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~第三十話~元勇者、お祝いする~

はい、いつの間にかお気に入り登録件数500件突破してますね・・・

ちょっと驚きです。

お気に入り登録してしてくださり、ありがとうございます。

バイトール王国の中央市場で、娘のリアネの誕生日プレゼントを用意して、私は、タマコを連れて、自宅へと戻る事にした。そう言えば……お客を家に招き入れるとか、今まで一度も無かった様な気もするなあ……

まあ、相手はタマコだし、タマコなら、リアネも嫌いにはならないと思う……うん。

国の中を歩き、自宅に辿り着く。家の中に入ると、頭にクロを載せた娘のリアネが出迎えてくれた。


「お帰りなさい、お母さん」


「ただいま、今日はタマコを連れて来たのよ」


「こんにちは~……えっと……」

ん? 何かタマコの様子が変だった。何だろうか?


「リアネちゃんの頭の上に載っているのって、悪夢の黒猫ナイトメア・キャットよね……?」

何だと……? 我が家の猫にそんなカッコイイ名前ついていたのか……


「悪夢の黒猫ナイトメア・キャット? この子はクロだよ?」

リアネがそう言うと、クロが「にゃーん」と鳴いた。とりあえず……私は、タマコに


「タマコ? 悪夢の黒猫ナイトメア・キャットって何なのかしら?」


「悪夢の黒猫ナイトメア・キャットはですね? 闇の一族の仲間で相手に幻覚を見せる魔物の一種なんだけど……えっと……私から見たら、悪夢の黒猫ナイトメア・キャットに見えるんだけど、リアネちゃんがクロって言っているから、クロで問題は無いと言う事なのかな……リアネちゃんに懐いているし」


成る程……闇の一族の末裔ね……じゃあ、やはり前に渋い声で話したのは、事実だったって事なのか?

けど、猫のように鳴いているから、とりあえず……普通の黒猫として見ればよいと言う事にしとこう。

そんな考えをやめて、私はリアネに


「リアネ、プレゼントよ?」

そう言って、リアネにパッチドールを渡す事にした。これを受け取って、リアネは喜んでくれるのかどうか不安だったが


「あ、可愛い~お母さん? ありがとう!」

どうやら、喜んでくれたみたいでほっとした。それにしても、人形を抱える美幼女……これは記録に残したら、売れるんじゃないだろうか? いや、売らないけど。


「あ、じゃあ私からもプレゼントするね? お誕生日おめでとう」

タマコも、リアネに花梨糖をプレゼントした。


「あ、ありがとうございます」

リアネは受け取った花梨糖を見て


「お母さん、これって何?」

そう聞いてきたので、私は


「これは花梨糖って言う甘い甘味物よ? 美味しいからリアネも気に入ると思うわ」

私がそう言うと、リアネが恐る恐る花梨糖を食べ始める。

食べ始めると、美味しかったのか、食べるスピードが早くなって、あっという間に完食してしまった。


「どうだった? リアネ」


「甘くて美味しかった~これなら、毎日でも食べたいかなって思っちゃったよ」


「そう……」


毎日ね……まあ、私も花梨糖は結構好きなので、それでもいいと思ってしまった。それにしても……今日で、リアネも六歳か……六歳になったんだから、リアネに何か学ばせるのもありなのかも知れない。

私が外に出ている間は、リアネはずっと家の中でお留守番していたので、私が外にいる間とか、学校とかで学ばせてあげるのもいいのかも知れないけど……私がそう悩んでいると


「ナナさん? 何か考え事ですか?」

タマコがそう聞いて来たので、私はタマコに相談する事にした。


「タマコ? リアネを学校とかに行かせるのってどうなのかしら?」


「そうですね……リアネちゃんも六歳になりましたし、それもいいのかも知れませんね……ちなみにですけど、ナナさん? この国の学校って知っているのですか?」


「いえ、よくは知らないわ」


「じゃあ、私が教えてあげますね? このバイトール王国には、バイトール学院とバイトール魔闘学園の二種類の学校が存在しているんです、バイトール学院は主に経済や、学術などを教える所で、バイトール魔闘学園は、武術と魔術を教える学校となってますね、自分の子供を剣士や魔術師にしたいのでしたら、バイトール魔闘学園に行かせて、それ以外でしたらバイトール学院に行かせるという事になっているって感じですね」


成る程……つまり、戦闘向きなのがバイトール魔闘学園で、それ以外だったら バイトール学院に行かせるという事なのか……


「でも、それは親の自由ですから、別に強制ではないという事ですよ? 必ずどっちかの学校に行くようにとは言われてはいませんしね」


「そう……」


そう言われて考える。私としては、このまま家にお留守番させるより、誰かと一緒の方が安心出来るのかも知れない。けど、預けるのにも信用出来る人じゃないと、とても心配だしな……あと、リアネは学校に行きたいのかも謎だし……まあ、これはリアネの意思を尊重する事にしよう。リアネが行きたくないと言ったら、無理に行かせる必要も無いしね……


「とりあえずこんな所ですね、あ、そろそろ遅くなるので、私は帰りますね? それじゃあ」

そう言って、タマコが帰って行った。タマコが帰った後、リアネが


「お母さん、学校って何?」

そう聞いてきたので


「学校は、お友達と勉強する所かしらね? リアネは行きたいの?」


「お友達と……えっと……ちょっとよく解らないかな」


「そう……まあいいわ、そう言えばまだ言っていなかったわね? リアネ、お誕生日、おめでとう」


「あ……うん、お母さん、ありがとう」


うん、まあ……リアネの笑顔が見れただけで良しとするかな?あのまま捕まっていたら、リアネが悲しむと思うし……とりあえず……今後は、リアネを心配させないように行動しよう……そう決めたのであった。

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