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消える、消去シリーズ

消えた奴隷を追いかけて

作者: リィズ・ブランディシュカ




 奴隷が消えた。


 高い値段で買った、見た目の良い奴隷が。


 歌を歌わせたり、夜の相手をさせようと思ったのに。


 目をはなしたすきに、逃げたらしい。


 このまま逃げられてたまるか。


 俺は船を使って、必至で探し回った。


 この町は水路が張り巡らされた町だから、こうして移動しなければならない。


 しかし俺は、別の町から観光にやってきていた途中だったため、慣れない船の操作に四苦八苦してしまう。


 俺は、そこそこ裕福な家の息子だから、奴隷探しなんて人に探させることができる。けれど、とにかく頭にきていたし、焦っていた。


 それに合法的な手段で手に入れたものではなかったため、人に頼むのは躊躇したのだ。


 だから苦労しながらも、自分で探すことにしたのだ。


 奴隷の姿を求めて俺は、あちこちをしばらく探し回る。


 逃げた奴隷は、たまに姿を見つけられるが、なかなか追いつけなかった。


 後もうちょっとというところで、なぜかスピードアップして、あっという間に遠くにいってしまう。


 俺はまるで遊ばれているかのような気持ちになった。


 いや、まるでではなく、そうだったのだ。


 俺は水路を見つめて考えた。


 奴隷の種族を考えれば、こうなるのは必然だったのかもしれない。


 結末は、仕組まれていたのだろう。


 最初から。


 気が付いたら俺は、人気のない場所に誘い込まれていた。


「私は人魚族の女王。よくも国民たちを大勢奴隷にしてくれたな。その身をもって罪を償うがよい!」


 気が付いたら俺は、大勢の人魚に囲まれていた。


 人魚は人食い怪魚を使役しながら嘲笑する。






 翌朝、成人男性の白骨死体が川に浮く事になった。


 この町には住まない魚の死体が近くにあったため、住民たちは怪訝な顔になったらしい。



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