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会社の上司を悪役にした異世界ファンタジーを書いていたら、読者が社長だった  作者: エール


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伝説の三聖獣 (創作)

  最近出没するようになったという強盗妖魔、『クレイジー・クレーマー』を倒すために、アイザックの転移魔法により、俺達は『サポセン』の街へやって来た。


 この街は、教養をたしなむことが盛んな街で、いろんな習い事の総本家が建ち並んでいるという。

 もちろん、剣術道場も存在しているのだが、俺もシュンも、それぞれ各流派の師範を大きく上回る実力になってしまっているとのことだった。


 他にも、料理入門や数学教室といった教養講座なんかもあったが、今はそれらを受講する暇はない。


 あと、親切に思ったのが、魔力を帯びた武器や防具も売っていたのだが、それらの使い方や、修理受付を無料で行う店があったことだ。この街は、いろいろとアフターサービスが充実しているらしい。


 そんな中、冒険者ギルドへ赴き、『クレイジー・クレーマー』の情報を仕入れることにした。

 受付のすぐ側に、『クレイジー・クレーマー』の手配書が貼られていた。

 強盗をはたらく妖魔として、クレーマーには、二百万ゴルドの賞金が賭けられている。


 しかし、俺達はそれで賞金を稼ぐつもりなど毛頭なかった。


 倒したことを証明するためには、生け捕りにするか、その魔石が必要なのだが、元々の世界から異世界転移し、妖魔化した人達は、魔石を残すことがない。


 また、生け捕りにされて実験や研究対象にされ、最後には拷問のような仕打ちを受けて殺されるぐらいならば、あっさり天に返してやる事が俺達の使命だと考えていたのだ。


 賞金に興味はなかったものの、情報は必要だったので、受付の人に討伐依頼の概要と、クレイジー・クレーマーの特徴を尋ねてみた。


 よく出没するのは、西の街道沿いで、比較的近くだという。

 時間帯は朝九時から夕方五時の間、なぜか正午ごろは現れない。

 必ず単独で現れて、旅人が少人数の時の方が、出現率は高いという話だ。


 いろいろと難癖を付けてきて、抵抗すれば、最終的に暴力をふるってくる。

 攻撃力は高く、まともにやり合えば勝ち目はない、ということだ。


 謝罪し、金品を渡せば帰って行くらしい。

 まあ、俺達ならば負けることはないだろうが……。


 その情報を元に、朝九時ごろから街道を歩いていると、二時間ほどで、そいつはあっさり現れた。


 その容姿を一言で表すならば、赤鬼だ。

 体高は二メートルほどで、武器の類は持っていないが、妖魔化した影響だろう、筋肉隆々となっている。殴られるだけで大ダメージを受けそうだ。


 こっちはなんにもしていないのに怒っていて、


「誰に断ってこの街道を歩いているんだ!」


 というような、訳の分からない難癖を付けてきている。


「なんの断りがいると言うんだ、ここは公共の街道だ!」


 と反論すると、


「もういい、社長を出せ!」


 と、もはや支離滅裂の状況だ。


「ふっ……ここは任せたまえ……ヘ・リクツ!」


 一歩前に出て応戦したのは、やはりフトシ課長代理だ。

 最近、突破されることが多かったどす黒いヘリクツの障壁だが、今回はクレイジー・クレーマーの口撃を見事に跳ね除けている。


 キレかけたクレーマーだが、俺達が後方で武器を構えて待機しているのをチラチラと眺めている。おそらく、奴は戦えば自分が不利だ、と気付いているはずだ。


 後は、この低レベルな言い争いに疲れたクレーマーに、トドメを刺すだけだ……そう思っていたときに、思わぬ展開が訪れた。


 フトシが、


「そんな脅しは通用しない。我々は勇者一行だ。素直に討ち取られろ!」


 というようなことを言ったときだった。


「ふっ、ついに馬脚をあらわしたな。勇者などと、そんなウソで大げさで紛らわしい表現を使うとは……召喚! ジェイ・ウェー・アール・ウオー!」


 クレーマーは、意外にも召喚魔法を使ってきた。


 ゴゴゴゴゴッ、という雷鳴のようなものが響き渡り、暗雲が立ちこめたかと思うと、天空から、巨大な黒いウサギ、手足の生えた不気味な魚、頭が白いワシのような生き物が降臨してきたではないかっ!


「……アイザックさんの図書室で見たことがある! ウ○ぴょん、コ○イ、ま○らワシ……あれは伝説の三聖獣……ヂャロだわっ!」


 ミキが、青くなりながら叫んだ。


「……あれが……ヂャロ……」


 そのおぞましい姿に、俺達は背筋が寒くなるのを感じた――。

※この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

※引き続き、評価やブクマ登録、感想などを頂けますと、ヒロインや同僚社員一同と共に大喜びいたします。

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