~第二十話~元勇者、建国祭に参加する~
はい、今日は執筆しました。
総合評価1000超えました。
ありがとうございます。
今日はイベントの日、そのイベントと言うのは、私達が暮らしている国。バイトール王国のお祭り。建国祭と言われているお祭りだった。今日はせっかくのイベントの日なので、外に出かける事にした。
勿論、見た目を隠す為にフードを被り、私と私の娘のリアネと一緒に、この建国祭に参加しようと思ったので、私はリアネと一緒に外に出る。ちなみにリアネの頭の上には、猫のクロがにゃーとのんきに鳴いていた。
「お母さん? 今日は建国祭って言うお祭りなんだよね?」
「ええ、そうよ? とりあえず……中央広場に行って見ましょうか? 何かあるかも知れないしね?」
「うん」
私はリアネと手を繋いで、国の中心部の中央広場へと向かう事にした。
国の中は、お祭りというだけあって、色んな人種がいる。出店も結構出店してあって、色々な品物が売っているのを見かけたので、欲しいのがあれば後でよるかな……とか、そう思いながら、国の中を歩く。数分後、中央広場にたどり着くと、沢山の人々が集まっていて、何か演説らしき物が始まろうとしていた。
ステージが用意されていて、そこにいるのは、年老いた身なりの良い男がいる。その男が
「今日と言う日を迎えられて嬉しく感じる。このバイトール王国の建国祭、存分に楽しんでくれ、色々な催しを開いているので、気になったら向かう事をお勧めするぞ」
そう言うと、国の住人が 「国王様~」と言っていたので、じゃあ……あの男が、このバイトール王国の国王だと言う事が解った。じゃあ隣にいるのは、その王妃様かな? あの王妃様、こちらに向けて、やさしく微笑んでいるので、優しい人なのかも知れない。
「あと、今日はお祝いに勇者殿がこの国にやって来ているのだ、勇者殿、何か一言を頼む」
国王がそう言うと、そう言われてステージに現れたのは、あの勇者君だった。
……何でまだこの国にいるのだろうか? やっぱり……私の事をまだ諦めてないのか? そんな事を思っていると、その勇者君が
「堅苦しい事は言わないが、まずおめでとう、それと俺はこの国で探し者をしている。俺に協力してくれると助かる」
そう言っていた。その言葉を聴いて、リアネが
「お母さん? あの人って何を探しているんだろうね? お母さんは知ってる?」
「……いえ、知らないわ、それより他の所へ行きましょうか? リアネは何所か行きたい所はあるかしら?」
「えっと……じゃあ、お店がいっぱいある所に行きたいかな?」
「解ったわ、じゃあそちらに行きましょう」
とりあえず私は、勇者君に見つからないようにして、その場から離れる事にした。中央広場から出て、市場の方へと向かう。ここは、私が良く買い物をする場所で、今日は建国祭だからか、いつもよりにぎやかになっていた。私はリアネに
「リアネ? 何か欲しい物はある?」
そう聞くと
「えっと……じゃあ、甘い物がいい」
「甘い物ね……じゃあ、探してみましょうか?」
「うん」
リアネにそう言って、甘い物を探す。この世界では、甘味は結構な値段がするが、リアネの為なので、ここは奮発する事にした。市場の中をうろついていると
「あ、ナナさんにリアネちゃん、こんにちは」
そう話しかけて来たのは、同僚のタマコだった。手に串焼きを持っているので、ここで買ったと思われる。
「あ、タマコ、今日はここで買い物?」
「ええ、そうですよ~今日は建国祭ですし、いつもより値段がちょっと安いんですよ、それに珍しい物も売りに出されてますしね。ナナさんは今日は何を購入するつもりだったんです?」
「私は、リアネが甘い物を欲しいって言っているから、甘い物かしらね……タマコ、甘い物って何所かで見かけなかった?」
「あ、じゃあさっき見かけたので、そのお店にご案内しましょうか?」
「そうしてくれると助かるわ、リアネもそれでいいわよね?」
「うん」
「じゃあ、こっちですよ~」
タマコにそう言われて、一緒について行く事にした。数分後、そのお店にたどり着く。
そのお店で売られていたのはというと
「じゃじゃーん、このお店で売っているのは、餡ドーナツと呼ばれる品ですね、アズの実をすり潰して、パンに混ぜて揚げた物らしいですよ? 私もさっき食べましたが、結構おいしかったですよぅ~」
餡ドーナツ……確かに見た目は結構美味しそうだったので、私はリアネに
「リアネ? これでいいかしら?」
「うん、ちょっとおいしそうかも?」
「解ったわ、じゃあすいません、これください」
そう言って店員に餡ドーナツを注文する。ちなみに値段が5個で銅貨10枚だった。
確かに一個銅貨2枚と考えると、かなり安い設定にしてあると思う。アズの実が高級品なので、これは売れるんじゃないかな……とか、思ってしまった。店員から餡ドーナツを受けとって、リアネと一緒に食べる。
……うん、味付けに関しては結構甘く、結構美味しかった。リアネも「美味しい~」と言っているので、これは買って良かったかな……って思う。餡ドーナツを食べ終わった後、私はタマコに
「タマコ、貴女はこれからどうするの?」
そう聞くと
「そうですね? とりあえず……お父さんが何所にいるか探す事にします、たぶん王城付近にいるかなって思いますので、ナナさん達はどうするんですか?」
「そうね……特に見たいのはないのだけど……とりあえず……エルさんのお店に行って見る事にするわ、エルさんがやって来たら、サービスするからって言ってたしね」
「そうですか、解りました、では、ここでさよならですね? あ、それとナナさん? 夜に演奏会があるみたいですよ? 中央広場のステージで、ナナさんは見に行きます?」
「演奏会ねえ……リアネ? 演奏会は見たいかしら?」
「演奏会……うん、ちょっと気になるから見てみたいかな?」
「そう……じゃあ、タマコ。 私達も演奏会、見に行く事にするわ」
「了解です、じゃあ、空いている席がありましたら私がとっておきますね? 私も見に行きますので、見つけたら声かけてくださいね? では~」
そう言ってタマコが離れていったので、私達はエルさんのお店に行く事にしたのであった。
それにしても演奏会ね……一体どんな楽器を使って、演奏するのか? ちょっと楽しみでもあったのであった。