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星屑の学園 –天才たちの交響曲–  作者: 氷月 御白
プレリュード 「一人の天才」より
4/11

櫻井優羽という人物

「さて準備も済んだ…学校へ行くとするか…」

独り言を呟きながら部屋を出て教室へ向かう。


教室に入った途端少し面食らった。

普段は騒がしいクラスがまるで通夜のような雰囲気だったからだ。

まぁうるさいよりはマシだと思う。


ふと横の女子がおそるおそる話しかけてきた。

「あの…この部分ってこれで…」

「あっている…が…」


そう答えながらも私はこの女子が誰なのかを考えていた。このような女子はうちのクラスにいたのだろうか。

それが伝わったのだろうか彼女は突然自らの名を名乗り出した。


「あ…えっと櫻井…優羽です…見たことないかもしれないけど…あのほとんど…学校来てないので…」

なるほど…なぜ知らないのかと思ったが…

黙っているのも失礼なのだろうな…と自己紹介をしようと口を開いた時、それは聞こえた。


「…うーわ…あいつ学校来てるじゃん…それも龍宮寺さんに話しかけてる…」

「それな…身の程知れよって感じ…」


普通に考えてこれはいじめという奴なのだろう。まぁ私には関係ない。

自己紹介を…と開いた口は自己紹介とは無縁の言葉を放っていた。


「お前達に何が言える?身の程知らずはそちらではないのか?」

まさかこんなことを言うつもりはなかった。まさか…自分から他人のことに突っ込むとは…

自分自身が一番驚きながらも彼女達の反応を見る。


「え…あ…その…」

「いやでも…」

予想していた反応とそっくりだ。いざ自分が言われると全く反応できない。

これ以上関わるのも面倒だと思い、先ほどの彼女の方へ目を向け言うはずだった言葉を続けた。


「私の名前は龍宮寺蒼葉だ。」

すると彼女は驚いたようにこちらを見た後、へにょ…っと効果音がつきそうな笑顔でこう言った。


「よろしくね!」


これが私にとって初めての友達ができた瞬間になった。


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