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模造品

作者: 時計塔の翁

 

 自分は親父殿の模造品である


 この頃自分の行動やしぐさに親父を見る

 そのたびに吐き気を感じ

 死にたくなる

 単純な嫌悪感が私を襲うのだ


 毒親ではなかった

 だが不器用な人ではあった

 長男だから厳しく育てようとしたのだろう

 しかし言葉がきつかった

 いつのまにか自分の自尊心は幼少期には砕かれていた


 名前を呼んでもらった覚えがない

「長男」が私を呼ぶときの名前だ

 長い年月そう言われ続けているが

 いつのまにかそれは私を縛る鎖となった

 家から離れた今もそれは私を開放してはくれない


 私は親父の模造品である

 小中学校は仕方がなかった

 しかし高大も同じなのは呪いだ

 他の道はいくらでもあったのは確かである

 しかしこの道を無意識に選ばなければならないという自己脅迫の念に取りつかれていた

 抗っても無理だった

 吐き気のする軌跡である


 尊敬や憧れなどない

 あるのはトラウマ

 悪い親でないのが最悪だ



 いつのまにか諦めている

 自分らしく生きることを

暴力を振るわれたことはないのでご安心を

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