」
「そう……タマコは、それでいいの?」
「そうですね~別にそこまで魔術が使いたいって思ってませんしね? 今の状態で私は結構満足しているって感じですね」
「成る程……私は全く魔術が使えないから、ちょっと羨ましいわね」
「あ、そうなんですか?」
「ええ」
前にこの世界に来たんだから、私にも魔法が使えるのか?って思って、魔法に挑戦したんだけど、魔法は一切使えなかったので、凄く落ち込んだと言う事を覚えている。まあ……その代わり、あの魔王に状態変化無効能力とか言うのを付けさせられたんだけど……そう言えば……娘のリアネは、魔法が使えるのかな……?まあ、魔王と私の子供だし、もしかしたら魔法が使えるのかもしれないけど、魔法が使えたら私に言ってくると思うから、私からは聞かない事にしよう……うん。
とりあえず、買い物は済ませたので、遅くなるとリアネが心配するので、私は
「タマコ? 私はそろそろ家に帰るわね?」
「あ、そうですか? じゃあまた明日ですね? ナナさん」
「ええ、また明日ね?」
タマコにそう言ってから、私は自分の家へと戻る事にした。
家に戻ると、娘のリアネが
「お母さん、お帰りなさい~」
そう言って抱きついて来る。
うん……何と言うか、行動が可愛いなあ……さすが私の娘だなあ……
「ただいま、私がいない間、誰か訪ねて来たかしら?」
「ううん? 誰も来なかったよ?」
「そう……ならいいわ、じゃあ……夕食にしましょうか?」
「うん」
そう決めて、私達は買って来た食材を使って、夕食を取る事にした。
夕食中、私はリアネに
「リアネ? 私がいない間、家で何をしていたのかしら?」
私がそう言うと、リアネが
「えっと……お母さん?」
「何?」
「怒らない……?」
「内容にもよるわね……一体どうしたの?」
「あのね……これ……」
そう言って、リアネが取り出したのは、一冊の本だった。
これって……「誰でも使える魔術大全」じゃないか。この本を見つけて、誰でも使えるんだから私でも使えるよな?って思って、試してみて、全く使えなかったから、不良品じゃねーか!って思った品でもあるんだよな……まさか……リアネは、この本を見て、魔術が使えるようになったのだろうか……?
「えっと……リアネ? もしかして……魔法、使えるの?」
「……うん、魔法が使えて怒らない? お母さん?」
「そうね……」
そっか……リアネが魔法を使えるのか……私は使えないのにな……まあ、私の子供なんだし、優秀な子供だな!って思う事にしよう……うん。
「いいえ、怒らないわ? どう言ったらいいのかだけど……リアネはまだ魔法を覚えたいの?」
「えっと……気に入ったのなら、ちょっと覚えてみたいかなって思う……かな?」
「そう……私は魔法の事に関しては、何も出来る事はないけど……リアネのやりたいようにすればいいと思うわ? けどね?」
「けど?」
「怪我したりとかしたら大変だから、危ないと思ったら、魔法を使うのはやめるのよ?」
「……うん、解った!」
リアネが笑顔でそう言う。うん……やっぱり娘は一番かな……?
そんな事を私は思っていたのであった。