13話:お誘い
俺も教室に戻り、また女子からの黄色い歓声を浴びることとなった。
みやびは俺が教室に入ってくるのを確認すると、すぐに俺の胸に飛び込んできた。
「おかえり~、翼って本当にすごい人だったんだね! あんなに速い球投げる人、初めて見たよ!!」
みやびは目をキラキラさせながら俺を見ている。
「そうか? まぁ確かに俺の球は速いけどな」
「少しは謙遜しろよ!」
ぱち~ん
みやびが俺の頭を叩き、心地良い音がする。
「ってかお前、謙遜の意味分かんの? 頭良くなったな」
するとみやびは頭をかきながらいやぁ、実は…知らない、と耳を澄まさなければ聞こえないほど小さな声で呟く。
知んねぇのかよ!
俺は心の中で突っ込む。
みやびは目をつぶって首をすくめながら俺の方に頭を出す。
・・・どうやら俺に突っ込まれるのを待っているようだ。
カシャッ!
みやびは予想外の効果音にびっくりしたのか、目を見開いて思いっきり『アホ』な顔になっていた。
カシャッ!
またさっきと同じ効果音が鳴る。
「バカ!写真とんなよ」
みやびは俺の携帯を取ろうとするが、いかんせん186cmと154cmだ。 大人と子供くらいの差がある。
届くはずがない。 みやびもその事にきずいたのか、考えるポーズをとった。
みやびは一瞬閃いたような顔をすると俺の前に立ちふさがる。 顔がにやけている。
俺はみやびの頭を撫で、お前は可愛いな、と言おうとしたその刹那・・・・・・・・・・・・・・・・・
うぐぇっっっっ
俺は今までに身に覚えのないくらいの激痛を自分の・・・男の人達にとっていっち番大事なところに感じた。
下半身を見下ろすとみやびの足が俺の股の間に挟まっていた。
「てへ♥」
みやびはうずくまっている俺から携帯を取り上げ、何やらいじくっている。 それを見てみやびは嬉しそうに笑う。
「バカ!! ここは一番叩いたり蹴ったらいかん所だろ! 第一これで子供が出来なくなったらどうすんだよ」
「大丈夫だよ。 そん時は僕が一生面倒を見てやるから・・・」
一生って…それってプロポーズ??
・ ・ ・ ・
俺もみやびも黙り込んでしまった。
「なんとか反応だけでもいいからしてくれよ。 言ったこっちが恥ずかしいじゃんか!」
みやびは口を尖らせる。 その顔は真っ赤だった。
「なぁ、見てよ」
さっき俺から奪った携帯の待ち受けをこっちに向ける。 みやびの写真だ。
「浮気防止・・・」
「ほんとにみやびは可愛いな」
俺はみやびの頭を撫でる。 やべぇ、幸せだ!
「今日の夜会える?」
みやびが赤い顔のまま尋ねる。
部活も明後日からだし、今日は何も予定はない。
「うん、いいよ」
「じゃあ7時に駅前に集合ねっ」
みやびはそう言うとどこかへ行ってしまい、学校には戻ってこなかった。




