~第四十二話~魔王の部下、ある町に辿り着く~
はい、今回は魔王の部下サイドの話にしてみました。
いつの間にか、お気に入り登録件数700超えてますね?
ありがとうございます。
次は・・・本編か、勇者君あたりの話にしようかな・・・?とか、思ってますね。
「え~っと……ここは、何所っすかね……?」
そんな事を呟いているのは、魔王の部下となったユーノであった。
ユーノは、魔王に情報を集めて来いと言われたので、情報を集めたのだが……上空を飛び回っていて、気がつくと……ある場所に辿り着いていた。
「とりあえず……情報を集めるには、誰かに会わないといけないっすね? けど……ここ……砂漠っすか?」
そう、ユーノのいる場所は、砂の大地、砂漠だった。ユーノはこの場所に来て考える。
(ここに人……住んでいるっすかね? なんか……いそうにないっすけど……けど、移動すれば町やらが見つかる筈っす)
そんな事を考えて、行動に移す事にした。
そして、数時間後、やっとの思いで、町っぽいのを発見する事に成功した。
「やっと……見つけたっす……それにしても……なんか……凄い暑いっすね……この場所……とりあえず……飛んでたら怪しまれそうっすね……うん」
そう考えた後、ユーノはある事に気がつく。
「あ……背中の羽、どうすればいいっすか……? たぶんと言うか……」
そう呟くと、ユーノに向かって矢が飛んで来たので、ユーノは慌てて回避する。よく見てみると、弓を構えた男がいて、ユーノに向かって
「現れたな化物め! ここに何の用か知らんが、この町には一歩も入らせんぞ!」
そんな事を叫んでいた。
「化物って……あのー……私、一応その化物じゃないのですけど……?」
ユーノは、攻撃してくる男に向かって、そう話しかけてみたのだが……男は
「何を言っている! その黒い羽は悪魔の証だろうが!」
「いや、正確には私、悪魔じゃ無くて、天魔族って言う種族なのですけど……」
「問答無用! 退治してくれるわ!!」
(これは……何を言っても聞く耳もたないっすかね……)
そう思ったユーノは、この攻撃して来る男をどうしようか……考える。見た所、攻撃力がそれほど高くは無いみたいなので、この男に自分があっさりとやられる感じには見えなかった。
「とりあえず……攻撃してくるのでしたら、反撃させて貰いますね」
そう決めたユーノは、反撃する事にした。男の放った矢をあっさりと見切って、避ける。
男は近づいてくるユーノに対して、何本も弓を発射させたが、全く当たる事無く、ユーノの攻撃があっさりと決まって、吹っ飛ばされる。一応手加減はしたつもりなので、この攻撃で死ぬような事は無い筈なので、ユーノは男の行動を観察する事にした。
攻撃を食らった男は、ユーノに向かって
「っぐ、強い……貴様、この町に何しに来たのだ!? 町を破壊しに来たのか……?」
「いえ、違いますよ」
「…………では何しに来たんだ、悪魔め!」
「いや、だから私は悪魔じゃ無いですって、確かに羽生えてますけど」
「……悪魔じゃないだと……? じゃあ何だと言うんだ」
「だからさっきと言いましたでしょ? 天魔族と呼ばれる種族ですよ、天魔族は私みたいに背中に羽が生えていたりするんです」
ユーノがそう言うと、男はユーノに近づいて
「すまなかった! いきなり攻撃して、そのような見た目から怪しい奴と思ってしまって!」
地面に頭をこすり付けながら、謝罪して来たので、ユーノはちょっと驚いてしまった。
「ま……まあ、解ればいいですよ、確かに私の見た目って、ちょっと怪しく見えたりしますしね?」
「そうか……本当にすまなかった……ところで……では、この町に何用で来られたのだ?」
「そうですね……あの……まず、この町は何の町なんですか?」
「この町か? この町は砂の町「サバルク」と呼ばれている町だ、この辺りは砂漠が広がっているしな? で……俺は一応、この町の警備を担当している者だ」
「成る程……サバルク……あのー」
「ん? 何だ?」
「私がこの町に入ってもいいのですかね? ほら、見た目がこんなですし?」
「そうだな……よし、ちょっと待て」
そう言った男が、懐から何か取り出した。
「これを貸してやる。これは通行許可証だ、これがあればこの町の警備兵に呼び止められても、これを出せば見逃してくれるぞ」
「えっと……その通行許可書を借りていいんですかね?」
「ああ、攻撃した謝罪もあるしな……だから貸してやる。この町を出る時に返してくれると助かるが……か、返してくれるよな? そのまま持ち逃げなんかされたら、非常に困るのだが……?」
(何か……すごい必死っすね? まあ……こんな物を持ち逃げしても意味がないっすし……)
「解りました、この町を出る時に、きちんとお返ししますわね」
「ああ、そうしてくれると助かる、では改めて……ようこそ、砂の町「サバルク」へ」
男に見送られながら、ユーノは砂の町「サバルク」に入る事にした。
町の中に入ると、すぐに
「お姉さん、何者?」
「その羽は? すごい真っ黒」
「もしかして、その羽で空とか飛べるのか?」
「さっき見てたけど、お姉さん強いね? 何か武術とか習ってたの?」
ユーノの周りに人が集まって来たので、ユーノは身動きが取れなくなってしまった。
(なんか……凄い注目の的っす……ここで情報を集めるっすけど……有益な情報とか見つかるっすかね……)
ユーノは、人々に囲まれながら、そんな事を思っていたのであった。