~第十七話~元勇者、購入する~
はい、今日も執筆しました。
一話書く時、目安は10話ですねって書きましたけど
今回は目安・・・30話あたりですかね?
あと、お気に入り登録増えていて、感謝しております。
呟き、もしこの物語にイラストつけるとしたら、どんな風になるのだろうか・・・と。
ちょっと自分で書いてみようかな?いや、それか誰かに頼んでみるか・・・とか、まあちょっとした呟きです。
バルバさんから魔法鞄を貰った後、私は仕事に専念する。
今日、馬車で運ばれたのは、魚だった。馬車の中を確認してみると、見た事ある魚と見た事もない魚が水槽に入れられている。
……これで良く、移動中、水槽の水がこぼれなかったなあ……と、ちょっと感心した。
それにしてもこの魚、一体何所から来たのか? 気になったので、バルバさんに聞いてみると、港町のオーブルと呼ばれる町から、運ばれて来たと言う事を教えられた。
港町オーブル……私が男だった時に行った町だったかな……と、思い出そうとしたけど、もうこの体になって5年以上経過しちゃっているので、記憶がちょっと曖昧だった。
バルバさんが言うには「観賞用に飼育される魚と食用として使われる魚がいる」と言う事。食用ね……私の知っている魚はほとんど食用の魚なんだけど、じゃあ観賞用の魚と言うのは、どれだろう。見た事の無い魚が、鑑賞用なのだろうか? そう思っていると、バルバが
「ナナ、この水槽に食用、で、こっちの水槽に観賞用の魚を入れてくれないか?」
そんな事を言われてしまった。そう言われても……どれが観賞用の魚なのか?全く解らなかったので、私はバルバさんに
「バルバさん、鑑賞用の魚が解らないのですけど?」
「……そうか?じゃあ、食用の魚は解るのか?」
「えっと……この中に積まれている魚で食用でしたら、見た事ありますので、それは大体解ります」
「そうか……じゃあ、鑑賞用の魚を教えるぞ? まずこの金色をしている魚が、ゴールデンフィッシュ、別名金魚と呼ばれている魚だ、鑑賞魚としてはちょっと値が張るな。主に貴族やらが趣味で飼育しているという感じだ」
金魚……私が思いだすのは、赤い色をした金魚なのだけど……そう言えば……男だった頃、金魚掬いで取り捲ったなあ……まあ、捕ったのはいいけど、その場で放出したっけ……そんな事を思い出したが、まあここでは関係無いので、この考えをやめる事にした。
「では、この金魚をこちらの水槽に写せばいいんですね?」
「ああ、頼む、道具はこれを使ってくれ」
そう言って、バルバさんが何所からか網を取り出した。こんな長い物何所に持ってたんだ……って、気になったけど、深く考えない事にして、その網を使って、金魚を指定された水槽に入れ替える。
金魚は3匹いて、全ての金魚を移し変える事に成功した。
「金魚の水槽はこれでOKだな、では次の水槽には、あの赤い魚、ブロージョンフィッシュを入れてくれ」
「ブロージョンフィッシュですか?」
「別名爆発魚と呼ばれているが、これはこの魚が怒ると、体内から魔力を放出して、自爆するんだ。その
威力は人の手足を軽く吹き飛ばす程度だな。主に暗殺用とか使われている魚だ」
……暗殺用、凄い物騒な魚だと言う事が解った。けど、魚だから陸上で使えるのだろうか? まあ……護身用には使えるのかも知れない……
「では、このブロージョンフィッシュは、こちらの水槽に入れてくれ」
「はい、解りました」
バルバさんにそう言われたので、私は言われたとおりにする。網で掬うと、爆発魚が膨らんできたので、これは爆発する兆候かも知れないと思ったから、素早く別の水槽に入れると、膨らみが収まった。
どうやら……爆発は防げたみたいなので、安心した。
「よし、あとは食用の魚だけだから、食用はこちらの水槽に入れてくれ、終わったら連絡してくれ、では私は行くな?」
そう言ってバルバさんがいなくなったので、私は言われた通りに、食用の魚を入れ替える作業をする事にした。ある程度時間が経過して、仕事が終了したので、バルバに報告する事にした。
バルバさんに仕事が終わった事を報告すると
「今日はお疲れ様、明日は……お、そうだった、明日はあれじゃないか」
「明日ですか? えっと……確か……」
「ああ、明日はこのバイトール王国のお祭り、建国祭となっているな? 建国祭だから人が沢山集まると思うぞ? ナナは一体どうするのだ?」
「そうですね……私はリアネがいますし、今年はどうしようかと」
バルバさんに言われて考える。今年は娘のリアネも5歳になった事だし、娘と一緒にこのバイトール王国の建国祭を楽しむのもありかも知れないと思ったので、私はバルバに
「明日は、リアネと建国祭を楽しみにしますね」
「そうか……解った、私もタマコも建国祭を見て回っていると思う。見かけたら声をかけてくれ。良い物を見つけたら紹介しようと思うしな? で……明日は建国祭だから、明日のお仕事は無しにするな?」
「解りました」
「じゃあ、ナナ、今日の仕事は終了だ、お疲れ様」
「お疲れ様です」
バルバさんにそう言った後、私は建物の外に出るので、フードを被る。
バイトール王国は、明日の建国祭の準備の為か、簡易出店の組み立てをしている者達をちらちらと見かけるようになった。
とりあえず……食材を購入してから家に戻ろうか……と思ったので、食品が売られている中央市場へと行く。
国の中を数分歩いて、中央市場に辿り着いた。
私は、そこで商売している女性に
「すいません、今日のお勧めありますか?」
そう聞くと、女性は
「あ、ナナさん、今日も買いに来たんだね? 今日はそうねえ……これかな?」
そう言ってお勧めの品を紹介してくれたので、私はそれを購入する事にした。ちなみにこの人の名前は、エルさん。このバイトール王国で長年商売をしている女性で、私がフードを被ったまま来ても、怪しまずに食品を売ってくれた優しい女性だと言う事を私はわかっている。あと、私の事情を少し話したら、同情してくれて味方になってくれそうな人でもあった。
「はい、これはおまけね? リアネちゃんにプレゼントにしといてね?」
「ありがとうございます、でも……いいんですか? エルさん」
「いいわよ、特に困る事もないしね? はい、全部で銅貨10枚になるよ」
そう言われて私は、お金を支払う。ちなみにこの店の価格設定はかなり安めに設定してあるので、一度儲からないんじゃないですか?って聞いたら「別に稼ぐ為に商売している訳じゃないしね?一応私はお金持ちなのよ? 過去に色々やったしね?今は商売をして人と触れ合うのが楽しいから、この値段にしているのよ」と言っていた。やっぱり……優しい人だと思う。うん。
食材を購入したので、私は早速、その購入した食材を魔法鞄に入れる事にした。
やり方はバルバさんから教わったので、その方法で魔法鞄を取り出してみる。
魔法鞄を出現させた後、早速購入した食品をその中に入れる事にした。
入れた後に魔法鞄の中を覗いてみると、真っ暗闇が広がっているだけで、買った食品が全く見えなかった。これ、どうやって取り出すんだろ?と思っていると、機械音声的な声が頭の中で響いた。
「アイテム収納完了。私は魔法鞄を管理する者、取り出す時は所有者が取り出したい物を念じてください」
そう聞こえてきたので、私は「食材」と念じてみると
「キーワード確認「食材」を転送します」
そう聞こえた後、さっき買った食材が鞄から出てきた。
どうやら……この魔法鞄に何かいれると、声が聞こえてきて、取り出す時は念じると取り出せると言う事が解ったので、私は再び買った食材を魔法鞄の中に入れる。
「アイテム収納完了」
今度はそれだけ聞こえて来た、どうやら……二回目は同じ台詞ではないみたいだった。
魔法鞄に食材を入れた後、私は魔法鞄を縮小させて、手の中に入れる。
うん、やはり……この品はかなり便利だと思う。
魔法鞄を縮小させた後、エルさんが
「あ、そう言えば……明日は建国祭だけど、ナナさんはどうするの?」
「えっと……娘のリアネと一緒に回ろうかと」
「そう、じゃあ私の店に来たら、色々とサービスするわね? 他に何かいる物はあるかしら?」
「いえ、特には」
「解ったわ、それじゃあ、またね?」
「はい」
エルさんにそういった後、私は自分の家へと戻る事にした。
明日の建国祭か……今年はどんな催しなのか? ちょっとだけ楽しみでもあったのあった。