第1章 3日目の夜は公園で @2次元好きが思う言葉 「美少女は無敵なんだよ」 が分った気がした ついでに 主人公の言う「性格がよければな・・・・・・」が分らない
「いやいや、動かなかったから、とうとうか・・・・・・って」
「考えていただけだから!?」
明らかに体が弱すぎる俺だった。
失礼だけど、そんな事で死んでしまうような方々は、介護施設にお世話になっている方か、もしくは難病で今にも危ない人だろう。
俺はまだ健全な男の子だからな。
本当に、全国の体の不自由な方々、すいませんでした。全てこの女が悪いです。
「あれ? 急に黙っちゃってどうしたの?」
「ああ? 何でもねえよ?」
「お金もないしね」
まあ、何もない、の何もには、金も入るしな・・・・・・。
でも、ちょっと無理があるんじゃね?
「・・・・・・まあ、学生だからな」
ついこの間まで中学生でアルバイトは禁止されていたから、収入の全てが小遣いだもんな。
そーいえば、春から通学する高校ってバイトはOKなのか?
ん?
「・・・・・・ちょっとまて」
「はい?」
「何でお前が俺の財布事情知ってやがる?」
「ああ、はいどーぞ」
両手で手渡されたのは、黒い使い込まれたな長財布。どこにでもありそうな古ぼけた感じが普通だな、と思った。
中を覗くと数人の野口さんと目が会った。数すくないポケットにはドレも見覚えのあるカードが収まっている。
振ってみるとチャリチャリと小銭同士がぶつかる音がする。
ああこれは。
「俺のじゃねえかよ!?」
「おおー、結構ためたねぇ~」
「ためたじゃねーよ!? お前、コレなんで持ってんだよ?」
普通に焦った。
「むー・・・・・・」
頬を膨らませやがった。
可愛いなぁ、おい。
「な、なんだよ・・・・・・?」
「折角、拾ってあげたのに・・・・・・」
なんいうか、フラグが立ちそうな予感がビシビシ伝わってくる。
「拾って?」
多分、今の俺の顔、結構バカっぽいと思う。
「そ、拾ってあげた。あとその顔笑えるよ?」
やっぱり笑えたらしかった。
なんか今までの言葉より傷ついた俺だった。
「さっき君、向こうのベンチで寝転がってたでしょ? 落ちていたよ」
なんか、景色が変わった。
まだ3月末で夜は寒いはずなのに、さっきの財布と共にあいつの暖かいぬくもりが伝わってくる。
――ああ、普通に良いやつなんだな。
と、思う。
いつのまにか座ったときは冷たかったベンチも今は暖かい。
やば・・・・・・。
こいつ、もしかして。
「まあ、7分の1は貰ったけどね」
野口が1人減ったらしかった。
「・・・・・・お前、お約束は外さないのな」
俺は買いたいものがあったのに・・・・・・。
でも大丈夫。分ってるよ。
「冗談なんだろ?」
「・・・・・・経験値でLvが上がったみたいだね」
変なたとえだけど、しっくりきた。
あと、そんなに笑うなこの野郎。まあ、女の子だけどさ。