~第二十三話~勇者、演奏会に参加する~
はい、今回は勇者君の話にしてみました。
次はどうしようか~って感じですね。はい。
俺がこの国、バイトール王国に滞在して、数日が経過した。
しかし……俺の捜し求めている女性が未だに見つからないのだが……本当にこの国にいるのだろうか? 名前は、ナナと名乗っているらしいし。根気よく探せば見つかるかも知れないと思ったので、バイトール王国に滞在していた。
で、俺はこの国のお祭り、建国祭へと招待された。バイトール王国の城、別名、赤城の城とか呼ばれているらしいが、確かに城壁が赤色に染まっている。うむ、なかなか綺麗だとは思う。この城を建設するのに、一体どれだけの時間とお金がかかったのだろうか……まあ、考えても意味がないので、この国の大臣に案内されて、城の中に入る事になった。セレンディア王国とは違い、中は結構広いな……いや、他の城と比べても意味が無いな……と思いながら、王様に会った。衣装のせいなのか、優雅に見えるこのおっさんが王様なのだろう。じゃあ、隣にいるのが王妃様か? 王様が俺に
「そなたが、魔王を倒した者、勇者殿で間違いはないかの?」
そう聞いてきたので、俺は
「はい、そうです、確かに魔王と呼ばれる存在を倒しました」
「そうか……では、勇者としての役割を終えたのだろう? 何故この国にいるのだ?」
「それは……探している人がこの国にいるらしいので、この国に滞在しているのです」
「ほう……その探している者とは誰かの?」
王様が聞いてきたので、俺はこの王様に事情を話す事にした。
「銀髪の女性で、ナナと申す者か……ふむ」
「銀髪ねえ……確かに、この国では目立つと思うわね……」
「ところで聞くが……何故探しているのだ?」
「はっきり言うと一目惚れです、一緒になりたいと思いましたから、探しているので」
俺がそう言うと、王妃様が「あら、素敵ね~」とか言っていた。
「ふむ、解った、せっかくこの国に来たのだ、勇者殿が探している人物を見かけたら、勇者殿にお知らせするとしよう、で……勇者殿、明日は我が国の建国祭となっている。是非、参加してくれはしないだろうか?」
王様にそう言われたので、俺の探している人の事を手伝ってくれるみたいだし、ここは恩返しの意味もこめて
「では、参加させて頂きます」
そう言うと
「そうか……ありがとう、では……部屋を用意するから、ゆっくりと休んでくれたまえ、それとも他に泊まる場所はあるのか?」
そう聞かれたので、泊まる場所は特に決めてなかったので、その御好意に甘えさせて貰う事にした。
で、泊まった部屋と言うのは、結構良い部屋で、俺なんかが使ってもよかったのか?って思ったが、せっかく用意してくれたのだし、文句を言ってはいけないよな……と思い、その部屋に泊まる事にしたのだった。
次の日
俺は、この国の中央広場に招待された。そこには、ステージが設置されていて、俺もステージ上に案内して貰い、最初に、この国の王様が演説を始めた。
「今日と言う日を迎えられて嬉しく感じる。このバイトール王国の建国祭、存分に楽しんでくれ、色々な催しを開いているので、気になったら向かう事をお勧めするぞ」
そう言っていた。色々な催しね……一体何の催しなんだろうな? そんな事を思っていると、王様が
「あと、今日はお祝いに勇者殿がこの国にやって来ているのだ、勇者殿、何か一言を頼む」
そう言って来た。いや……一言と言われてもな? 何を話せばいいのだって思ってしまうんだが……
とりあえず、何か話さなくては駄目って言う雰囲気になってしまったので、俺はとりあえず
「堅苦しい事は言わないが、まずおめでとう、それと俺はこの国で探し者をしている。俺に協力してくれると助かる」
そう言ってやった。しかし……ステージ上から見渡すと、色々な人がいるな? この中に俺の探している人はいるのだろうか? 確か……前に見かけた時、フードを被っていたのを思い出す。
フードを被っている者がいるかどうか、観察してみると、数名発見した。
一人は、青色のフードを被っているが、まず見た目が彼女ではありえないと思う。
何故なら、体が筋肉質で、体系的にどう見ても男に見えるので、あのフードの者はまず違うとして、他のは、同じ色のフードを被っているので、見分けがほとんどつかなかったけど、奥の方にちょっと変わった者を発見した。
フードを被っている者の隣に小さな黒髪の女の子がいて、その子が話しかけている風に見える。
黒髪の少女か……あまり見かけない色だが、あれは親子か? だとすると……あのフードを被っている者の髪の色も黒かも知れないな……そんな事を思っていると、いつの間にか、いなくなっていた。
俺が探している女性かも知れなかったが、まあ……またこの国にいたら、会うかも知れないな……と思っていると、国王が
「勇者殿、せっかくこの国に来たのだから、演奏会に参加してみてはいかがかな?」
そう言って来た。演奏会ね……俺は楽器を演奏する事は出来ないと言うと、なら歌だけでも良いと言っていたので、まあ……せっかくこの国に来たんだし、俺の作ったオリジナルの歌を披露するのもありか……と思ったので、引き受ける事にした。
ちなみに一緒に出演する事になったのは、幻想の歌姫とか言う女だったけど、俺は興味が無かった。
でもこの女、俺に「あなたが勇者殿なんですね……か、かっこいい……き、決めました! 私、貴方の為に一生懸命歌わせて貰いますね!」と、顔を赤らめて言って来た。なんだろうか……この状態。あの魔法使いの女の子を想像するのだが……でも俺は、好きな人は彼女だって決めているので、彼女が俺にどんな感情を抱いていたとしても、無視する事にして、俺は、この国の演奏会に参加する事にしたのであった。
しかし……本当に見つからないな……彼女……