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~第二十二話~元勇者、演奏会を鑑賞する~

はい、今日は執筆できましたと。

次は誰の話にするか?迷うってかんじですね。うん。

市場で餡ドーナツを購入した後、私達はエルさんのお店に行く事にした。

国の中を歩いていて思うのは、人が多いと感じる。今日は、建国祭と呼ばれるイベントの日なので、いつもより人が多いのかな……と、納得する事にした。国の中を移動して数分後、エルさんがやっているお店に辿り着く。エルさんは、私達がやって来たのを確認すると


「あ、いらっしゃい、ナナさん」

そう言って来たので、私は


「とりあえず……やって来ましたけど、今日は何かお勧めってありますかね?」

私がそう言うと


「そうね……あ、じゃあ、これはどうかしら、ちょっと待ってね?」

エルさんがそう言って、取り出したのは器に入った白っぽい粉だった。


「これは、南の国から取り寄せたのだけど、白砂という物よ、取り寄せたのはいいんだけど、どう使うか判らないのよね……ナナさんなら、判るかしら?」


「白砂ですか……」


エルさんにそう言われて、器に入った白砂を見てみる。

なんというか……凄く甘い匂いがする。これってもしかして……私は、その白砂を手につけて、舐めて見る。

舐めてみて判った事。これって調味料の砂糖そっくりというか、同じだった。

私はエルさんに


「これは甘い味付けがされてますので、料理に混ぜると、美味しくなると思いますよ」

そう言うと


「そう? 料理の味付けに使用ね……良い事を聞いたわ、ありがとう、ナナさん」


「それで……エルさんは、その白砂をいくらで売るつもりなんですか?」


「そうねえ……大体10銅貨ぐらいかしら。このぐらいだったら売れると私は思うけど、ナナさんはどう思う?」


「多分売れると思いますよ」


「そう? ならその値段で売ってみるわ、あ、せっかく教えてくれたお礼に一つ差し上げるわね?」


「いいんですか?」


「ええ、いいわよ」

エルさんがそう言うので、ありがたく頂戴する事にした。貰った白砂を、魔法鞄を出現させて、その中に仕舞う。うん、これで……料理に色々と使えそうな品が手に入ったので、何に使うか? ちょっと楽しみになった。仕舞った後、私はリアネに


「リアネ? これから何所か行きたい場所はあるかしら?」

そう聞いてみると、リアネはちょっと考えてから


「じゃあ……お城が見てみたいかも」


「お城ね、解ったわ、じゃあエルさん、私達はこれで」


「了解、またね?」


エルさんに別れを告げてから、私達はお城の方角へと移動する事にした。

国の中を歩いて、この国のお城、バイトール城に辿り着く。城の前に、見張りがいるので、中には入れないみたいだったけど、改めてみると、結構大きかった。ちなみに、ここの城の城壁の色が、真っ赤に染まっているので、この国に来た時に国の人に教えてもらったのだが、別名、赤城の城とか呼ばれているみたいである。そう言えば……リアネにここの城は紹介してなかったなあ……と、思っていると


「お母さん、お城って大きいんだね?」

そう言っていたので、私は


「ええ、そうね。リアネ、このお城は別名、赤城の城って呼ばれているのよ」


「へえ~そうなんだ」

私達が話していると


「このバイトール城に何か用事が?」

話しかけて来たのは、見張りの兵隊だった。


「いえ、娘がここの城を見てみたいと言ったので、見学に来たんです」


「そうか……しかし……何故貴方はフードを被ったままなのだ?」

そう聞かれてしまって、どう答えようか迷ったが、私は


「私の趣味ですが、何か?」

そう言うと


「そ、そうか……ちょっと怪しいと思ってしまったが、すまない。見た目で怪しいと思ってしまってはだめだよな。やはり」


「いえ……ではお仕事頑張って下さいね? じゃあ、行きましょうか。リアネ」


「うん」

そう言って私達は、移動する事にした。後の予定は、夜に演奏会がやると言っていたので、夜まで時間を潰す事にした。リアネが「お腹すいたかな……」と言っていたので、夜になる前に、出店で食品を購入して、一緒に食べる。焼いた肉を挟んだパンを購入してみたけど、味付けがよく、結構美味しかった。

そして……時間が過ぎ、夜の時刻となった。私達は、中央広場のステージに移動すると、そこにいたのは

タマコと父親のワトリさん、そして上司のバルバさんがいた。


「あ、ナナさん~こっちですよ~」

タマコがそう言うので、私達はタマコの側に行く。私達がたどり着くと、バルバさんが


「ナナ、大丈夫だったか?」

そう言われた。はて? 何の事だろう?


「あの……大丈夫って何ですかね?」


「いや、まだこの国に勇者殿が滞在しているからな、勇者殿に声をかけられなかったのかと思ってな」


そう言う事か、確かにオ-プニングセレモニーで、勇者君がいたし


「いえ、大丈夫です、あの……勇者君が探しているのって」


「ああ、ナナの事だと思うぞ。ナナは勇者殿に会いたくはないのだろう?」


「はい、出来れば会いたくはありませんね」


「そうか……では、私からは勇者殿に会っても、ナナの事を隠すつもりでいる事にしよう、ワトリ、お前はどうする?」


「バルバがそう言うなら、俺がとやかく言う事ではないな。ナナさんが勇者殿に会いたくないといっているのなら、俺も勇者殿に会っても、知らないと言っておくぞ、タマコもそれでいいよな?」


「お父さんがそう言うなら、私も黙ってますね」


「えっと、ありがとうございます」


「いえいえ~あ、そろそろ演奏会が始まるみたいですよ?」


タマコがそう言うので、私達はステージの方を見る事にした。

時間になって、演奏会が始まった。司会者が出て来て、楽器が紹介されて、演奏会が始まる。

最初に出て来たのは、幻想の歌姫と呼ばれている女性だった。その歌姫が歌いだし、音楽が流れる。

改めて聞いてみると、良い歌で、結構好感が持てた。

その幻想の歌姫が歌い終わると、拍手喝采が巻き起こる。

次に出てきたのは、何故かあの勇者君だった。勇者君が何でステージの上で歌ってるんだ?って疑問に思ってしまっていると、勇者君が「では、ある女性に捧げる愛の歌を歌います」とか言っていた。

ある女性って誰の事だろうか? なんだか嫌な予感がするのは気のせいか? ちなみに勇者君の歌は、恥ずかしさ満載の歌詞だった。よく歌えるなと。私だったら歌ってって言われても歌いたくないぞって思ってしまった。勇者君が歌が終わって、演奏会が終了した。

終わった後、リアネが


「あの男の人、ある女性に捧げる歌って、一体誰の事を言っていたんだろうね? お母さん」

そう言われて、私は


「さ、さあ……誰だろうね……」

そう答える事しか出来なかったのであった。

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