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ファーストインパクト

「試験開始っ」


高らかに声が鳴り響く


同時にカタカタカタと周りが試験用紙に回答し始める


そんな中無音の空間があった


そう、俺の机だった。


周りからは、ゴキブリがカサカサいう音よりも耳障りなカタカタカタという音。



勧誘のパーティに明け暮れ勉強する時間が無かったのだ。


毎晩美人な先輩や看護学生、へこへこニヤニヤする男の先輩どもに接待され勉強することを全く忘れていたのだ。


先輩たちは勧誘会場ではもはや奴隷だった。


「部活はいろうかなー」というと、焼きそばパンでも、ジョージョーエンの焼き肉でも何でも奢ってくれた。


毎日その部活内の一番かわいい女たちに挟まれ、ここが医学部なのか、と感動したものだ。


もちろん二日酔いになり授業にも全く出なかった。周りのみんなは、パーティに参加しながら講義も参加しているのだが、浪人からの転生者にそんな根性はもちろんなかった。


白紙のテスト用紙を眺めていると、試験監督が群がってきて視線が痛い。


三人くらいに見つめられていたのではないだろうか?


時間だけが過ぎていき


「試験終了」


という音とともに呟いた。


「あ、これ終わったわ。まあ1科目くらいいっか。」


すると、試験用紙回収する中、ピンクのおじさんがみんなの前にやってきて


「言い忘れてたんだが、医学部は一科目でも落とすと留年だから気をつけてくれ。


まあ講義の時にはきちんと言ったから大丈夫だろう。


まあ優秀な君たちなら、プリントの1000枚や2,000枚暗記するのは楽勝だろーから問題ないよな。


信じてるぞ。」


ビクビク痙攣始める俺の体


「じゃあ、明日になれば合格者には、year noteにスペルが記入されるはずだから、明日はモンスター退治の実技試験だからよく休んどけよ。


こんな風に試験が実技とペーパー別な日なのは今日だけだしな。


よかったなお前ら。」


どうやら今回の試験は筆記と実技がセットで二日で行われるようだった。


気づいたら泡を吹いて倒れていた。



夜があける



スズメがなく声が聞こえてくる。


朝か、、


起きると、自室で寝ていた。


なんでここで寝てるんだろ。そうかだれか運び込んでくれたのか。


するとノックが聞こえ「入るぞ」と一緒にパーティ巡りしたチャラ男が入ってくる。


俺はとっさに尋ねる「おまえ昨日の筆記試験どうだった!!!」


「あー余裕余裕、俺さー写真記憶っていうか、見たもの全部正確に思い出せるんだよね


お前も余裕だっただろ?」


と笑いながら言う


俺はあっけにとられながら「ま、まあな」と答える。


ここいつなんてチート持ってやがるんだ、、チート、チート、あれ俺もなんかチートスキル持ってるんじゃなかったっけ。


まあ、ペーパーも終わっちゃったし後の祭りか。


ぐおおおおおおお


俺からただならぬ雰囲気を感じたのかそいつは、じゃあ、実技のイメトレしとけよ!っと言って出ていった。


試験会場につくとみんなyear noteのページを見て安心した顔を浮かべていた。


攻撃スペルがきちんと浮かび上がっていたのに違いない。


このyear noteという本は特殊なプラスチックのような素材で出来た本で、自分で自ら内容を書き足すことは出来ない。


俺は自分のyear noteをチェックする。


真っ白だ。


呪文が何もない。


俺の頭も真っ白だ。


そして俺の試験の番になる。


敵はスライムだった。


スライムならいけそうだな。


試験監督が叫ぶ「試験開始」


俺は、year noteでスライムを叩く


呪文が使えないなら物理攻撃だ。


と思いきや、year noteはぷよぷよしたスライムの表面から内部に吸い込まれてしまった。


しまった。


あせっていると、急に顔にスライムがまとわりついてきた。。


苦しい、ううう、、


そして意識がなくなった。


脳内が文字で埋め尽くされる。


GAME OVER GAME OVER GAME OVER

GAME OVER GAME OVER GAME OVER

GAME OVER GAME OVER GAME OVER


「ゲェームオーヴァー」


誰かが嫌みな口調でそう言った気がした。

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