表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺のステータスが留まることを知らない  作者: 軌黒鍵々


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/22

第5話 新たな情報

「いつもありがとうございます!! 銀貨8枚です」


 そう言われて、銀貨8枚を受け取る。本当ならこの金で新しい武器を買いたいところだが、ユナと約束してしまったからな。仕方ない。この金は別に使うか。


 防具を買おうと思ったが、銀貨8枚ならフルセットを買うことができない。


「銀貨8枚じゃ、防具一式なんて夢のまた夢だな」


 革鎧の端切れでも買えれば御の字だが、肝心な胴当てすら足りない。半端な装備を揃えても、次のダンジョンで役に立たないだろう。


「中途半端に防具を揃えるよりは、別の使い道を考えた方がいいかもな」


 そう思いながら市場を歩いていると、露店の一角に古びた本屋が目に入った。埃をかぶった革表紙の本が並び、どれも人目を引かないような地味な雰囲気だ。


「……本か」


 正直、俺は本なんて滅多に読まない。だが、棚に立てかけられた一冊の背表紙が目に留まった。


《魔法図録 第三版》

《冒険者ギルド・初級心得》


 ……なるほど。魔物やギルドの仕組みを解説した本らしい。銀貨8枚じゃ装備は買えないが、本なら何冊かはいける。


 立ち読みしてみると、依頼の受け方から素材の換金率、さらには討伐証明部位の取り扱い方まで細かく書かれている。俺が知らなかった情報も多い。


「悪くないな」


 銀貨8枚を数え、二冊まとめて店主に差し出した。


 店主に本を包んでもらってから家へ戻った。


 椅子に腰を下ろし、早速《冒険者ギルド・初級心得》の方から開いてみる。


「へぇ。討伐証明部位って、提出するとき血を拭いて乾燥させておかないと減額されるのか。知らなかった……」


 今まで泥付きや血まみれのまま提出して、換金額が妙に低かった理由がようやく分かった。ページをめくるごとに、小さな知識の欠片が積み重なっていく。


 次の章を開いてみる。


「なになに。この世界には――《七聖しちせい》と呼ばれる最も強い七人の冒険者が存在する、だと?」


 彼らは全てのランクを超越した存在で、国家すら凌駕する力を持つらしい。魔王の軍勢を一人で退けた者、千の魔物を討ち滅ぼした者、ただ一振りの剣で山を裂いた者……伝説のような逸話ばかりだ。


「……七聖、ね」


 その名前の下には、小さな注意書きがあった。


《七聖はギルドによって正式に認定された者のみを指す。その称号を持つ者は、冒険者の頂点である》


 どうやら、冒険者としての究極の到達点が「七聖」らしい。俺なんかが夢見るのもおこがましい存在だ。


 ページを進めると、さらに様々な情報が載っていた。


「ふむ。ダンジョンってのは、魔物の住む世界と繋がってるのか」


 どうやら、俺たちが潜っているダンジョンは単なる地下迷宮なんかじゃなく、魔物の世界と地続きになっている“裂け目”らしい。ただし、こちらから魔物の世界へ侵入することはできないという。


さらにページをめくる。


《冒険者ギルドのランク制度》


 冒険者のランクは、Dから始まり、C、B、A、そしてSまで存在する。依頼の受注や報酬の上限も、このランクで大きく制限される。


《七聖はSランクの頂点に位置する者であり、実質的にはSランクをも凌駕した存在である》


「……俺はまだDランクだもんな」


 次に《魔法図録 第三版》を手に取る。中を覗けば、火球や治癒魔法といった基本から、珍しい補助魔法まで網羅されている。


 ページを繰ると、序章に大きくこう記されていた。


《この世界に存在する魔法は、七つの属性に分類される。人間の多くは一属性か、せいぜい二属性に適性を持つ。》


「七つ?」


 火、水、風、土、闇、光、そして雷。これが七属性と呼ばれる基本体系らしい。


 指でページをなぞりながら、ふと思い出す。


「あ、そういえば――」


「《黒掌》を獲得してなかったな」


 意識を集中させると、脳裏に淡い光のパネルが浮かぶ。光の幹を辿り、《黒掌》の枝に意識を伸ばす。


《スキルポイントを2消費して、スキル『黒掌シャドウハンド』を習得しました――》


「よし、試しに打ってみるか」


 俺は椅子に深く腰を沈め、掌を前に差し出す。意識を集中させ、筋肉の奥から黒い力を引き出すように心を込める。


 すると、掌の先から闇のように濃い影が渦巻き、宙に淡く揺らめいた。


「……お、出た」


 影がふわふわと宙に漂うのを見て、俺は思わず首を傾げた。


「……なんか、しょぼくね?」


「よし、ここは思い切って、俺の魔力を全部入れてみるか」


 呼吸を整え、体中の魔力を掌に集中させる。胸の奥から力が湧き上がり、全身を熱く駆け巡る。掌の中で闇が渦を巻き、先ほどのふわふわした影がみるみる形を変えていく。


 本のページがパラパラとめくれていき、偶然にも《闇属性》の説明ページで止まった。


《闇属性――その力は、他属性に比べて魔力を込めれば込めるほど強力に作用する。ただし、制御を誤れば暴走しやすく、周囲に予期せぬ影響を与えることもある。魔力の調整は慎重に行うこと。》


「……え?」


 思わず声が漏れた。つまり、俺が今やろうとしているのは――


「……やば、ちょっと力入れすぎたか?」


 慌てて魔力を抑えようとしたが、もう遅い。掌から放たれた黒い渦は天井を突き抜け、軋む木材をかすめて大きな穴を開けた。




「……やっちまったな」



———————————


 《名 前》 レン

 職業・・・戦士

 レベル・・・15

 体 力・・・50+10(60)

 魔 力・・・250

 攻撃力・・・15

 耐久力・・・10

 素早さ・・・15

 知 力・・・20

 固有スキル・・・スキルツリー

 所有魔法・・・鑑定眼、黒掌シャドウハンド






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ