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~第五話~元勇者、勇者と遭遇する~

お気に入り登録件数50件突破。

まだ三日ぐらいしかたってないですよ。

感想も来ましたし、読んで下さってありがとうございます。


……この状況を、どうしたら良いのだろう。

私の目の前にいるのは、五年前から、見た目がま~ったくと言って良いほど変わっていない勇者君で。

しかも今の状況、両肩をがっしりと掴まれている状態だと言う事。振り解こうにも、全く動かす事が出来ず、あれ……これって詰んだんじゃないか……って、かなり危機的状況でもあった。

とりあえず……いい加減、肩が痛かったので


「あの……肩が痛いのですけど」


「あ、すいません。えっと……もしかして……貴女は」


「えっと、何です?」


「いえ、俺が求めていた声の女性と凄く似ているので、あの……もしかして、俺と会った事ありませんか?」


「人違いです、では!」


そう言って、勇者君が両肩から手を離した瞬間、私はダッシュして逃げ出す。勇者君はその光景に驚いた後、「ま、待って下さい!」と、追いかけて来やがった。あの勇者君は、求めていた声の女性と言っていた。という事は……未だに私の事を諦めていないって事じゃないか!

ここで捕まったら、絶対にあの勇者君に求婚されてしまう。それは確実だと思われる。

なので、勇者君から逃げだす為、私はバイトール王国の国の中を曲がりながら、色んな方向へと走り出す事にした。

走りながら後ろを確認。どうやら……撒いたみたいなので、急いで我が家へと戻る。 我が家へ戻ると、娘のリアネが


「お母さん、お帰りなさい~って、どうしたの? なんか……息があがってるよ?」


「た、ただいま……ちょっとね……やばそうな相手から逃げてきたのよ……」


「そ、そうなの? 大丈夫? お母さん!?」


「え、ええ……ふう……もう大丈夫よ? 心配かけたわね?」


「……そう?」


取りあえず……何とか無事に我が家へと戻る事が出来た。

しかし……何でこの国に勇者君が現れたんだ? まあ……勇者君がどの国に行こうが、私は知らなかったのだけど、けど、じゃあ……あの一緒にくっついていたあの魔法使いの女の子は一体どうしたって言うのだろう。魔法使いの女の子とあの勇者君がくっついてくれれば、勇者君から逃げると言う事はなかったというのにな……これじゃあ、気軽に外に出られじゃないか……勇者君が、この国にどれだけ滞在するか? 解らんしな……フードを被っていたから、顔とかは見られなかった筈だと信じたい。

無事に家に戻ってきた事だし、今日の仕事は終わったから、今日は外に出る用事はなかったので、家にいて、娘と過ごす事にしよう。うん。私は、そう決めたのであった。




「に、逃げられた……あの彼女だったかも知れないのに」


このバイトール国に来たのは、数時間前。俺は色々な国を回っていた。

その理由は、初めて好きになったあの女性を探しているからだ。

あの女性と始めてあったのは、五年前。

魔王城と呼ばれる場所に、囚われの身となっていたのが、彼女だった。

俺は、セレンディア王国の王様から言われて、魔王退治を目標にして、仲間と一緒に魔王を退治する為、色んな場所へと回り、やっとの思いで魔王城に辿り着き、そこにいた黒髪の男が「っち、また男かよ!男はさっさといなくなれよ!あ、女もいるな? けど、好みじゃねーな……性格悪そうというか、ヤンデレになるな? この女」とか言ったら、俺の仲間だった魔法使いがブチ切れて、その男と戦闘モードになった。まあ、確かに……俺の仲間の魔法使いは、美人だけど性格がな……確かにこの男、当たっているのかもしれない。

まあ、魔王城にいるんだから、この男が魔王なのだろう。俺達は、魔王と戦う事になった。

魔王は、凄腕の魔術師だった。俺の知らないような魔法とか使って来て、攻撃して来たので、かなり苦戦したが、俺の武器で、何とか一閃を与える事に成功。首を刎ねたので、生きてはいないと思ったのだ。

転がった生首が、物凄い形相で「っく……我は滅ばん! いつか再び復活するのだ……!!」と、呟いてから、魔王の体と生首が、暗闇に飲まれるように、消滅した。

魔王を倒した後、他に敵はいないか探した所、そこで出会ったのが彼女だと言う事だった。

初めてみた彼女は、白銀の髪をしていて、凄く可愛い子だった。魔王城に囚われの身となっていたから、きっと何処かの王族の血を引いたご令嬢なのだろう。

俺は、彼女に


「魔王に捕まっていたのか……さぞ辛かっただろう、だが魔王はもう倒した。安心していいぞ」


そう言ってみると、少し微笑んだ表情を見せた。か、可愛い。今まで色んな女性と出会ってきたが、この彼女ほど可愛いと思った事は無かった。俺がそう思っていると、魔法使いの彼女が

「ちょっと勇者、魔王は倒したんだから、早く帰りましょうよ?」とか言って来た。


確かにここにいても、あまり意味がないしな? 俺は彼女にこれからどうするか? 聴いて見ると、「どうしましょう……」って、憂いながら言うので、物凄くドキッとしてしまった。

ああ、俺はこの時に思った。彼女が欲しいと。これが一目ぼれと言うのだろうか? この彼女を俺の妻にしたいと、凄く思うようになってしまった。で、つい彼女に


「よく見たら可愛いな……行く所が無かったら、俺と一緒にならないか?」

そう言ってしまっていた。彼女の反応を観察してみると、困った表情をしながら


「すいませんが、お断りします……」


そう言われてしまった。こ、この俺が振られた……今までなんとなーく、今まで出会った女の子から、惚れられているな……って思っていたこの俺が……!? いや、きっと彼女は俺の事をよく知らないからだ。

そうに違いない。なら、お互いを良く知ってからじゃないとな? それと……それには彼女が逃げられないような状況を作っておかないといけないな……一度断られたからと言って、諦める俺ではないしな?

で、結局、彼女は俺達について来る事になった。ちなみに魔王城はどうなったのかというと、まあ魔法使いが怒りに任せて粉々に壊したという事にしとこうと思う。

深く追求したくないしな? で、彼女と一緒にセレンディア王国に戻った俺達は、王様に謁見した。

この王様、言ってる事が少々むかつく所もあるが、くれた装備がなかなか良かったんで、基本的に無視しようと思っていた。

そんな王様が「実はのぅ~勇者よ? 姫を貰ってくれないかの?」とか言って来た。

でも俺は、その姫を見たのだが、綺麗だな……とは思うけど、貰おうとは全く思わなかった。

なんか、魔法使いと同じ感じがしたし。なので俺は


「いえ、私には勿体無いです、実は……以前から好きな人がいますので、その提案にはお断りします」馬鹿丁寧にそう答えた。


「そうか……ではそなたが好きな子は一体誰なのかの?」


「はい!そこにいる彼女です!」


俺は、彼女を指差してそう言う。


「……そなたは誰かの?」


「……魔王に捕まっていた、ただの一般人です。たまたま勇者様に助けて頂いただけです。それだけの関係です。勇者様には私なんかより、もっとふさわしい人がいると思いますので……あと勇者様に告白されましたが、きちんとお断り致しました」

っく、そう言われたが俺は!


「いや! 俺は諦めない!是非、貴方を俺の妻にするぞ!」

俺がそう言うと、彼女が


「お断りします! 私の事は諦めて下さい!」

そう言われて、逃げられてしまった。その後、王様から「あの者より、絶対にワシの娘のほうがいいぞ」とか言われるし、魔法使いから「勇者、何であんな事言ったのよ!、あ、貴方には私がいるじゃない!」とかそんな事を言われたが、俺はすぐに彼女を追いかける事にした。 けど……何所を探しても見つからず、結果。 五年という歳月が経過してしまっていた。まだ立ち寄った事もない国、バイトール王国へやって来た俺は、彼女の情報を探す事にした。解っているのは、声と美しい銀髪だと言う事。この国には、ほとんど銀髪の女性がいないから、もし銀髪だったら、彼女の可能性が高いとちょっとだけ思っていた。で……そんな国を歩いていて、ぶつかったのが……フードを被った彼女だと言う事なのだった。


「見つからないな……けど、フードを被っているか……顔を見られたくない為か? もし銀髪だったら、この国では珍しいしな。 もう少し、この国に滞在してみるか……」

俺は、そう決意した。 絶対に彼女を見つけてやる……と。 



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