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理想革命  作者: 永遠の眠気
1/1

物語の始まり

 俺は高宮渚。就活と単位に追われている多忙大学生だ。

毎日、就活の情報を欠かさずチェックし、会社の内定が取れるよう、万全な準備を整えてる。


 また、単位もあまり取っていなかったせいで、大学四年生になっても取らなくてはいけない単位が多い。


 「あーマジで忙しい。一、二年生の時に単位とっとくべきだったわ。就活も基本ソロプレイで相談相手キャリセンぐらいしかいないし」


 愚痴をこぼしながら就活している自分が嫌になるまた単位を取るために講義にも出ないといけない。


 そんな日々を送っていたある日、大学の昼休みの間に第一志望の会社から連絡があった。


 「内定...ですか?」


 まさに今までの努力が報われた瞬間だった。まさか第一志望から内定が出るとは。


 「はい、ありがとうございます。はい...」 


 嬉しすぎる。今まで散々な人生だったけど、この瞬間だけは生きててよかったと思う。『継続は力なり』この言葉の意味が身に染みて理解できた気がする。


 


 とある日のこと。内定先から電話がかかってきた。


 「もしもし、プラチナスの本井と申します。そちらは高宮渚様、でしょうか?」


 「はい、高宮です。どうされましたか?」


 「大変申し上げにくいのですが何々でして...」


 「は?経営が悪化しているので内定を取り消したい?」


 「はい、ですので高宮渚様の内定は取り消させてもらいます。」


 「ちょっとまっ、」 


 プツン、プー、プー


 ふざけんな、俺がどんな思いで就活したと思ってんだ。

毎日毎日寝る間も惜しんで対策してきたってのに。


 結局、俺は一応取っておいたあまり志望が高くない会社に就職をした。


 そこからは地獄だった。過大なノルマ、膨大な残業時間

上司による詰め、お偉いさんのご機嫌取りなど、想像を絶するような職場に、俺は十年間勤めた。


 真面目だった同期が辞め、性格の悪いイケメンが手柄を盗って出世していく。また、仲間だと思っていたやつがミスを全部俺のせいにしていた。そんなこんなでよく十年間も勤められ続けた自分を褒めたい。ここに光はないのか?


 ある日珍しく取れた休みの日にかつての趣味であったサイクリングをした。


 あれだけ楽しかったサイクリングが、全然楽しくない。

でもほかにやることがないし、という感じでぼんやり漕いでいた。


 走り続けていると見通しの悪い交差点が見えた。

しかしぼんやりしていた俺は気にせずそのまま突っ切ろうとした。


 次の瞬間、車が現れ、ブレーキをしようとしたが間に合わず、そのまま轢かれてしまった。


 ガシャンという音が鳴り響き、俺は勢いよく吹き飛ばさ

れてしまう。


 (痛い、痛い、痛い。体が動かない。口から血の味がする)


 「だれがぁ...だすげでぇ...」

 

 助けを呼んだが周りには誰もいない。挙げ句の果てには

俺を轢いた車も降りることなく過ぎ去ってしまった。


 遠のいていく意識の中、ぼんやりしていた後悔と

自分を置き去りにした怒りが溢れていた。


 ああ、クソみたい人生だった。


ーーーそして俺は死んだーーー

















 

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