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~第十話~元勇者、旅立つ~

今日二本目

とりあえず目安の10話達成しました。

しかし……何気にアクセス数チェックしてますけど、

PV数が5000人って……ちょっとびっくりですよ。

いつのまにか、評価も300ポイント超えてますし。

回覧して下さってありがとうございます。

エルフの女の子、エリンを家に入れてから次の日の朝。

今日は、バルバが護衛をつれて来ると行っていたので、一体誰なんだと思いながら、まず、隣にいるリアネを起こす。寝ぼけて「うにゅう~」とか言っているのだが……うむ、やはり可愛いなあ……

この姿を男になんか見せたくは無い。というかリアネが大人になって、結婚を申し込んで来る野郎がいたら、殴り飛ばしてやる……とか、そう思っている。

リアネを優しく起こした後、今日はもう一人いるので、その様子を探ってみる。

エリンは、まだ寝ていたので、揺さぶりながら起こすと

寝ぼけてたのか「ママ……」とか言いながら、抱きついてきたと。

……うん、何だろう。何となくこの子のママでもありかも知れない。いや、それは駄目なんだろうけど。

とりあえず……離してくれないと動けなかったので、エリンに離れるように言ってから、二人分の朝食を作る。買い置きがあったので、今日はちょっと豪勢に甘味にしてみる事にした。

この世界にやって来て解ったのだが、この世界は甘味が非常に少ない。

しかも、何故か高級品となっているのが、アズの実と呼ばれている物で、そのアズの実。

一個で、金貨1枚程度に成る程なのである。で、このアズの実。味はもろ私がいた世界にあった甘味、小豆にそっくりというか、同じだった。 まあサイズが大きくて、ボール程度の大きさだしなあ……なんで、この世界は小豆がすげー高いんだ……と、疑問に思ったりもしたが、そう考えてもそれがこの世界で一般常識として認識されてしまっているので、しょうがなかった。

ちなみに一番安い食材が銅貨で買えます。

つまり……甘い物は何故か高いというのが、ここではそうなのだろう。うん。

で、私はそのアズの実を所持しているというか、大量にお金があった時にストックしといたので、アズの実を捌いてパンに染み込ませる。

これで、この世界でのアズパンになるんだが。まあ……アズの実は、すり潰すと餡になるんで、アンパンの代わりと言ってもいいと思う。朝食が出来たので、三人で食べる事にした。

二人とも、アズパンが気に入ったらしく、おかわりを要求してきたので、お腹いっぱいになるまで食べさせる。食べ終わった後、旅の支度をする為、私はフードを被る。

外に旅に出るのだから、必要な物はあるよな……と、考えて、私でも扱えそうな武器、小型のナイフ、携帯用の食料、水等などを準備する事にした。

娘のリアネも外行きの服装に着替えさせる。出発準備が出来たので、家の中で待っていると、扉をノックする音がして、バルバさんともう一人やって来た。


「待たせたな? では、護衛をつれて来たぞ、ほら、挨拶しろ」

バルバさんがそう言うと


「俺が君達を護衛する事になった、ワトリだ、よろしくな」


そう言ったのは、頭に猫耳が生えていて、体格が良く、顔に十字傷がある大男だった。

猫耳が生えているから、獣人なのだと思う。背中に戦斧と槍を装備していて、腰にサーベルと杖を装備してるけど……いや、突っ込んだら負けか? これ? 武器は一つで十分だろ……って思うのだが? まあ、まだ自己紹介もまだだったので


「えっと、私がナナで、こちらが娘のリアネ、で、護衛対象のエリンです。えっとワトリさんでいいんですかね?」


「ああ、気軽にワトリでいいぞ? 宜しく」


そう言って握手を求められたので、握手する。手のサイズも大きく、握られた手がちょっと痛かった。


「でな? このワトリは、獣人の中でも結構強いからな? 護衛としては役立つと思うぞ」


「ああ、俺も自分の強さはわかっているつもりだしな? それに……娘と仲良くしてくれてるみたいだしな。 感謝する」


「娘?」


「ああ、俺の娘はタマコだ、ナナさんはタマコの同僚なのだろう? タマコから良く聞かされていたしな?」


娘があのタマコ……タマコの顔を思い出すけど、このワトリと全然似ていない。

同じなのは、猫耳と言う事だけだった。


「あ、じゃあ……タマコから聞いたのですが、ヒーリングキャットって言う種族なんですか?」


「ああ、そうだな? ヒーリングキャットは、回復術が扱える種族なんだが、俺は回復術はあまり使えん。武力を極める事にしていたからな? その代わり、剣術、槍術、魔術、格闘術を覚えたのだ」


「そうですか……」


なんか凄いなこの人、体格もそうだし、これは護衛としてはいいかもしれない。


「じゃあ、私の用事はこれで終了だな? ナナ、この子を送り届けたら、戻ってくるのだろう?」


「それはそうですよ、この国に私の家がありますし」


「そうか……」


「あの……何か?」


「いや、無事に戻って来たら話すとしよう。それでは私は行くな?」


そう言って、バルバが離れる。バルバさんが離れた後


「それでは、早速出発しようではないか? 準備は整っているか?」


「はい、出来てます、リアネも問題は無いわよね?」


「う、うん、ないよ?」


「エリンは?」


「…………出来てる」


なんか、エリンが私の手を掴みながら言って来た。

それを見たからか、リアネも繋がってない手を握ってくる。両手に女の子……うん、いいかも知れない。


「……何か微笑ましいな? それよりナナさん、バルバから事情を聞いてるのだが……そのフードは被ったまま行くのか?」


「えっと……そのつもりですが」


「成る程……しかしそれでは前が見づらいのではないか? 確かに……この国では銀髪はとても目立つのだろう。 だが……俺がナナさんに危害を加える輩から守るから、そのフードを外してくれはしないだろうか?」


ワトリさんにそう言われて、ちょっと考える。確かにフードを被ったままだと、上をうまく向けないので、空の状態とかあんまり解らなかった。ワトリが守ってくれるのだったら、フードを外してもいいかも知れない。そう思った私は、フードを脱いで


「これでいいですか? ワトリさん」


「……あ、ああ、しかし……タマコが「ナナさんってすっごい綺麗なんですよ~」って言っていたが、これは納得だな。よし、俺がナナさんにちょっかいかけてくる輩からしっかりとガードするから、宜しくな?」


「……はい、宜しくお願いします、それじゃあ行きましょうか?」


「ああ」

こうして私達は、エルフの里へと行く事にしたのであった。

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