第1章 3日目の夜は公園で @美少女だ、ワーイ って思った頃が懐かしいよ・・・・・・
「なんだよ?」
俺は彼女に聞いた。
「なにニヤついているの? 気持ち悪いから話しかけないでくれるかな」
この女は、鬼だ。
俺は泣きながらベンチから立ち上がり、公園の出口へと歩いていった。
「あっ! 嘘だよ~?」
嘘らしい。
でも、今日はもう帰っても良いでしょうか?もう無理です。
ホント、心が持たないので帰らして?
すると彼女が小走りに追いついてきた。
「待ってよ」
そういいながら彼女は俺の横を歩く。
ホント何がしたいんだ? お前。
「泣かないの」
そんな事を隣から言ってくる。
「泣いてない」
「逃げないの」
「逃げてない」
「死なないで」
「死んでねえよ!?」
まさかの戦場への旅立ちだった。
それともアレか? この地域は気分が沈むと死んでしまうのか? ならココの住人は大変ですね!?
「お前俺は死んでない。 それから微妙に最後のだけ違わなかったか?」
ちなみに俺は泣いてないぞ?
もちろん死んでもいない。コレだけは知っておいて。
「そうかな?」
・・・・・・だから微笑むな。
「・・・・・・もうほって置いてくれ」
「熊の木彫りかよ」
「漢字が違げえよ!」
分りずらかっったようだった。俺の願いも、あいつの突っ込み&ボケも。
ほおっておいてくれ、の方が伝わりやすいことが分った。
ちなみに分らない人は「ほる」を漢字変換してください。
彫るになるから。
日本語って難しいね~っと。
てか、突っ込みみたいなボケもえきるんだな、こいつ。
「ねぇー」
「・・・・・・」
「ねぇーってば」
「・・・・・・」
「話ぐらい聞いてよ」
「イヤだ、理由はお前が鬼だから」
「もー褒めたって何もでないよ」
褒めてない。
それから肩を叩くな。痛いから。
「・・・・・・分った。分ったから肩を叩くな」
「やった」
ほんと、子供みたいに喜ぶな。危うく騙されるところだったぜ。
そんな事を考えながら、俺は先ほどのベンチと同じデザインの――塗料は違う――に座る。
なんというか冷たかった。一瞬、さっきのベンチに戻るか、と考えてしまう。
ようするに、体温は凄いって事だった。
「それで何が、そういえば、なんだ?」
「えーっとね」
・・・・・・こいつまた隣に座りやがった。
「なんだよ?」
「んー・・・・・・」
妙に歯切れが悪かった。
「どうした? お前らしくないじゃん?」
お前のことをそんな知らない俺が言う。
「・・・・・・君が愚かだとか話したとき覚えてる?」
当たり前だった。
その言い方は気に障るけど。
「・・・・・・覚えてるよ。今すぐ忘れたいけど」
まあ、実際ついさっきのことだったので忘れるはずがなかった。
「君って愚かな上にチキンだよね」
最悪だった。
こいつは歯切れが悪い上に口も悪かった。
「チキンじゃねーよ!? それより女の子がチキンとか口にするな! それからもし百歩譲って俺が愚かな男だったとしてチキンじゃねーよ!? それから今までの会話の中で俺がチキンだって要素あったか!?」
必死な男がそこにいた。
「ハハハッ。冗談だって」
コレも冗談らしかった。
つくづく冗談の多い女だ。きっとファミリーネイムはジョーダンなのだろう。
笑えなかった。
「・・・・・・お前、俺をバカにしたいだけだろ?」
「あ、ばれた?」
ばれたそうだ。
「・・・・・・もういい、帰る」
「フッに逃がしはしない!」
「どんなキャラだよ」
あと、俺の美少女のイメージを崩さないでくれ。本当に。
「ココから帰りたければ、可愛く、ぼくちゃん家に帰りたいの・・・・・・、って泣きそうな感じで言いたまえ」
だからどんなキャラだよ。
「・・・・・・ぼくちゃ、なんでだよ!?」
危うく発言するとこだった。美少女パワー恐るべし。
「まあ、いい加減まじめになろうよ」
こいつのせいだった。
「・・・・・・で? 何が聞きたい?」
俺は呆れて死にそうな感じで聞く。
「えっと、愚かだとか話すまえに、君、昨日も思った、って何を思ったの?」
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??
????
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ああ、そういえばそうだった。
それにしてもこいつバカなのか記憶力が良いのかどっちなんだよ。
「ああ、それがどうした? それより良く覚えてたな」
「あれ?、生きてたんだ?」
・・・・・・俺、褒めたよねぇ? アレ? コノ目から溢れてくる液体はなんだろう?
「死んでねえよ」
「いやいや、動かなかったから、とうとうか・・・・・・って」
「考えていただけだから!?」
明らかに体が弱すぎる俺だった。