3話:告白
それから1ヶ月たったある日・・・
学校のグラウンドでは梅の花が咲き始めている。
「白鳥、部活はどうだ。」
監督が聞いてきた。
「はい、だいぶん慣れました。」
「今度練習試合があるんだが、お前と新藤は先発で行うと思っている。」
「マ、マジっすか」
俺は嬉しすぎて声が裏返ってしまった。
「で、どうだ?」
「もちろんです。 練習試合っていつあるんですか?」
俺が聞くと監督がどこからか手帳を出してスケジュールを確認した。
「今度の土曜だ。」
「分かりました。」
そして家に帰ってこの事を話した。
「本当?良かったじゃない」
と言ってきつそうに咳をした。
「母さん大丈夫?病院行った方がいいんじゃない?」
「そうね、今度行こうかしら」
あっそうだ、綾にも言おう。
ここ最近、綾の事が頭の中から離れず思う度、胸がズキズキと痛くなる。 もしかするとこれは、恋愛・・・感、情? そうなのかな、きっとそうなんだろう。 いや、絶対そうだ! よし、電話で練習試合に出るという報告とともに今度デートなんてどう?って誘ってみるのも手かもしれない。
「翼、なぁににやにやしてるの?気持ち悪いわよ。 あっもしかして変なこと考えてた? あら、翼もそんな年頃なのね。」
母さんは妙ににやけながら、腰を変にくねらせる。
「バ、馬鹿!ちげぇよ。 第一俺、母さんを犯す程飢えてねぇから」
「あら、誰も母さんのことを考えた?なんて聞いてないんだけどなぁ。 もしかして本当に・・・」
「うるさいうるさい、うるさい!考えてないってば! それより今から綾に電話するから少し黙ってて!!」
俺は無理やり母さんの言葉をさえぎると自分の口に人差し指を当て、シーッのポーズをした。
母さんは最近流行ってる歌を口ずさみながら自分の部屋へと戻っていった。
♪~♪~♪・・・
綾「もしもし翼?」
綾は弾んだ声で言った。
俺「うん、話があるんだけど」
綾「ほんと?私も話たい事があったの」
綾からの話?何だろう
俺「なんだよ」
綾「翼から言って」
俺「分かった。 俺、今度の練習試合先発で出る事になった」
綾「本当?良かったじゃん 私も見に行っていい?」
綾の声のトーンが1オクターブ上がる。
俺「いいよ、大歓迎。 で、綾のようは?」
やった、綾見に来てくれるんだ。 嬉しいな
綾「えっ あのね私、なんかね・・・」
俺「なんだよ!」
綾「翼の事が『好き』みたいなんだぁ」
ドクッ
俺「え?」
綾「だめ、かな」
綾の声が少し暗くなる。
俺「だめ・・・じゃない」
綾「それって・・・」
俺「つまり俺と綾が付き合う」
綾「本当?」
綾の声が一気に明るくなる。
俺「嘘ついてどうすんだよ」
綾「嬉しい、翼の事大好き!!!」
俺「分かった綾、俺も大好きだから。 じゃあまた明日」 ピッ
俺はそれから1時間くらい携帯を握りしめたままずっとドキドキしていた。 落ち着けぇ俺。 あまりにも突然の告白に俺の情報処置能力は著しく低下していた。 落ち着け、落ち着け
俺は自分にそう言い聞かせて今起きていることをまとめた。
俺には好きな人がいてそれは綾で、デートしようって冗談を考えながら綾に電話したら告られて・・・綾に告白されて・・・・・・・・
つまり綾は俺のことが好きで、俺も綾のことが好きでそれはつまり俺と綾は好き同士で・・・両想いで・・・付き合うことになって・・・付き合うことになって・・・? 付き合うことに・・・なって?!
す、すげぇ。。。 人を好きになるなんて初めてだし、お付き合いなんて本当にドラマの中だけの話だと思っていて。 でも今こうして俺の綾は付き合うことになった。
嬉しい?
嬉しい!
初恋は実らないって怪しい雑誌に載っていたのだけれどそんなの嘘っぱちだ。 だって現に初恋が実ったのだから。




