おめかししますわ。
ワタクシは、直属の部下四匹を連れてカイル君が待つ家へ威風堂々と凱旋しましたのよ。
玄関でワタクシがニャーニャーと鳴くと、気付いたカイル君が玄関を開けてくれましたの。
「おかえりサマンサー‥‥‥って、わあッ!」
ワタクシを出迎えてくれたカイル君が、後ろに控えている四匹を見て驚きましたわ。
「えっと‥‥‥君達はサマンサのお友達かい?」
ワタクシがそうですわ、と一声ニャーと鳴きますの。
「姉さん、この子供姉さんと俺達を同列に見てますぜ! なんてぇ失礼な子供だ!」
ゴンタがカイル君に向かいシャーッ! と威嚇しましたわね。
「やめなさいゴンタ、ワタクシの大切な飼い主ですわよ、敬意を示しなさい」
ワタクシがゴンタを諌めると、ゴンタがシュンとしながら大人しくなりますわ。
「皆入ってよ! サマンサの友達にも洋服あげたくて連れて来たんでしょ、どうせなら着せ替えごっこしよう!」
さすがワタクシですわ、思った通りになりましたの、カイル君の事なら何でも解りますわよ。
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「‥‥‥これがアタイ?」
カイル君に毛繕いされ着替えたナイフが、ゴスロリな黒のドレスを身に纏い、鏡の前で自分の姿に見惚れていますわ。
「美しいですわよ、ナイフ」
ワタクシはナイフを見て優雅に微笑みながらナイフを褒めましたのよ。
「姉さん‥‥‥アタイ、姉さんについてきて良かった‥‥‥」
未だに自分の姿を見惚れながらナイフが嬉しそうに言いますの。
他のメンバーも、カイル君の手により格好いい姿へと着替え終わったようですわ。
「と、これはどうしようか‥‥‥」
その声に、ワタクシがカイル君の持つ袋から出された物を見ましたの。
あ、あれは!
ワタクシ、急いでカイル君の下へと走り、手に持つ五色の首輪をジッと見つめましたのよ。
「ん? これ着けたいのかい、サマンサ?」
カイル君に向けて返事に一声鳴くと、他の四匹を側へと呼びましたわ。
「そっか、ならつけてあげるね、友達にもかい」
「ニャーニャー! (モチロンですわカイル君、ワタクシの部下達との絆にしますわ!)」
ワタクシ、柄にも無く大興奮ですのよ!