~第四十六話~勇者、情報を集める~
はい、今回はちょっと短いですが
勇者君サイドの話にします。
また、時間が出来たら、近いうちに執筆してるかなと。
とりあえず・・・この物語にお気に入り登録してくださった方々ありがとうございます。
何故だ……。
やっと目的の彼女と出会えたのに、また見失ってしまった。でも……この国、バイトール王国にいる事は解った。けど……衝撃な事実を知ってしまった。彼女には……娘がいると言う事に。一体誰なんだ!?
彼女の娘と言う事は、彼女と他の男が愛し合ったと言う事だよな……何だそれは……せっかく見つけた彼女だと言うのに。子供までいたとは……彼女の子供が「お母さん」って言っていたから、本当に実の親子なのだろうか? いや……もしかしたら、相手の男の連れ子なのかも知れない。
見た感じだと、彼女の子供の髪の色が確か……黒色をしていたしな……なら……もしかしたら、彼女は結婚などしていなくて、子供と二人で暮らしているのだとしたら……とりあえず、彼女の子供が本当に娘なのか? 真実を知る必要があるかも知れない。で、彼女が結婚してなかったら、まだ俺にもチャンスはあると思う。
そう決めた俺は、バイトール王国で、情報を集める事にした。
彼女の名前はナナと言う事は解っているので、まずは……ナナを知っている人物から探りを入れていこうと思う。確か……中央広場の女店主が、ナナの事を知っている風に見えたから、その女から情報を聞き出す事に決めて、行動する事にした。中央広場に辿り着いた俺は、早速女店主がやっているお店に向かう事にした。女店主がやっているお店に辿り着いて、こう言って見る。
「ちょっと、聴きたい事があるんだが?」
俺がそう言うと、女店主が
「あら、貴方……まだこの国にいたのね? 一体何をしているのかしら?」
「何って勿論決まっている。探しているんだ」
「……そう……で? その探しているのは見つかったのかしら?」
「まあ……一応見つけたんだが……また見失ってしまってな……で、聴きたい事があるのだ」
「聴きたい事?」
「俺の探している彼女、ナナの事なんだが……彼女に娘がいると言うのは、本当の事なのか?」
「ナナさんの娘? ああ、リアネちゃんの事ね? それがどうかしたの?」
「そ、それは……本当に彼女の実の娘なのか?」
「本当見たいよ? 確かにナナさんとリアネちゃんの髪の色が違うけど、リアネちゃんがすっごくナナさんに懐いてるんだもん、それにナナさんのリアネちゃんを見る表情がね? 本当の娘としてみている感じがするのよね? だから私は、本当の親子だと思うわね」
そ、そうなのか……本当の親子なのか……そう現実を突きつけられると、やはりショックに感じるな……
「じゃ、じゃあ……ナナの父親の事は知っているのか?」
「そうねえ……そう言えばナナさんと知り合って、結構な時間が経過したけど、一度も父親と言う人を見た事が無いわね? 私がナナさんを見かけるのは、一人の時とか娘のリアネちゃんが一緒の時とか、それだけだわね」
成る程……と言う事は、やはり父親はもしかしたらいないのかもしれないな? これは……俺にも十分にチャンスはあるのでは無いだろうか? 彼女に子供がいるのは驚いたが……父親がいないのだとしたら、俺がその……リアネ? とか言う娘の父親になるのもありかも知れないな? せっかく見つけたんだ、ここで諦めたくは無いしな……? ならやはり、まずは彼女の家を見つける事が重要だが……この女店主は知っているのだろうか?
「そうなのか……じゃあ、ナナの家とかには遊びに行った事はあるのか?」
俺が怪しまれないように彼女の家をこの女店主が知っているのか聞いてみると
「そうね……遊びに行った事は無いわね? 何……?もしかして、家を知りたいとか思ってるのかしら?」
「いや、そうではないな。仲が良いと思ったから、一緒に行動したりするのか? とちょっと思ってしまっただけだな。それじゃあ俺は用事があるから、行く事にしよう」
そう言って、理由を付けてこの場から離れる事にした。とりあえず……彼女がまだこの国にいると思うし、彼女の家を見つけるまで、この国に滞在しようと思う俺であった。