~第三十七話~元勇者、招待される~
はい、お久しぶりの執筆です。
いつの間にか、お気に入り登録件数が600件超えてますね。
ありがたい事です。
とりあえず、続きは近いうちに出来たら、書いていると思います。
勇者君から逃亡して次の日。
今日は……私は仕事があるので、外に出かけなくてはならなかった。外に出たら、勇者君と鉢合わせする危険性も出てくるのだけれど……けど、そう簡単には見つからないと思う……いや、そう思わないとやっていられないと思っているし、とりあえず……朝ご飯を用意する事にした。
朝食を作った後、娘のリアネを起こす。リアネは、寝ぼけているのか「お母さ~ん……」とか、言っているのだけれど……うん、やはり可愛い。私の娘は、本当に可愛いと思う。
娘の頭の上には、そこが気に入っているのか、私は猫だと思っているクロが「にゃー」と鳴いた。
前に、渋い声で話したけど……猫だよね? いや……気にしないでおこう……
娘と一緒に朝食を食べて、食べ終わった後、私は出掛ける用意をした。このバイトール王国では、私の髪の色、銀髪が特に目立つので、それを隠す為にフードを深々と被る。
やはり……この髪を染めた方がいいと思うんだけど……染め方はさっぱりと分からない。
まあ……リアネが嫌がると思うし……とりあえずこのままにしとこうかなと。フードを被った後、私は娘のリアネに
「じゃあ、私は出掛けるけど、家の中でお留守番しているのよ?」
「うん……解った、お母さん」
「じゃあ、今日はそれほど遅くはならないと思うけど……仕事が終わったら、真っ直ぐに帰って来るわね?」
リアネにそう言ってから、頭を撫でた後、私は外に出る事にした。家の外に出て、辺りを見渡してみる。
勇者君の姿は……探しても見つけられなかったので、とりあえず……安心する事にして、仕事場へ向かう事にした。国の中を歩いて思う事は、流石にこの格好だとちょっと暑く感じてしまうという事だった。
いつまでもフードを被った状態と言うのもな……何か他に身を隠して移動出来る方法を見つけないといけないのかも知れないな……そんな事を思いながら、移動して、仕事場に辿り着く。
建物の中に入ると、既に同僚のタマコがいたので、挨拶する事にした。
「おはよう、タマコ」
「あ、おはようございます、ナナさん」
「今日は仕事はどれくらいだと思うかしら?」
「そうですねえ……量にもよると思いますが、それほど多くは無いと思いますよ」
「そう……まあ、とりあえず……今日も頑張りましょうか?」
「はい、そうですね」
私達が話していると、上司のバルバさんがやって来た。
「二人ともおはよう、では今日の仕事を言うぞ、今日は肉だけとなっているのでな。ちょっと量は多いが、二人で協力してくれ」
「解りました」
「では、仕事に取り掛かってくれ」
バルバさんがそう言うので、私はタマコと一緒に仕事をする事にした。タマコと一緒に仕事場に辿り着くと、確かにバルバさんの言った通り、結構な量の肉があった。
「結構多いみたいですね……ナナさん、とりあえず……頑張りましょうか?」
「そうね」
タマコにそう言ってから、私達は仕事をする事にした。しかし……肉だけね……一体どれ程あるのか? 気にはなったけど、まあ仕事なので、気にしない事にして、仕事に取り掛かる。
運ばれて来た肉は、確かに量が多かった。一体何の肉なのだろうか? 私の知っている肉なのだろうか……これって? 気になったので、私はタマコに
「タマコ、これって何の肉なのか解るかしら?」
「これですか? そうですね……ホロウドリの肉だと思いますよ?」
ホロウドリ……聞いた事が無いなあ……美味しいのだろうか? このホロウドリの肉は?
「タマコは、食べた事あるの? ホロウドリの肉って」
「あ、はい、ありますよ~お父さんがよく仕入れて来たので、一緒に食べた事がありますね」
「そう……」
まあ……私がこんな事を気にしても仕方が無いので、とりあえず仕事に戻る事にした。
結構な時間が過ぎ、ようやく仕事が片付いた。量が多かったので、ちょっと疲れたけど、今日はリアネに終わったら、真っ直ぐ家に帰ると言ってあるので、家路に戻ろうとすると
「あ、ナナさん、ちょっといいですか?」
「何かしら?」
「今日……私の家に来ませんか? お父さんが珍しい食材を手に入れたと言っていたので、だったらナナさんも誘おうかな……って思ったから、誘ったんです。ナナさん……どうですかね?」
「どうですかって言われても……今日はリアネに真っ直ぐ帰ると言ってあるのよ」
「あ、なら……リアネちゃんと一緒に来ませんか? それなら問題は無いと思いますよ?」
うーん……それなら問題は無いのかも知れない。タマコのお父さんって、ワトリさんの事だし。
ワトリさんが仕入れた珍しい食材……うん、凄い気になる。
まあ……リアネと一緒なら、特に問題は無いと思ったので
「じゃあ、リアネと一緒に行く事で良いかしら?」
「はい、全然大丈夫ですよ? あ、じゃあ私も一緒にナナさんの家に行きますね?」
「解ったわ」
タマコがそう言うので、私は外に出るので、フードを被る事にした。
フードを被った後、上司のバルバさんに仕事が終わった事を報告。報告した後、タマコと一緒に建物の外に出て、自分の家へと戻る事にした。とりあえず……移動中、勇者君がいるのか?って思ったが……勇者君の姿は見かけなかったので、ほっとした。自宅に戻ると、娘のリアネが「お母さん、お帰りなさい~」と言って来たので、私はリアネに
「リアネ、これから出掛けるけど、一緒に行くわよね?」
そう言うと
「出かける……? 一体何所に行くの? お母さん」
「タマコの家よ? タマコがご馳走してくれるって言うからね?」
「そうなんだ」
「ええ、リアネちゃんも招待しようって思ってね? 一緒に来たの」
「リアネは別に問題はないでしょう?」
「……うん、特に問題ないよ? じゃあ一緒に行くね? お母さん」
「ええ」
こうして、私とリアネは、タマコの家へと向かう事になった。
しかし一体どんな家なのだろうか……全く想像がつかないのだけれど……