~第三十四話~元勇者、勇者と出会う~
はい、連載再開です。
本当に時間が取れない中、やっと書けました。
時間が空いた時に、またこの続きを書こうと思います。
評価人数30人突破。ありがとうございます。
バイトール王国で遭遇したユリスに連れられて、私達はユリスの家、バイトールへと教会に行く事になった。バイトール王国の国の中を歩いて、数十分後。教会風の建物に辿り着いたみたいだった。
「お姉様、ここが私の家のバイトール教会ですよ」
「そう……」
そう言われて改めて、そのバイトール教会を見てみる。何と言うか……結構大きな建物で、どのぐらいの広さなのか? ちょっと想像出来なかった。娘のリアネも「この建物、おっきい~」とか言っているしね?
建物の中も結構広いのではないのだろうか……? そんな事をちょっと思ってしまう。
「では、中にご招待致しますね?」
「解ったわ」
ユリスがそう言うので、私達はバイトール教会の中に入る事にした。建物の中に入ると、中が結構広く、お祈りをしている人とかもちらほら見かける。中央の祭壇にいるのが、神父の格好をした男の人がいるので、もしかしたら……この神父がこのバイトール教会の神父なのだと思う。
その神父にユリスが
「お父様、戻りましたわ」
「おお、帰ったか。ん……? そちらは?」
「私のお姉様です」
「はい?」
「だから、私のお姉様になる人ですよ。お父様」
「……あ~ちょっと待っててくれ」
神父がそう言って、私に話し掛けて来た。
「えっと……とりあえず……貴方は?」
「……ナナと言います。まあ……何と言うか、ユリスとはちょっとした知り合いですかね」
「はあ、そうなんですか……で、そちらのお子さんは?」
「私の娘ですが」
「えっと……リアネって言います」
「そうか……ちょっと娘が変な事を言っているんだが、何で貴方が娘のお姉様になるのだ? ちょっとそれが不思議でならんのだが……」
「それは私が聞きたいですよ……なんか……勝手にそう呼ばれてしまいましたから」
「そうか……じゃあ、本当に娘のお姉様になるつもりはないのだな?」
「それは当たり前だと思いますが?」
「まあ、そうだよな……とりあえず……娘の言う事は気にしないでくれ。それと一つ気になるのだが……」
「はい、何でしょうか?」
「何故、貴方はそんなフードを被った姿でいるのだ?」
「えっと……これにはちょっと事情があって……もしかして脱げと?」
「まあ、そんなフードを被っていたら、ちょっと怪しく見えるのでな? 私は気にしないので、そのフードを取った姿を見せてくれはしないだろうか?」
神父がそう言って来る。ここで今、フードを外しても問題は無いのだろうか? まあ……ここは教会の中だし、私に対して悪さを働こうと思う者はいないと思ったので、私は、フードを外す事にした。
フードを外すと、神父が
「驚いたな……君はエルフだったのか」
「違います、エルフでは無いです」
「そうか、それはすまなかった。しかし……見事な銀髪だな。とても綺麗だ」
「でしょう? お父様? だから私のお姉様になって欲しいと思ったんです」
「成る程……ナナさんと言ったか、このバイトール教会にようこそ。とりあえず……ユリスが迷惑をかけたみたいだな? 一言謝っておく。すまない」
「迷惑なんかかけてないですよ、何言ってるんですか? お父様」
「出来ればそのお姉様と言うのをやめて欲しいのだけど……」
「嫌です」
「即答ですか……」
「何かすまない。娘が迷惑をかけてるみたいで、とりあえず……娘の事は放っておいて構わない。それで……この教会に何用でこられたのかな?」
「えっと……ユリスがお礼をしたいって言うから、やって来たんですよ」
「あ、そうですよ? お姉様に渡したい物があって、家へ連れて来たんです。ちょっとそれを持って来ますから、待っててください。お姉様」
ユリスがそう言って、私達から離れて行った。ユリスが離れた後、娘のリアネが
「お母さん? あの人……お母さんの事をお姉様って呼んだりするの?」
「さあ……それは私も詳しく知りたいけど……まあ、聞かない方が良いのかも知れないって事よ?」
「そうなんだ?」
そう話していると、ユリスが戻って来た。
「お待たせしました、お姉様、お姉様にこれを渡しますね?」
そう言ってくれたのが、星型のペンダントだった。
「これは?」
「これは星屑のペンダントって言いまして、結構人気の装飾品なんです。で、お姉様とお揃いの物を持ち歩きたいと思いましたので、お姉様にプレゼントしますね? お姉様……この品をいつも付けてくれませんか?」
ユリスがそう言って来たので、別に断る理由等が無かったので
「まあ、いいわね」
「ありがとうございます、お姉様」
「いいなあ……お母さん……」
リアネが物欲しそうに欲しがっていたので、後でこっそりリアネにプレゼントしてもありかも知れないかな……とか、ちょっとだけそう思ってしまった。
「えっと……特に他の用事は無いのかな?」
神父がそう言って来るので、確かに他にここにいる用事は無かったので
「そうですね、じゃあそろそろここを出ましょうか? リアネ」
「うん」
「え? まだここにいてもいいですよ? もしくは泊まって行ってもいいですし」
「何を勝手に決めてるんだ……普通そう言うのは、私の許可を得てから言うのではないのじゃないか?」
「いいでしょう? お父様」
「ナナさんは、この家に泊まりたいのか?」
「いえ、結構です」
何か泊まったら、身の危険をちょっとだけ感じたから、直ぐに断る事にした。
だって、ユリスの顔を見たら、何か妄想をして、にやけていたし……
「だそうだぞ?」
「……解りました、お姉様がそう言うのでしたら、それでいいですよ……」
「何で落ち込んでいるのか知らないが、まあまた何かあったら、ここに立ち寄ると良いぞ」
「解りました、じゃあ、行きましょうか? リアネ」
「うん、行こう? お母さん」
そう決めた私達は、外に出る事に決めたので、フードを被ろうとすると
「見つけた!」
そんな大きな声が教会内に響き渡った。
その大きな声をあげたのは、私の姿を見て、突撃してくる勇者君の姿で、これは……どうしたら良いのだろうか……? 私は、そう思っているのであった。